Missy の時間

こんな引きこもりのオバさんもいます。

借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展

2010-08-14 16:44:56 | 美術館とか
もう先月の話ですが(いつもこんな感じですなぁ・・・
久しぶりに息子と娘と三人で【東京都現代美術館】に行って来ました。

確か4回目ですが、ここに行く時は日にちを調整して大体親子三人で行きます。
なぜなら、全てジブリがらみだから。

息子と娘と言っても、もう23歳と20歳なのですが、
ジブリだけは何故か一緒に行きます。

本当はその日、ダンナのバンドの練習がスタジオであって自分も行く事になっていましたが、
8月から息子の休日が変わってしまうので、娘と日にちが合わなくなってしまうと言う事で
急遽先日決行しました。

リーダーさんビックリしてたそうだけど・・・。

何かこれだけは譲れんって感じなんですよね。


当日は非常に暑くて心折れそうになりましたが、アリエッティのお家にお邪魔しに行くんだと
自分を奮い立たせて頑張りました~(大袈裟な・・・


【借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展】です。

今回、宮崎駿監督ではないし、最初はどうしようかなぁと思っていたのですが、
アニメの世界をそのまま美術館の中に三次元でリアルに再現したと言うのだから、
ましてや自分が身長10cmのアリエッティになったつもりでその中を歩き回れるのだから
これはもう行くしかないでしょ。

と言う事で行ってまいりました。


こちらはフライヤー。

1階と3階での展示で、先にエスカレーターで3階に行き巨大セットからじっくり見ていきます。


しかし、二次元を三次元で表現しちゃおうって言うのが凄いですね。
ジブリの鈴木敏夫さんからお話があったそうなんですが、こんな企画思いつくなんて。
これ凄い事ですよねぇ。

そして思いつく鈴木さんも凄いけど、
やってのけてしまう種田さんもどうかと思うくらい凄い方だと思います。

だって、よくある、一部だけを切り取っての三次元化ではなくて、
アリエッティたちが住んでいる床下部分を余す所なく再現しなければならないのだから、
かなりの時間と技術と労力と精神力がいると思うのです。

実際には、お庭も再現されていましたし。


感想は、とにかく一つ一つが物凄く丁寧に作られている事への感動と
人間世界で普通に使われているモノが意外なところで意外な使われ方をしていることへの
驚きの連続でした。

それを自分がアリエッティ目線での実物として見られると言う所がツボでした。

セットを作るって言っても、実際にあるものをそのまま使えるものって言うのは無いはずだから・・・。
実際には実物の何倍もの大きさなので、例えば釘一つ作るのだって大変ですものね。


特に移動用の仕掛けが沢山施されている壁の中を下から見上げた時は思わず声を上げちゃいました。

だってだって。

まず好きな人はいないと思いますが、あの名前を口にするのもおぞましいゴッキー君が、
巨大にパワーアップした姿で、こちらを向いているのですよ。

それも動いているのですよ。しかも三匹!!

そりゃ、声も上げちゃうってもんです。


落ちてきたらどうすんのぉ~!!
と、有り得ない妄想で少々取り乱しました自分に、子供達はもちろん他人の振りです。  


もちろん、アリエッティの部屋やリビングなどの丁寧で細かい細工に感激し、
翔君の部屋の巨大さに仰け反り、庭の植物や虫たちにも感動してきました。



お部屋拝見が終わると又エスカレーターで1階へ。

こちらでは、映画美術監督である種田さんがこれまでに手掛けてきた映画の紹介です。

【スワロウテイル】【キル・ビルVol1】【フラガール】【ザ・マジックアワー】等などの
話題作を手がけてきた方だそうです。

わぁ~~!!【スワロウテイル】大好きだったんですよ~。
【CHARA】さんがカッコよかったです。
【浅野忠信】さんも凄い好きだったなぁ。
二人が出会った、同じ【岩井俊二】監督の【PiCNiC】も良かったですが、
やっぱり自分はスワロウテイルが好きでした。

出演者の方々が皆カッコよかったなぁ。
あ。【渡部篤郎】さんも出演されてたんですよねぇ。

・・・と、またそれた。

最後に、アリエッティの監督である【米林宏昌】さんが描かれた、
主人公アリエッティが今のアリエッティにたどり着くまでのイメージボードが展示されていました。

ボーイッシュ有り、フェミニン有り、姉御肌有り・・・。
企画を立てられた宮崎さんの想いを探りつつ、
苦悩しながら今のアリエッティにたどり着いた様子がよく伺えます。

でもこちらとしては、そこを汲みつつも、色んなアリエッティがいて見ていて楽かったです


子供達の感想は、
『映画観てから来たら、もっと良かったかも』でした。

うん。確かに細かい所にもっと感動できたかも。
気付かない所もあっただろうし。

いや観てても気づかないかも。

その位こだわりを持って細かい所まで作りこんでいるし、その量も半端じゃないし。

素晴らしい空間を作ってくださった種田さんとそのチームの方々には、本当に感謝感謝でした。


戦利品

何故か図録ではなくて、これ買っちゃいました。


息子が買った【MOVIEぴあ】


またまた何故かキキのポストカードと、おまけのアリエッティ・ミニ本です。

今更ですが、ねこ展

2010-04-15 20:09:53 | 美術館とか
4月だと言うのに、まだまだとっても寒い日があったりします。

毎年こんなだったかなぁ・・・?

雨が多いせいなのか、
夜なかなか眠れなくてお薬で寝ているせいなのか(もうそろそろ2ヶ月です)、
今月に入った位から、節々の痛みが又少しパワーアップしてる気がします。

足首と足指の付け根の関節がとても痛くて
椅子から立ち上がれなかったときは、
思わず涙が出てきてしまいました。

そんな事はまだ1度だけですが、
自由に歩けなくなるのは、嫌だなぁ・・・。

何か想像できないし、想像したくもないです。

でもモヤモヤと変な考えが浮かんでは消えする事もあります。

はぁ~~。


あ。
でも一つ有難いのは、
自分が働かなくても何とか食べていける状況を
ダンナが作ってくれている事です。

老後は心配だけど、怖くて考えられません。

いかんよなぁ、こんな事じゃ。
ちゃんともっと現実見なきゃ。

・・・と、でも現実見過ぎると又寝られなくなっちゃうから程ほどにしなくちゃ。
唯でさえ家族に迷惑かけてるんだから、
せめて皆が笑顔でいられるようにしないとね。



そんな事言いつつ、またまた今更ですが。

先月の話なのですが、
新聞広告で、後足をぐぅ~んと伸ばして格子から上半身を乗り出しこちらを凝視する、ねこ一匹。

うっわーーー

何この子
か、可愛すぎるっっ 


タイトルは【ねこ】

先月、日本橋三越で3日~15日まで開催されていた、
動物写真家の岩合光昭さんの写真展の広告でした。

い、行かなきゃ。

だってだって、【海ちゃん】の写真だって展示されるし。
これは行かなきゃ。


こちら海ちゃん。
う~ん。やっぱり可愛い。


ねこを飼ってるわけでもない素人の自分ですが、何故か分かりませんが、
『これは行かなきゃいかん』
と勝手に思い込み、
そう言えば最近にゃんこに癒されたいと言ってたっけと、
娘を誘ったら、二つ返事で
『行く。絶っっ対行く

自分はいつでもOKだったのですが、娘の都合で最終日の一日前に。


ってか、日本橋って何年振り・・・。
あれ?来た事あったよね?  
確か・・・。

それほどうろ覚え。

どうでもいいですが、どこかに出かける度にこんな事言ってる様な気がします。


三越内歩いている内に・・・何か・・・凄い違和感。
・・・もしかして思い切り場違い??


垢抜けない親子二人、それでもめげずに行ってきました。
ここまで来て引き返せませんよぉぉ。



しかし、すっごい人でした。
普段ダンナと美術館などに行く時は週末は避けて行くので、
久しぶりにこんな混雑を味わいました。

娘の休みが週末なので覚悟はしてましたが、岩合さん人気を物語るような人の多さでした。


こちらチケット。
ドラ○もん似のねこくん。
3日間かけてやっと撮らせてくれたとか。


いつもは混んでいる時は、すぐ足が痛くなるのとダンナが混雑嫌いなのとで、
列の後ろから少し遠巻きに見て、
ここぞの時だけ、列に並んで間近でじっくり観るという感じが多いのですが、

今回はもう間近で観たいばっかりに、最初から最後まできちんと並びました。

自分ここまでねこ好きだっけ??
と思うくらい。


後ろに並んでいたカップルの男の子が、
『みんな、日常のねこの様子を撮ったものばかりだな』
と言っていました。

確かにそうかもしれないんですが。
(いや、泳ぐねことかはなかなか見られないんじゃ?)
・・・って言うか、それがいいんです。

作られた可愛さじゃあなくて、
ねこが猫らしく生きていて、
その中で生まれてくる愛らしさ、たくましさ、ふてぶてしさ・・・。
全部ひっくるめて、可愛くていとおしくて癒される。


それに身近な動物って、例えばねこならねこ好きな人ってわかるって言うし。

岩合さんにだから見せる表情とかあるような気がするんです。

写真を撮る時も必ず被写体のねこ達に(勿論ねこだけにじゃぁ無いと思いますが)
挨拶から入るとトークショーで聞いて、
あ、素敵な方だなぁ
と思いました。

そういう、ねこ達と岩合さんの間の空気みたいなものも、
ちゃんと写真に写っている気がしました。


とにかくねこ達が皆個性的で可愛くて、足が痛くならなければもう一周したいくらいでした。

一枚一枚にへばりつく様に観ていたらあっと言う間に時間が経って、
トークショーでご本人が登場。

足に全く痛みを感じない時でも、外出して大体2~3時間で痛みが出てくるので、
時間的に無理かなぁと思っていたのですが、

なんかテンション上がっちゃって、立ちっぱで痛みもあったのですが、聞きたい一心で頑張れました。

でも娘が、貧血みたいになってしまってその場に座り込んでしまいました。

ちょうど壁際だったので、寄りかかって、シンドイんだけどでもお話は聞きたい、
と言う感じだったようでそのままの状態で聞いていました。

ジョークを交えながらのトークは楽しくてあっと言う間に終わってしまいました。
その後サイン会でしたが、整理券をもらえていなかった自分達は残念ながらカヤの外。

娘の調子もいま一つだったので、後ろ髪を引かれる思いで、本だけ買って、
人混みを後にしました。



こちら本の表表紙のキジトラねこ君。
ちょっと緊張したような表情が可愛くてたまりません。

帯には【まっすぐに生きてる】の一言が。

お隣は、飼い主さん同士が仲良しのパグちゃん。

可哀想にパグちゃん、顔が半分切れちゃってますが
いつか【いぬ】の本が出るときには、おそらく今度はねこ君が半顔になるであろう事を
何気に岩合さんおっしゃられていました。



こちらが新聞に載っていたねこ君。
裏表紙です。

か、可愛すぎる・・・。


ちなみにこちらの本はクレヴィス社発行で1680円でした。

うぅぅ。
ねこ飼いたくなってきます。


【ルノワール】 と 【ケントス】

2010-04-03 19:03:28 | 美術館とか
今更ですが。

もう2月の話になりますが・・・。

以前からダンナと約束(無理矢理?)していた
【ルノワール~伝統と革新】を観に行ってきました。

六本木の国立新美術館で今月5日(月)まで開催中だそうです。(明後日だし・・・


確か2年半くらい前にも一度、ダンナと行ってます。

あの時は【エミリー・ウングワレー】展でした。
あれは結構な衝撃を受けてきましたね~~。
作品ももちろんですが、彼女自身に。



今回の【ピエール=オーギュスト・ルノワール】氏は、いわずと知れた印象派の巨匠

『週末は絶対混むよね
と、月曜狙いで行ってきましたが、
やはり結構混んでいました。

が、立ち往生するほどではありませんでした。

多分いつ行っても混んでるのでしょうね。
今は結構平日休みの方も多いですもんね。



さてさて。

絵画の方は(中にはブロンズも)4章に分かれて展示されていました。

第Ⅰ章・ルノワールへの旅
   ゆかりの人物や土地・風景を通して、ルノワールの人生と画業を紹介。

第Ⅱ章・身体表現
   生涯を通じて追求した裸婦表現を、各年代の裸婦作品によって辿る。

第Ⅲ章・花と装飾画
   絵付け職人の後、装飾画家から出発したルノワールが絶えず追求した
   装飾芸術を静物画と装飾画で紹介。

第Ⅳ章・ファッションとロココの伝統
   肖像画家・風俗画家としての魅力を当時のファッションと彼が愛した
   フランスロココの伝統の視点で紹介。


個人的には、Ⅰ・Ⅳ章と、ポーラ美術館がX線や赤外線を使って行なったと言う光学調査が興味深かったです。

氏の代名詞ともいえる裸婦作品をはずしたりする自分はひねてるんでしょうか??
あ。
でも光学調査の所ではしっかりありましたよ。

しかし、赤外線調査で下書きをしているかいないかが分かったり、
エックス線で、同じ様な色でも或る時期から色の種類が変わっていることが判明したりと
って奥が深いものなんだなぁと、意外なところに感心してしまいました。


思ってもみないものがあったので、余計そちらの方に気を取られたのかもしれませんが・・・。



柔らかで明るい色彩、豊満な肢体に穏やかに微笑む女性像などなど、
幸福の画家】と称されるだけあって、鑑賞していると本当に幸せな気持ちになってきます。

特に晩年など、リウマチに苦しめられながらも、
下描きなしであの柔らかで美しい女性達を描かれたいたのかと思うと
驚かずにはいられませんでした。



こちら図録です。

ちなみに表紙は【団扇を持つ若い女】です。

1878年のパリ万博の影響でジャポニスム(フランス語読み)熱最高潮の時だったそうな。
このモデルの女性は【ジャンヌ・サマリー】と言う当時の人気女優さんだそうですが、
やはり楽屋には、団扇や扇子が飾られ、天井には提燈がぶら下がっていたとか。
す、凄いですねぇ~~。日本凄い




鑑賞を終えて美術館を出たのが、4時過ぎ。

起きて最初の食事が10時過ぎ頃だったので、
鑑賞前に軽くお茶したんですが、凄くお腹がすいていました。
   
ダンナ『・・・もう我慢できない
わたし『え??』
ダンナ『・・・は、腹減った

もう、子供達は子供じゃぁ無いんだから(?)お任せにしようと、
久しぶりに二人で食べる事に。


でも、六本木だとお酒入った状態で帰るのは遠いからシンドイと、
新宿まで戻り、そこのダイニングバーみたいな所で、食事しました。

アルコールが入って上機嫌になったダンナは、
同僚に誘われて何度か行った事があると言う、
ライブハウスに行こうと言い出しました。

何でもオールディーズ専門らしくて、
ダンナ『とにかく凄いんだよ

一体何が凄いのやら。
とにかく行きたい感MAXだったので、お付き合いする事にしました。


行った時間が早かったせいか、まだ人がまばらでした。

でも既にステージ前に陣取っている、数人の女性客。
ちょっと独特の雰囲気が感じられますが・・・。

ダンナ『30分ごとにライブと休憩繰り返すんだけど、皆酔っ払ってもくるし
    だんだんボルテージ上がって踊りだすんだよ
わたし『え~~!!踊るの?』

・・・自分、踊るとか無理なんですけど・・・。

と言ってる間にも、お客さんが入ってきます。
大体30~50歳代の方が殆どかなぁ。

中にはそれ以上の男性の方も・・・。
結構女性が多かったです。

最初のステージが始まると、
陣取っていた女性陣がいきなり踊りだしたのはちょっとビックリしました。

わたし『・・・す、凄いね
ダンナ『最初はこんな感じだけど、ステージ重ねるごとに踊る人たちが増えて来るんだよ~

バンドはビッグバンドで、若いイケメンさんもちらほら。

あぁ。
陣取ってる女性陣は彼らのファンの人たちなのね。

何か、分かるなぁ。
日常を忘れるの時間なんだよねぇ。

曲は、'60~'70年代の洋楽がメインだったような気がします。
・・・オールディーズだから当たり前か。

あ、でも【恋のマイアヒ】やってましたよ。
のまのまいぇ~

懐かしい曲はやっぱり盛り上がりますねぇ~。

リクエストも出来るそうで、ダンナも3曲くらい書いて、
1曲やって貰ったみたいで喜んでいました。(自分は良く知らない曲でした

ダンナの言うとおり、回を重ねるごとに席も一杯になるし
皆踊りだすしでメチャメチャ盛り上がってました~。

あ。
ちなみにお店の名前は【ケントス】と言うそうです。
何か全国展開されてるお店みたいですねぇ。

結局、終電までいましたね~~。
ライブハウスとかすっごい久しぶりだったので楽しかったです~~。


・・・次の日シんでましたけど

ネオテニー・ジャパン

2009-07-15 19:40:51 | 美術館とか
先日の日曜日、再び上野へ絵を観に行ってきました。
今日が最終日だった
【neoteny japan】
ネオテニー・ジャパン―――高橋コレクション
上野の森美術館で開催しておりました。




ダンナと先月行った美術展で貰ってきたこのフライヤーを見せたら
子供達が
『これ観に行ってみたい
と言い出し、3人の都合のいい日がこの間の日曜日だったと言うわけです。


高橋コレクションとは、
日本屈指の現代美術コレクターとして知られている精神科医である高橋龍太郎さんが
1997年から始めた日本の若手アーティストの作品を中心に収集してきた
美術コレクションの事だそうで、作品数は1000点以上にも及ぶそうです。


今回の展覧会では、その内、33名のアーティストによる作品が
100点近く展示されていました。

そしてネオテニーとは《幼形成熟》、動物学や発達生物学で、
形は幼いまま、性的に成熟していく過程を言うそうです。

カワイイ・子供の様な感性、マンガ・アニメ・オタクといったサブカルチャーとの
リンクや、
内向的・ファンタジー・過剰さ・日常への視線を通し日本の現実や若者の心象風景に
共振するアーティスト達。

彼らの卓越した描写力・技術に裏打ちされ成熟した表現方法。

幼形成熟の過程を、現代の日本の美術に置き換えて【ネオテニー・ジャパン】と
形容したのが高橋龍太郎さんだそうです。
                《フライヤーより》


奈良美智さんや村上隆さんなどの超有名アーティストさんはもちろんですが、
他にも凄い作品が沢山ありました。


例えば、このチケットの狼君ですが。

実はバックの柄と狼君は作者さんが違います。

バックのビッチリ画面を埋め尽くしているのは、【できやよい】さんの作品。

狼君は【小谷元彦】さんの作品です。
が。
この狼君、良く見ると牙に血がついていたりします。
おまけにこの狼君、対になっていて・・・なんと。
顔の部分がドレスの袖部分だったりします。

『は何言ってんの

そうですよねぇ。そう思いますよね?

最初見た時、自分も何だかよく分かりませんでした。
が、娘が
『お母さん。・・・足、足がある

背中合わせに張り付いた二頭の毛皮の狼君の頭の間には、
女性の首が入る襟の部分の穴があり、口の部分は、女性の腕が出る袖部分。
更に下を見ると毛皮が綺麗にドレープしていて、
そこから黒いストッキングとヒールを履いた人の足(多分マネキン)が覗いていました。

『・・・毛皮のドレスなんだ

周りの皆さんも結構びっくりされてました。

自分はちょうど今【ドラクエ9】をやったりしているもんだから、
《毛皮のドレスってこんなん・・・? 頭つきはキツイなぁ。腕痛そうだし》
なんて言う、とんでもな感想に。


あと、【青山悟】さんの作品。

風景画とか髑髏とか或るんですが、これが《刺繍》なんです。
まるで絵画のような刺繍。

パッと見、分からなかったんですが、
自分はいつも作品に凄く近づいて観た後、遠めに見るタイプなので、
すぐ気が付いてビックリです。

工業用のミシンを使って描かれて(?)いるそうです。


そして一番の衝撃が【池田学】さんの作品です。

ちょっと普通では考えられない位の超、超細密画です。
題材は自然のものが多いようでそこに豊かな想像力で様々なものが描き込まれていきます。
物凄くボリュームがあります。

紙に丸ペンとインクだけでただひたすら細かく描き込んでいくようです。
下描きは全体的なものは一切描かない(下描き以降単純作業になってしまうとか、
常識的なまとまったものになってしまうなどの理由だそうです)そうですが、
部分部分では描く時もあるそうです。
一日8時間描いても、10センチ四方位しか出来ないそうで、大きめなものだと一つの作品に1年から2年掛かるとか。

超人的な集中力ですね・・・。

そんな池田さんの作品はこちらです。

最初の【興亡史】(200cm×200cm)は製作に1年6ヶ月掛かっているそうです。

今回では【興亡史】と【領域】2作品の展示だったので、もっと他のものも観てみたい~~。
個展とかないのかなと思っていたら、何ともう、昨年暮れから今年の初めにかけて個展開催されていたそうです。
う~~む、残念。

作品集なんかもあったら是非観たいけど・・・。
一作品に1年前後掛かっていたら、なかなか作品集出来るほど作品貯まらないですよねぇ。

気長に待つかぁ。


でもこのネオテニー・ジャパンは、ちょっと今までと違った感性を刺激してくれる
興味深いものでした。
楽しかったっ


こちらお土産のカタログです。

高橋さんのコメント付きの出品作品掲載や出品アーティストのプロフィールや解説も付いていましたぁ。


日本の美術館名品展

2009-07-04 19:22:29 | 美術館とか
先日、結婚記念日と自分の誕生日があったので、
久しぶりにダンナと二人で美術館に行ってきました。

ダンナは某自動車メーカーの営業畑に27年間居りましたが、
昨春より本社勤務になりまして、帰宅も以前に比べ格段に早くなり、
休日も増えました。
年齢から言っても、ちょうど良かったかなぁと思っておりまする。

・・・が。
その分ね、給料も減るわけですよね。
せっかく時間が出来ても、今度は先立つものがないので、
どちらにしろなかなか動けないのですが。

まぁ、とにかく、営業の時は時間も遅く、休日も少なく、
その休日前は朝まで麻雀か飲みコースなので、当然休日は寝てるだけ。

そんななので、夫婦はおろか家族で出かけることも長期休暇以外殆どありませんでした。

それが、内勤になって少し楽になったので、他の事にも少~しですが、
興味が出てきたみたいです。

今は休日はアルコールを飲みながらテレビを見るのがお決まりなのですが、
たま~に、美術系の番組を見たりして刺激されるようで、今まで全く感心がなかったのに、
自分から『これなら観に行ってもいいなぁ』と言うようにまでなってきました。

これまでに行ったのは1年3ヶ月で今回を含めまだ4回ですが、今までの事を考えたら画期的です。


場所は上野公園内にある【東京都美術館】。
【日本の美術館名品展】です。



こちらは公園の噴水。
とても暑い日だったのだけど、ここだけは涼しそうでしたぁ。

近くの広場では、どなたかがギターを弾きながら歌っていて、多くの人が並んでいたので、
何かイベントでもやっているのかな?と思ったら、どうも炊き出しのようでした。

本当に沢山の方が並んでいて、テレビでしか見たことのなかった自分は、
その現実に驚きました。
小奇麗な方から、年季の入った方まで様々いらして、不況の深刻さを垣間見た感じでした。

外で暮らしていかなければならないと、体力勝負ですよね。
手抜き主婦でもヘロヘロな自分は、こう言う過酷な中ではとても生きていけそうもありません。
回りに迷惑かけるだけだよなぁ・・・。


さてさて、気を取り直して美術館に入った二人。

入るまでにも場所に迷ってしまったりと、相変わらずの珍道中です。

方向音痴に道案内させるなぁ


この名品展は、【美連協(美術館連絡協議会)】設立25周年を記念し開催されたそうで、
現在の加盟公立美術館124館の内、100館が所蔵する220点の名品を一堂に展示し紹介されたものです。

相変わらずノラリクラリの二人は、たいした下調べもせず、
『まぁ、2時間もあれば充分でしょ』
と、上野についてから腹ごしらえしたり、公園を散策したり(迷子とも言う・・・)で3時頃入館。

展示品は前期・後期に分けて展示されているものもあり、自分が行った後期では、
180点弱の展示数だったのですが、自分達には想像以上の数で、とても2時間では観られませんでした。
後半と言うか残り3分の一はほぼ駆け足状態で、出足の遅さに後悔した二人でした。

特にダンナは最後の方にあった【狩野芳崖】や【横山大観】などの軸装ものに興味津々(【開運!なんでも鑑定団】の見過ぎ)で、後悔しきりでした。

自分が特に印象に残っているのは【モネ】の《ポール・ドモアの洞窟》や
【岩橋英遠】の《彩雲》、【坂本繁二郎】の《海岸の牛》、
【ユトリロ】【浅井忠】【岡鹿之助】等々・・・。

でも、本当に様々なジャンルの美術を、一度にこれだけの数観られる事ってなかなか無いので、
それだけでも来た甲斐があったかなと思います。


じっくり観られなかったものはカタログでと言う事で、買い求めました。
 

300ページ以上あって(厚さ2.5cm)、2500円は安いです~。
もちろん観られなかった前期のものも掲載されています。全作品掲載です。
紙の質がちょっと・・・だったのですが、まぁ、今回は量が凄いのでこんな感じかぁ。


こちらはチケットと加盟館ガイドブックです。
ガイドブック単品だと確か300円位でしたが、カタログを買うとオマケで付いてきます。


この後、地元に帰って駅近くの居酒屋で子供呼んで夕飯しましたぁ。(半額だったので)


あ。
ちなみにこの名品展明日までです・・・。


石田徹也-僕達の自画像-展

2008-12-04 19:11:30 | 美術館とか
早いもので、12月でございます。
今年ももう残す所ヶ月・・・。

何もやってない・・・。
気がする・・・。

歳を取ればとるほど1年は早いと言いますが、
・・・早すぎるだろっっ。

ここに来てまた体重が落ちてしまい、人としてヤバイでしょ
と言う所まで来てしまいました。

当然体力もなく、一日の半分近くは布団の中と言う有様です。
そしても一つ当然、動きも鈍くなり一日に出来る事は限られてきます。
鈍くなると言うか、2~3時間動くと、体力面でも疲れてしまうし
節々も痛くなってしまうという感じです。

情けない事です。


そんな中、行ってまいりました。

ずっと観たくて楽しみにしていました。

【石田徹也-僕達の自画像-展】

フライヤーです。


フライヤー・裏面

ダンナと娘と3人で行ってきました。
親子で休日に出かけるなんて何年振り(除く帰省)。

珍しく全員一致で興味を示したのですが、息子はその日夜勤だった為
あえなく断念。
12月の28日までやっているので、これから行くようです。


こちらはチケットです。
印刷されている作品は《飛べなくなった人》
石田さんの代表的な作品の一つです。

私が石田さんを知ったのは最近です。

秋にダンナがたまたま観ていたNHK総合の【迷宮美術館】
だったと思います。
『何だこれは??』
最初の感想はそんな感じでした。

余りにインパクトが強くてちょっとショックだったくらいです。
なので、とても今回楽しみにしていました。


ここで石田さんについて少し。

石田徹也さんは1973年に、静岡県焼津市に4人兄弟の末っ子として
生まれます。

19歳で武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科に入学し、
東京で一人暮らしを始めます。

1年の時に交際していた女性とは、『一緒にいると幸せすぎて絵が
描けなくなる』と言う理由で別れたとの逸話があります。

他にも親の仕送りさえ断って、敢えて深夜の警備や工場など
きついバイトを選び、それ以外は絵の創作に専念するなど、
かなりストイックに自身を追い込んでいっていたそうです。

22歳の時、公募《ひとつぼ展》グラフィックアート部門で
グランプリを受賞します。
それまで抽象画的な作品を作っていたそうですが、
自分にそっくりな男性をモチーフに展開する石田さん独特の画風が
世の中に出たのはこれが始まりだそうです。

大学卒業間近、石田さんは両親に画家宣言をします。

その後、石田さんは美術界で一定の評価を受け、個展も開き、
海外のアートフェアにも出展し、大変な話題にもなったそうです。

2005年、31歳の若さで踏切事故により急逝されます。

1年後【石田徹也遺作集】が発行されます。



場所は【練馬区立美術館】です。
西武池袋線《中村橋》駅から徒歩3分と書いてありますが、
そんなにかかったかな?
とにかく駅から近いです。


石田さんの絵は2階に展示してありました。

展示数は70点ほどあったそうで、思ったより多くてそれにまず
驚いたのですが、でも実は、作品の半分にも満たない数なのだとか。

結構大きな作品が多く、凄く細密に描いてあるものも大分あって、
僅か13年の間に、それだけの質と量の作品を作り上げた事自体に
感嘆しました。
本当に、生涯を絵だけに捧げた方なんだなぁ。


作品の殆どには石田さん本人と言ってもよい(本人は否定されて
いたそうですが)憂い顔の若い男性が出てきて、
特に前半は飛行機やSL、トイレや果ては学校とまで一体化して、
ユーモアにくるみながら、現代人の孤独感、不安感、閉塞感を
表したような絵を描かれています。

後半に行くに従い、作品は目に見えて、悲惨さを帯びたものに
なっていってる様な気がします。
ユーモアを排除してまっすぐ現実を受け容れて自分の中にあるものを
ありのままキャンバスにぶつけているような・・・。


何か、観るのが辛いと言うか、怖いと言うか。
でも、観てしまう。
そしてその場から動けなくなる・・・。

自分は美術館に行ってこんなにドキドキしたのは
初めてでした。



【美術の窓】11月号です。
美術館に行ってから近所の書店で取り寄せました。

これを読んで、
こういう言葉が正しいかどうか分かりませんが、
石田さんは、31年と言う短い生涯だったけれど、
きっと彼にとっては充分な年月だったのかも知れないと思いました。

きっと、彼の意思に沿った、嘘偽りの無い人生だったんじゃないかと。
そしてそれは、彼の作品に全て紡がれているのでは・・・。

石田さんは今も作品の中にちゃんと生きているような気がしました。


何だか、思うことはあるのですが、言葉足らずで、
何を言ってもウソっぽい気がして、書いては(打っては?)消し、
書いては消しで、結局細かい感想を書けませんでした。

又、そう言わせない何かが石田さんの絵にあるからなのかな
とも思ってみたり・・・。

ただ、息子には言いました。
『何をおいても絶対観に行った方がいいよ』



今更ですが、コロー展

2008-09-10 23:56:39 | 美術館とか
何だか今日は、とても良いお天気でしたねぇ。
ってかちょっと暑い。もうちょっと爽やかに・・・。
・・・。贅沢ですかね。
晴れただけでも良しとしませう。
毎日必ず雨が、それも短時間でも大量に降ったりしていたので、
こんなにスッキリしたお天気は本当に久しぶりではないですかね。


さてさて、書こう書こうと思っていながら
ついつい今頃になってしまいました。

・・・って、最近こんなんばっかだな。

ホント今更なんですが。
もう先月末で終わってしまったのですが、
上野公園にある【国立西洋美術館】で開催していた
【コロー展】に行ってまいりました。


それも最終日。それもそれも日曜日。
娘と一緒に行こうと言う事になったので日曜日しか
ありませんでした。

混むよねぇ~。きっと半端ないよねぇ~。

おっ?
確かに混んではいるけれど、思ったほどではなさそうです。

おしっ!行くで~~。

あ~~。やっぱ館内は混んでいる。
当たり前よね。最終日に来る自分が悪いのよね。
我慢我慢。


あ。ちょっとここらでコローさんについて。

【ジャン=バティスト=カミーユ・コロー】
(1796~1875)写実主義・バルビゾン派
19世紀のフランスの画家です。

父親が織物商を営む裕福な家庭に生まれましたが、
その父親がコローに後を継いで欲しかったため、
なかなか画家になる許しを得ることが出来ませんでした。

コローは織物商の見習いを続けながらも、画家になることを夢見て
アカデミー・シュイス(19世紀のパリでアカデミー・ジュリアンと
共に有名だった私的な画塾)に通い修業したそうです。

コローが25歳の頃妹が病の為亡くなり、翌年コローは両親から
画業に専念する許可と、その妹の年金を譲り受けます。
これにより生涯金銭上の苦労を背負う事がなくなったそうです。

本格的に画家を目指す事になったコローは、まず同年代の風景画家
【ミシャロン】に弟子入りし、後、【ジャン=ビクトール=ベルタン】
に師事します。
そしてこの年初めてフォンテーヌブローの森に訪れます。

コローは結構行動派な画家だったようで、フランス各地を精力的に
歩き回りイタリアにも3回訪れて、多大な絵画を制作しています。
(他にもスイス・ベルギー・オランダなど)

サロン(展覧会/宮展)にもたびたび出品して次第に有名になっていきます。

1855年59歳の時には、パリ万国博覧会で6点の風景画を出品し金賞を取ります。
コローの風景画の特徴として霧がかかったような銀灰色が多く用いられ、
これを【コロー色】と名づけられ、当時ファッションの流行色にもなったそうです。
又6点のうちの【マルクーシの思い出】は皇帝ナポレオン三世
(ナポレオン一世の甥)が買い上げました。

これらによりコローの名声は確立され製作依頼の注文が殺到するようになったそうです。



この方の事は、正直名前くらいしか知らないくらいの知識でした。
(それは知識とは言わないでしょ・・・

でも、《コローのモナリザ》と言われている【真珠の女】は
知っていたので、是非観てみたい~と思っていました。

いやぁ。
もうギリギリで何とか。

さすが最終日だけあって混んでいました。
が、全く進まないわけでもなく、2~3列になっていて、
一番前はさすがになかなか動かないので、その後ろ位に位置して
じっくり観たい時だけ待ってでも観るという形を取りました。


風景画家と言われるだけあって、風景画は銀灰色や
柔らかな色合いが多くて、写実的な中にもどこか幻想的な雰囲気があります。

でもこれは、二回目のイタリア旅行(1834年)後から徐々に
コントラストが弱まり、繊細な感じになっていったようです。

あと唐突ですが、観ていて単純に凄いなぁと思ったのが、
他の画家のように、自分の芸術の革新性を主張してきた
訳でもないのに、のちに出てくるセザンヌ、シスレー、
ルノアール、モネ等など、著名な画家達に影響を与えてきた事です。

それらの画家とコローの同じ様な構図の絵が並べられていたりして
そう言うちょっとしたサプライズ的な見せ方が自分的に凄く良かったです。


コローの代表作と言われる絵画はいくつかありますが、
みな晩年に描かれたものばかりです。


【真珠の女】(1858~68年)ルーブル美術館
(1868~70年と言う説もあるようです)

頭部の木の葉のモチーフが真珠と見間違えられ、
既に19世紀からこのタイトルで呼ばれるようになっていたそうです。

コローが手放すことなく自宅の客間に飾って、
10年もの間、手を加え続けたと言われています。

そのせいか、髪の部分がキラキラと光っていて
まるでラメでもちりばめてあるように見えて驚きました。

もちろんこの時代にあるわけも無いでしょうに・・・。

うむむ・・・。
もっと近くで見たい。
仕方なく、少しづつニジリニジリと近寄る私。

おお~う!!
これは、油絵の具・・・!(あ、当たり前ですが・・・)
黒の絵の具が、塗って塗って塗って塗り重ねてありました。
それが立体的になって光に反射して光っていた様です。
コローの10年分の想い・・・がキラキラと輝いていたと言う事でしょうか。


【モルトフォンテーヌの想い出】(1864年)ルーブル美術館

風景画の代表作です。

この絵もサロンに出品された際に皇帝ナポレオン三世に
買い上げられて、フォンテーヌブローのお城に置かれたそうです。

皇帝の失脚後は、財産整理により国の財産となり1879年以来
ルーブル美術館に所蔵されています。

発表後は瞬く間に版画などを通して知れ渡り、
20世紀に入っても紙幣の絵柄になるなど国民的な人気のある絵となったそうです。

《コロー色》が素晴らしいです。
この柔らかで幻想的な空気感は何だろう・・・?
コローだから、いえコローでしか出せない色なんでしょうね。
思わずたたずんでしまうような絵です。

この絵の前では、皆さん少しずつ間を取りながら佇んでいました。



【青い服の婦人】(1874年)ルーブル美術館

最晩年、亡くなる前の年に、胃がんに冒され苦しみながらも
製作された絵だそうです。

この絵は完成後、すぐ個人コレクターの手に渡り、
1900年のパリの万国博覧会に出品されると、
《最晩年の傑作》とセンセーションを巻き起こしたそうです。

一緒に行った娘が、
『私は、《真珠の女》よりこっちの方が好きかも
と言っていました。

ふくよかで柔らかな女性の肌の質感や髪の繊細さと
青いドレスのドレープの大胆な筆致との対照的なところが凄いなぁと思いました。



お土産品。大きい方が娘が買ったもので、小さい方が自分用。

小さいけれど、1ページに1作品が載っていてその前ページに
解説が付いていて観やすいです。
・・・が。
横向きの作品は本も横にしないといけないので、そこがちょっと・・・。
(それは観やすいと言うのか?
う~ん。でも好き。

大きい方も、コローが写生に訪れた場所が写真で載っていたりして素敵です。

もっと大きなカタログがあったのですが、重くて諦めました。


いやぁ~。
でも頑張って行って良かったですぅ。
なぜかず~~っと引っかかっていたんですよねぇ。
おかげでスッキリしました。(何が?



ちなみに今月13日(土)~12月7日(日)迄、
【神戸市立博物館】でコロー神戸展が開催されるそうです。

エミリー・ウングワレー展

2008-07-26 16:16:56 | 美術館とか
先月、【井上雄彦】さんの【最後のマンガ展】を見に
【上野の森美術館】へダンナと行ったのですが、
余りの行列に二人で撃沈。

他にも見たいものがあった私は、
『じゃあ【コロー展】がいい』
とすぐ近くの【国立西洋美術館】に行ったのですが、月曜日だったため、
近辺の美術館・博物館は休館日でした。
・・・。

よっしゃあ!リベンジだい!!
で、何故【エミリー・ウングワレー展】?・・・なんですが。

確か、先月ダンナがたまたま見ていた【NHK】の【新日曜美術館】で
彼女の事をやっていたのですね。

そして、何だかとても衝撃を受けまして、
『いや。これは見にいかんとイカンだろう
と思ってしまった訳です。

【コロー】の方が展示期日が8月一杯までだったので、
まだ余裕あるし、じゃあ【エミリー】ちゃんが先ね?
みたいなノリですかね。


場所は、六本木の【国立新美術館】
ろ、六本木なんて、何年ぶり・・・。いや、何十年ぶり。
思わずうろたえました。

一人じゃ絶対行かれない。
行っても多分帰って来れない・・・。

・・・どーでもいいですね。



国立新美術館は昨年1月に開館したばかりの
ピカピカの日本で5番目の国立美術館です。
延床面積では日本最大になるそうです。

設計は、昨年4月に都知事選、7月に参院選に出馬し、
怒涛の1年を過ごされ10月に亡くなられた
【黒川紀章】さんです。

この美術館、コレクションは持たないそうですが、
企画展・公募展・新聞社や他の美術館との共催による展覧会等
常に様々な催し物が開催されているそうです。


さてさて、【エミリー・ウングワレー展】です。
キャッチコピーと言うのか、
《アボリジニが生んだ天才画家》と言う文句が踊っていたのですが。
【アボリジニ】って何?

すみません。なにぶん無知なもんで・・・。
お恥ずかしい。

ダンナに聞いてみるか。

『アボリジニって何?』
『知らんのか?』

ちょっと呆れ顔・・・す、すんませんねぇぇ。

一言で言うと【オーストラリア先住民】だそうで、
オーストラリア中央の砂漠地帯に居住し、
狩猟採集生活を営んできた人達の事だそうです。


ちょっとここでエミリーさんについて。
(1910年頃~1996年)

中央砂漠地帯で、アボリジニの伝統的な生活を送りながら、
儀礼の為のボディ・ペインティングや砂絵を描いていましたが、
1977年からバティック(ろうけつ染め)の製作をはじめ、
88年からはカンヴァス画を描き始めます。

その後亡くなるまでのわずか8年の間に3千点とも4千点とも
言われる作品を残しました。

90年以降はシドニー、メルボルン、ブリスベーンで個展を開催。

没後も、97年にヴェネツィア・ビエンナーレのオーストラリア
代表に選ばれ、98年にはオーストラリア国内を巡回する大回顧展が
開催されました。
(エミリー・ウングワレー展フライヤーより)


衝撃なのはその背景です。

美術学校はおろか、学校そのものに通った事がないそうで、
文字の読み書きは出来なかったそうです。
美術の本や新聞、雑誌等を目にする事もなく、
西洋美術とは全く無縁の環境にあったにも関わらず、
彼女の作品は、素晴らしい抽象画でとてもモダンです。

そして、製作過程も凄いです。
地面(もちろんですが舗装などされていません)に直接カンヴァスを置き、
その脇にあぐらを書いて座り、
何のためらいもなく縦横無尽に筆を走らせたそうです。

その筆も、普通の筆以外に、使い古しのゴムぞうりや棒切れ、
ひげそり用のブラシなど何でも使っていたそうな。

絵の具はカンヴァスの上で直接混ぜ合わせていたそうです。

そして、カンヴァスが大きなときにはその上に乗って、
描いては位置をずらしを繰り返していったそうです。

その為か、彼女の作品は殆ど、上下左右の決まりがなく、
どのように飾られてもいいんだそうです。


エミリーの絵そのものも、製作過程も、
誰かの真似でもなく、何かの影響でもなく、
固定観念に振り回されることもなく、
全て、彼女の中から出てきたものなんだなぁと思ったら、
凄く感動してしまいました。


これは、カタログを買って家でゆっくり見てからの感想ですが、
これらを知って、もう一度美術館で見たら感激も又少し違ったものになるんだろうなぁ。

でも、知らないで見て自分の中から湧き出てきた感想がやっぱり本物ですよね。

ちなみに自分は知らないで見てもかなりの感動振りでしたが。
一番最初は、
『えっっ!何これ!?
でしたが、しばらくして何故か分かりませんが、
ちょっと泣きそうになってしまい、軽くうろたえました。


あ、そう言えば、アン・ルイスさんや、エルトン・ジョン氏などの
著名人所蔵の絵も展示されてましたねぇ。


しかし、何が一番驚いたかって、80歳目前で絵を描き始め、
亡くなるまでの8年の間に、単純に考えて1日1枚以上の絵を
毎日のように描き続けていたと言う事実です。

カンヴァス画を描き出してすぐ注文が沢山来るようになったからと言って、
それまで描いたことのない人にとっては、描き続けると言うのは、
それだけで凄く大変なはず。

それが、高齢になってから始めたにも関わらずそのテンポのよさは
変わらなかった様で、亡くなる2週間前までカンヴァスの前に座り
描き続けたという話を読んで、
岡本太郎記念館に行った時に感じたのと同じような思いになりました。

題材は全て故郷そのものや、その中で生きていくための食物だとか、
儀礼のための装飾等でしたが、
彼女の中におさまりきれない故郷に対する想いというか、
エネルギーが絵からも溢れんばかりに渦巻いてる感じがしました。

正直、抽象画は得意ではない自分ですが、それでも何かを想い感じさせてもらえる事に感激してしまいます。


それから、自分的に色合いが凄く好きでした。

センスって、本当は《良い・悪い》ではなくて、
《ある・ない》と表現するんだと聞いたことがありますが、
本当にセンスのある人って、何も知らなくても無意識の色使いで、
(言葉変かなぁ)描きたいもの(題材に込められた想いとか)を
あらわす事が出来るんだなぁと思いました。

本当に淡い色合いも渋い色合いも、自分的に単純に見ても綺麗で大好きです。


本当に久しぶりの美術館でしたが、いろんな意味で衝撃を受け、
本当に行って良かったと思えたエミリー展でした。

ちなみにエミリー展は明後日の28日(月)迄です。


おまけ

こちらお土産。カタログと絵葉書4枚です。そしてチケットとフライヤー。


ダンナ共々お気に入りの1枚。
よく見ると下の方に茶色い犬の足跡が・・・。
おおらかだなぁ~~。


ちなみにこちら、【六本木ヒルズ森タワー展望台】から激写(?)した
新美術館全景でぃす。
この展望台の上にも【森美術館】なるものがあるそうでして、
是非又行ってみたいものです。

どーでもいいけど、高いとこ怖い・・・

岡本太郎記念館

2007-12-28 19:49:57 | 美術館とか
年末の慌ただしいさなか、
家事をほっぽり出して行ってまいりました。
【岡本太郎記念館】

年末年始はお休みだそうで、今日から休みだと言うので、
慌てて昨日行って来た次第です。

まぁ、何もこんな年末に・・・って感じなのですが。
逆に空いてるかなと思いまして。

息子も娘もここは行ってみたいと言っていたので、
3人でいける日となるとかなり限られてきて、
こんな押し迫った日になりました。

・・・と言い訳をつらつら。


場所は青山。何年ぶり~~。
いや。
ウソをついてはいけませんね。・・・○十年ぶり・・・?

いい感じのお店が沢山あってつい寄り道したくなりますが、
なんてったってナビ代わりの息子の足が速くて、
ゆっくり回りも見られないテンポです。

あっという間に5m位は離されます。
息子を見失ったら、方向音痴の娘と私は取り残されちゃいますから、ついて行くのに必死です。    
記念館に着いた頃にはヘトヘトでした。

も、もう少し気を使ってくれてもいいんだよ。息子君。
もちろん、ワザとやってるわけではないのは
分かってるんだがね。


 
『芸術は爆発だ!!』の名言で有名な岡本太郎さんの記念館は、
生前の太郎さんのアトリエをそのまま開放されているそうです。



 
床に絵の具が飛び散り、
描きかけのキャンバスがおいてあるアトリエを見た息子は
『ここ、ヤベェ』
娘は
『何かここ、すごく感動する』


2階まで吹き抜けになったアトリエには、
目に見えないエネルギーが渦巻いてる。
そんな気がしました。
上手く言えませんが、ゾクゾクする感じって言うのかなぁ。

きっと、今までに沢山の方々が見にこられて、
太郎さんの作品からパワーを受け取っているんだと思いますが、
それでも消えないエネルギー。
きっと生前の太郎さんの身体に収まりきらなかった見えない力が、
あのアトリエには今もあるんではないかと思いました。

きっと説明するものではないんですね。
感じるものなんですね。

 

 
                    これ、好きです。

 


行って良かった。
もう一度行って見たいです。
今度はもっとたっぷりパワーを頂いてきたいです。


お土産品。ポストカード4枚です。


ちなみにこちらは作品名【明日の神話】の一部です。修復後。
上の左のカードはこの裏面になってます。修復前。

長らく行方不明になっていた巨大壁画で、
2003年にメキシコシティー郊外で発見されたそうです。
1968年から’69年にかけて大阪万博のテーマ館の仕事の合間を
ぬって作成されたものだそうです。

2006年6月に修復が完了し、7月~8月に一般公開されたそうです。
現在は1年間限定と言うことで、
4月から【東京都現代美術館】で公開されているそうです。



おまけ
五十音川柳
今日の一句【り】
   理屈では  感じられない  このパワー

POP‐UP絵本ミュージアム

2007-12-19 14:34:49 | 美術館とか
週明けは基本的にダンナが休みで、
先日も言いました(書いた?)様に殆ど家で、朝からビールです。

今回は連休で昨日もお休みでした。
ダンナが安くていいから新しい時計が欲しいと言うので、
あちこち見て歩いたのですが、なかなかコレ!と言ったのが無かった様で、
パンフのみ、お持ち帰りになりました。

ダンナは、普段買い物をしないので、いざ悩み出すと止まりません。

結局、1件のお店では大セールをやっていて、
私がブーツを1足買ってしまいました。

全く買うつもりも無く、それも最終日の閉店間際に行ったので、
何の期待もしていなかったのですが、
とっても履き心地の良いブーツを見付けてしまいました。

サイズもピッタリ。1足だけ残っていました。
出来れば茶色が良かったのだけど。黒でした。
とても心地の良い茶色のブーツがもうボロボロなのです。
と言いつつ、つい履いちゃうのですが。

足指や足首の関節が痛いので、今はもっぱら見た目より履き心地です。
お手頃価格で、少しでも履き心地の良いものを探すのですが、
なかなか無いのですね。だからまれに見付けると飛びつきます。
60%オフでした。ラッキーでした。

でもたまには、先のとがったのや、ピンヒールとか履いてみたいなぁ。



ところで、日曜日、用事があって娘と都内に出ました。
用事を済ませて食事をしたら、レジのカウンターに、
【POP‐UP絵本ミュージアム】なるものの招待券が置いてあったので、
頂いてきました。


池袋・西武のイルムス館2階の【西武ギャラリー】で
25日(火)のクリスマスまで開催しています。

アメリカの絵本作家【ロバート・サブダ】さんと【マシュー・ラインハート】さんの作品展です。

【POP‐UP絵本】なんて、可愛い呼び方はいつからあるんだろう。
自分はずぅぅ~っと【飛び出す絵本】と呼んでいました。
もしかしてちょっと恥ずかしいのかな、これって?

コレを目的で来たわけでは無いので、気軽に入ったのですが、
そのPOP‐UPと呼ばれる、仕掛け絵本達の、
開かれて立体になる時のワクワク感と、
テクニックの繊細さに対する驚きは、かなりのものでした。



たとえば、上の写真の様な【ナルニア国物語】や【STAR WARS】のワンシーンが、
紙で立体に出来てそこに置いてあるだけでも、自分なら、凄い!と思ってしまうのに、
それが普段は閉じられている本から、開けばいつでも立体的に見られるんだもの。
それもかなり複雑で繊細な立体で。

そして、先ほども書いたけれど、どういう風に開くのかを見ているのが結構ワクワクします。
思わず『おぉぉ~!』とか言っちゃいます。

ギャラリーでは、それが大型絵本のような形で、ボタンを押すと
自動でページを開いたり閉じたりしてくれます。


でも、自分の時間の関係で、ゆっくりじっくりとは見られなかったのが残念でした。

最後にはもちろん本がた~くさん売っていたのですが、
(POP‐UPカードも可愛いものがたくさん!)
種類が多くて悩みました。価格がそれなりにしますし、持ち合わせも無かったし。

悩みすぎて逆切れしそうになって、一度は
 『やっぱ、やめた。買わな~い』
娘『えぇぇ~~!』

結局娘に選んでもらう事に。
でも、なかなか趣味が合わなかったりするんだよねぇ。
ドキドキドキドキ。

いくつか見本を見て
『ん~。じゃぁ、【オズの魔法使い】』


おぉぉ。よく言った。
色合いとかが好きですし、仕掛けが結構凄い。

この竜巻ちゃんと回るんですよぉ。
驚きですよ。感動です。

それに、ページを開いて、仕掛けが飛び出すだけでなく、
お話が書いてある部分もめくれる様になっていって、
そこにも可愛い仕掛け達が沢山飛び出してくるのです。
1ページで2粒も3粒も美味しいのです。








後で見たら、
《作者がオリジナル刊行100年を記念して、
 それまでの集大成として様々な技法を駆使した珠玉の1冊》
と書いてあり、大正解!?

あ、でも、1ページで2度美味しいのは、
オズの魔法使いだけではありません~~。

本当は娘はナルニア国物語が良かったそうなんですが、
英語だったのであきらめたそうな。
親子で英語苦手です・・・。

でも。
出ちゃうそうです。3月に日本語版。
あぁ、気になるじゃないのぉ~ 


おまけ
五十音川柳
今日の一句【ら】
   らぶり~で  大人も気になる  仕掛け絵本