〘 2021年12月18日(土)、東京のサントリーホール・大ホールでピアニスト務川慧悟のオール・ショパン プログラムによるリサイタルが開催された。務川にとって初めてのサントリーホールでのデビューリサイタルであり、初の全ショパンプログラムに挑むという意義あるコンサートとなった。…
…では、当日の演奏を少し振り返ってみよう。…
…続いては「4つのマズルカOp.24」。ショパンが祖国ポーランドのワルシャワを離れ、パリの華やかな上流社会へと一歩を踏み出した頃の作品だ。農民たちによる他愛もない日常の踊りの光景や、その輪の中で生まれでる愛情表現が描きだされた民族色あふれる楽曲も、務川の手にかかると、よりフランス的で洗練されたものに聴こえてくる。民族舞踊の独特なリズムも完璧なものながら、バレリーナたちの ‟パ・ド・ドゥ” のようにも感じられる研ぎ澄まされた美的感覚は務川ならではのものだ。
特に4曲目(Op.24-4)はマズルカ全曲中最も知られる作品の一つだが、務川の洗練と色彩感あふれる演奏は、ショパンがこの作品を描きだした時のパリの、そして、ショパンが社交界の主役としてもてはやされていた頃の華やかなりしサロンの情景を生き生きと蘇らせるかのようだ。ショパンという国際的な舞台で生きた作曲家が、貴族的なパリ社交界において自ら ‟マズルカ” という曲を演奏していた時、このような豊かな色彩感と洗練に満ちたものだったのかもしれない――。そんなロマンティックなイマジネーションを抱かせてくれる、斬新で示唆に富んだ演奏だった。… 〙
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