六根清浄、お山は晴天。 登って下って、どっこいしょ。

たまに書く、時々入力、気が向いたら、したためる。駄文満載、阪神裕平ことおやじぃ雅のアウトドア雑記帳。

年末恒例、富士山を仰ぎ見ながら

2023-12-28 03:48:52 | Lively~話題&人気の山
ダジャレはひらめけど、肝心の言葉は出てこない
一考すれど、一向に浮かばず
  

               
【下吉田駅~新倉山~御殿~霜山(ピストン)~
新倉山~富士見孝得公園~葭池温泉~三つ峠駅/山梨県】

早いものでもう師走。

そうなると、そろそろ来たる2024年の
マイ・スローガンでも作りに
富士山をば拝みに出かけるかと、
仕事は帰ってからと後回し、
夜中にゴソゴソとパッキングして、
始発電車に飛び乗る。

2022年末は静岡県側からだったので
今回は逆、山梨県サイドからと
歩くのは新倉(にいくら)山の周辺。
あの五重塔のバックには雪をいただいた富士山で、
世界的に絶景として有名なエリアだ。

富嶽や絶景を見て、登って下って、
渋めの温泉につかり、
シメはご当地グルメでもがっつけば
きっと人はさておき、自画自賛はできる
一文ができるはず。

計画時は、そう思っていた。

ところが現実は、全然ダメ。
言葉が出てこないのである。

まずは最初の
絶景を見て、登って下るの場合は。

予定ルートは新倉山から少し先の霜山まで。
霜山はピストンとして再び新倉山へと戻る。
うまくゆけば、この時点で名文誕生、
のはずだった。

しかし、この思いはあっけなく崩れ去る。

新倉山、そしてその先の御殿と称する場所までは、
特に登山を意識しなくても進むことができる。
現に出かけた当日も、新倉山から御殿にかけては
絶景目当ての観光客多数、ほぼインバウンドのようで、
飛び交う会話に日本語は聞こえない。観光面では
疫病ショックは急速に回復している模様だ。
   
いやいやそんなことよりも、来年のマイ・スローガン。
かなり休んで、富士山も穴があくほど見つめたが
一文字も出ず。
       

                         
また新倉山から霜山の間は、急登、急降下が続き、
これぞ山道となる。よってピストン行動中の
注意力散漫は厳禁となり、
当然ながら言葉も見つからず。

続いての渋めの温泉につかる。
ここに期待してみたものの。

結果は、残念のひと言に。

下山した先にあるのが葭池(よしいけ)温泉。
無名ではあるが歴史ある温泉だ。

時間を見れば、間もなくお昼の12時。
ではここは、ちょいと遅めの小原庄助さんと
朝ならぬ昼湯でも、いただくとしますか。

浴室には誰もおらず、貸切状態だった。
ならば遠慮なくと、身体を洗いつつ
ああでもないでこうでもない、
湯船に入って、あれやこれやと
ない知恵を絞ってみたが、
これがまったくの徒労で成果なし。

またお湯も少々熱めなので、
これ以上はドクターストップ、のぼせてしまう。
さらに次なるご当地グルメで、
めざすお店の営業時間は14時まで。
はいシンキングタイム、時間切れ終了である。
                             
ではラストの
ご当地グルメをがっついてみればに
望みをつないで。

今回お邪魔した周辺には
「吉田うどん」という名物があるが、
登山の帰りにありつくのは難儀だった。

理由は時間帯。今回のお店もそうだが
資料を読んで、すすってみたいと
そそられるお店の営業時間は決まって14時。

だが今日は快速歩行で進めば、
ギリギリ間に合う状況である。

師走と季節柄、先生だって走っておられるぞ、
ならばと気持ちはランと先を急ぐ。

その甲斐あって、お目当ての店も営業中。
さっそく注文、いただきますとする。

吉田うどんの麺は硬い、というか
食の表現でいえばコシが強烈だ。

「みやぁ~」地方生まれの身にしてみれば
うどん界の横綱、絶対的一番は、
郷土の味「味噌煮込みうどん」である。

ではあるが、歯応え抜群の吉田うどん麺は
味噌煮込みうどんの麺にも似ており、
自身に内蔵されている
「これは旨いぞ・絶品センサー」も高レベルで、
完食もあっという間だった。

すると来年の干支は「辰」か。辰、たつ、
たつ、たつ、達人。ん、達人のたつを
辰にして「“辰”人何とか」というのはどうだろう。

よく噛む食事が脳を刺激したのか、
唐突にスローガンのヒントとなりそうな
言葉が浮かんだ。

よし、この「“辰”人何とか」をベースに
こさえてみますか。そうと決まれば
もうひと刺激。

事前に調べておいた吉田うどんの
お店の中に、今からでも可能なところは
あるかとチェックしてみると、ありましたぞ。

大丈夫、お店の営業も20時までと、
時間がたっぷり、余裕しゃくしゃくだ。

場所は三つ峠駅のちょいと先。
ここは腹ごなし&考えタイムで、
歩いてまいりましょうか。

それでは行動予定を延長して、
急がず、慌てず、速度はいつも通りで、
「富士みち」まっすぐの
ハシゴうどんウォーク、はじめである。
   
           
〜絶景堪能、吉田うどんたらふくとなった
  今回の言葉探しの山旅。出かけたのは12月21日(木)〜


冬だというのに、色とりどり

2022-01-25 16:32:28 | Lively~話題&人気の山
唐突に頭に浮かぶ戦隊シリーズもの
【由比~浜石岳~薩埵峠~由比/静岡県】
      

電車を降りて歩き出す。
ただし足元、路面はアスファルト。
似合うのは軽トラといったお仕事などの車で、
どうも登山というか、人が歩くイメージではない。

今日は、富士山の絶景を拝みに、
師走の山登りである。

場所は静岡・浜石岳。ルートは最寄駅の由比から
浜石岳、ピークからは南下して薩埵峠(さったとうげ)、
そして再び由比駅へ戻る予定だ。



それにしても急登、ここは富士山のお姿もあるので
敬意を表して、富士山がルーツの胸突八丁との表現が
ふさわしいのか。

とにかく前を見ると、まだまだ、ずっとずっとと
いった感じで急な坂道が続いている。

       

それでも、先には富士山、振り返れば海と、
眺めは文句なし。時々周囲を見渡して
毎度朝の歩き出しは元気なしの心と身体に、
「急な分だけ高度を稼いでいるぞ。
近いぞ山のてっぺんは。立ち止まるな、休むな、
ほれムーブ、ゴーゴー、進め」と、
エールを送り、足を前に出す。

浜石岳もかなり近くなった分岐で、
山道風のコースを選び、
アスファルトの車道から離れる。



ようやく登山らしくなって来た、
動きもいつもの感じが出始めたぞ
さあと意気込んだ矢先、
そこはもう浜石岳の頂だった。

        

天気は快晴。風少々。
お陰で浜石岳では、
絶景に見惚れ、あれこれ思いを巡らし、
飯も食らうと過ごしていたら、結構なお時間。
随分と長居をしてしまったようだ。

おっとこうしていられない、
次なるビューポイントで、浮世絵でも
お馴染みの薩埵峠へと急ごう。

下山は少し足早、脱兎の一目散モードで
下山開始である。

忙しく足を動かしていると、いきなり
テレビで大活躍、子どもたちが熱狂する
地球を守るヒーローにヒロイン、
戦隊もののことが頭をよぎった。

理由は、今回の行動中に出会った5つの色にある。

この色数、確か戦隊ものの編成も同じく、
5つの色分けがされていたはず。
では今日の出会った色を、戦隊もの風に表現するなら。
道すがら考えてみた。

まずは2色。ひとつはスタートの由比の駅前商店街でも
オブジェが踊っていたが12月も漁期であり地元名物の桜エビ。
残りひとつは急登だった道の周囲には、こちらも名物で
コタツが似合う柑橘類・ミカン。
これは「海幸ピンク」&「山幸オレンジ」と命名しよう。

また富士山は白く、名付けるなら「雪化粧ホワイト」。

そして見上げ、見下ろせば青空に青海原。
ここはやっぱり「天海ブルー」か。

さらに下山路は季節感じさせる「冬枯れブラウン」。

以上で5つの色のネーミング完成。そうこうしているうちに
無事に薩埵峠に着。残念ながら富士山はお隠れだったが、
それでも、なるほど一見の価値ありの景色である。

残すは由比駅までのぶらぶら歩き。
急いだせいか、喉が渇いた。
ポリタンクの水を出そうとしたら、
眼前に「山幸オレンジ」の袋詰め、
ミカンの無人販売所を発見した。

それでは1袋と、料金箱へお金を入れて
行儀は悪いが、歩きながらいただきますである。

口にしてみると‥。
せっかくなので、感想は戦隊もの調で。

(戦隊ヒーロー、ヒロイン・山幸オレンジ)
「食らえ、お値段1袋8個入り100円。
味はどこぞの元首相ならずとも、う〜んジューシーと
唸ること間違いなしの甘く水分もたっぷりの
無人販売所ミカンのデリシャスボンバーを」
(敵役・私め)
「やられた、これは美味。一気に4つも食べてしまった。
日本に名産地は数あれど、令和時代のミカンは
由比に限るようだぁぁ。
無念、もう1袋買えばよかったぁぁぁ」。

〜ボカ〜ン(敵役・私め、木っ端微塵に吹き飛ぶ)〜

完、おしまい。



〜2021年12月23日、今度お邪魔をする時は
  海幸ピンク、いや桜エビも必ずいただきますぞと、
   心に決めて帰途につく〜

み~と・ざ・ね~ちゃぁ・まうんてん(2)

2018-11-20 13:59:21 | Lively~話題&人気の山
ビーフだけにあらず松阪〜その2〜
ちょこっと「修行体験」。
その後も、ちょこっと…。

伊勢山上 飯福田寺(いせさんじょう いぶたじ/三重県)
   


朝9時をちょこっと過ぎたあたり、
松阪の駅前よりタクシーに乗る。

東京では、地下鉄代も惜しむ身ではあるが
今回は大奮発、ではなく、
実のところはバスの便がないので
仕方なくではあるが、ともかくタクシーに乗る。

向かうは「飯福田寺」。

こちらは修験道の開祖である
「役小角(えんのおづぬ、またはおづの)」が
約1300年前に開いたとされる霊場で、
以来修験道の“道場”として今日にいたる場所である。

明治以降は、一般にも解放されており、
今日は、煩悩まみれの身の戒めと鍛錬に
訪れた次第である。しかし松阪の駅から遠い。
そろそろ予算もオーバーなので、タクシーは
バスなら最寄りの下車地点となる「うきさとむら前」まで。
ここからトボトボ歩く。

20分も歩くとお寺の前に。早速手続き。
多分住職とおぼしき方より注意事項を拝聴し、
500円の入山料を払い、名簿に名前と入山時間を記入。
さあいよいよ登山、いや修行開始である。
コースは右回りに1周、所要時間は2時間だそうだ。

それではスタート。のっけから鎖場、
途中で一旦は山道歩きとなるが、その後は最後まで
岩に取りつき、そしてまた降る、この連続。

         


ホールド、スタンス、鎖はしっかりしているので、
注意して行動すれば問題はない。ではあるが、さすがは
修験の地。スリリングな岩場が、今度はどうだ、
これならいかがといわんばかりに現れる。


        

ただ足元ばかり見ているのはもったいない。
周囲を見渡すと、これまた絶景。
お陰で、ひとつ岩をクリアすれば大休止。
居合わせた方との談笑タイムも長くなる。

おっと待て待て、修行中は無言が原則だったような
気もしたが、ここはちょこっと修行の身。
大目に見ていただきましょう。

    

時計に目をやると、スタートから1時間半。
あまり遅いと、心配をかけるかなと
後半はちょこっと急ぎ足。フィニッシュとなる
石段を降り、再びスタート地点に着いたのは
出発してちょうど2時間後だった。

   

これで無事終了、ではなかった。
右回りの次は左回り。修行のコースには続きがある。
ではこちらもトライと、再び歩き出す。

左回りは鎖場と岩に登って下ってが、それぞれ1ヵ所。
こちらはあっという間、したがって無言でクリア。

今度こそ、無事終了である。
身も心も、ちょこっと清められたような。
それでは町へ、松阪駅まで戻りますか。

帰途の足はバスである。朝来た道を、またトボトボ。
だが修行で心身を清めると、ラッキーも訪れる。
先程、話を交わした方の車に出会い、
さらには「乗っていきますか」と、
ありがたきひと言。いや大丈夫ですと
声を発しながらも
車のドアに手をかけていた。

あらためまして、車に同乗させていただきまして
ありがとうございました、林様。

バス便であれば松阪の駅に到着するのは夕方。
すぐに電車に飛び乗り、東京へと
戻らなければだったが
ちょっこと時間に余裕ができた。

せっかく松阪にお邪魔したのだから、有名な
松阪牛の“片りん”でもと、駅前を散策してみる。

高級料亭の前で、今度ねと実現未定の約束をし、
飲食店のメニューに、う~ん、これもまたねと
ため息をついていると、精肉屋さんの看板だ。

どれどれ100グラムはいくらかなと、冷やかしに
入店してみると、おっと大発見。

私のような懐の寂しい人向け用の商品が
売られていた。その名も「ちょこっと松阪牛」。
これならと、松阪牛と旬の味・栗の入った
金324円のビーフメンチカツを1個購入である。

駅へと戻る道すがら、アツアツの1品に
かぶりついてみる。

ウマイ、さすがはブランド牛だ。
瞬時にペロリである。

完食してふと思った。
確か修行というのか仏様の世界では
肉食や刺激の強い野菜の類を口にするのは
よろしくなかったような。

まあ、ここは修行も牛も
ちょこっとつながりということで、
お許しをいただきましょうか。
それでは、ごちそうさまでした。

ちょこっととはいえ
修行を終えたばかりだというのに。

いかん、早くも煩悩に
毒されつつあるようだ。

     

〜2018(平成30)年10月17日、
   ちょっこと修行と称して、岩とたわむれる〜

久しぶりのチュウ

2018-07-19 11:35:05 | Lively~話題&人気の山
蓑毛~ヤビツ峠~大山(神奈川県)

 

この夏、彼はやって来た。

昔は、季節を問わず
よく訪問してくれたのに
最近、特に暑い時期は
めっきりご無沙汰状態。

そんな彼、今年は
どういう風の吹き回し?

まあ、そんなことはいいか。
だって今日は、
天候も会うには
絶好のコンディションなんですから。

彼のことだから、
バスは途中下車して
多分この道を歩いて来るはず。

待ち伏せして、驚かせてみようかな。
よし決めた、そうしよう。

バスもそろそろ着いた頃。
ぼちぼちかな。

あっ来た、来た。
相変わらず足もとは地下足袋だわ。

なりはシワ、シミ、白髪と
随分とオッサン化はしたものの
服装、装備は昔のまんまで変化なし。

では再会を祝して。

ちょっと何それ、随分と冷たい態度。
私を前にしても、
一瞥をよこしただけで、よけるように
足は止まることなし。

今はロシアで蹴球の
世界大会が開催中だから、
ドリブラー気分なのかしら。

でも甘い、甘い。
そんな未熟な足さばきでは
“突破”はできないわよ…。




この夏、何年かぶりに
丹沢の大山へ出かける機会があった。

コースは蓑毛からヤビツ峠、
そして大山へ。

         

実は夏の丹沢は避けていた。
理由は厄介な“吸血鬼”である
ヤマビルが多いからだ。

それなのに本日の天候は曇。
雨は降ってはいないが湿度は高めと、
ヤマビルにとっては吸いつき日和。

まさに飛んで火に入る
夏の虫ならぬオヤジ状態となる
1日に登山である。ついてないが、
しょうがない。では出発だ。

昨夜来の大雨もあり
木々からの落下はなさそうだが、
ここは足もとを要注意と、かなり慎重に
歩いた。いや歩いたつもりだった。

お陰でヤマビルは多数見かけたが
実害はなしで大山のピーク、
阿夫利神社下社に男坂を経て
小田急線・伊勢原駅方面へと無事に下山。

せっかくなので
鶴巻温泉でひと風呂、
さっぱりして帰宅することにする。

脱衣場で、隣の人に声をかけられた。
「かなり、やられましたね」。

「えっ、はっ?」。最初は意味が
わからなかったが、
ズボンを脱いで驚き、そして納得。

ちょうどおしりの下から、
太ももの裏にかけての一面は真っ赤、
というか血でどす黒く変色していた。

裸になって鏡で確認してみると
太ももの裏に、まだ血も止まらずの
穴ひとつ。よもや、まさかの場所に
“チュウ”されていた。

さすがは丹沢のヤマビル。
敵もさるもの引っ掻く、
いや吸いつく者である。

いやはやお見事、実にアッパレ。
何だか妙に感心してしまった。

   

〜2018(平成30)年7月7日(土)、
本日空では乙姫&彦星がお久しぶりねとデート中。
そして地上ではオッサンが、いただきますとヤマビルの餌食になり“チュウ”〜

亜麻色か、緑の黒髪か

2018-06-07 13:13:14 | Lively~話題&人気の山
車坂峠~高湯温泉~水ノ塔山~東・西篭ノ登山~
池の平湿原~三方ヶ峰~見晴岳~湯ノ丸~鹿沢(長野県、群馬県)

  

バスは山道をグングンと進む。

これは楽で得したような、
せっかく来たのにもったいないような。

だったら歩けよ、以上終わりというような
思いを巡らすおっさんを乗せて
バスは右へ、左へとカーブを重ね高度を稼いでゆく。

本日は、長野・高峰高原から湯ノ丸高原、
そして群馬の鹿沢へと歩く予定だ。

なぜ訪れたのか。そこに山があるからとの
セリフで決めてみたいところだが、
実際は鹿沢で学生時代のクラブの行事があり、
では行事の前に、
高原歩きでもが理由である。

天気は超・快晴。風は少々強く
冷たいものの、これが何とも心地よい。

 
           

高さは2000m級だが、さほど苦労もなく
水ノ塔山に、東と西の篭ノ登山の頂を踏み、
池の平湿原の木道までやって来た。

      

 

間もなくやって来る花の季節には
少々早いので、華やかな色には欠けるが
それでも真っ青の空と、木々の緑&
まだ何となく冬枯れの名残りか
茶色の木道の周囲と、これはこれで見事で
美しいコントラストである。

時間はまだたっぷりとある。
先を急ぐこともないので、
ここいらで大休止。優雅にランチ、
そしてお昼寝タイムだ。

ボンヤリしてみる、
身体中脱力、弛緩してみる。

頭上には白い雲が流れてゆく。
人もいない。素敵な空間を独り占め状態だ。
音もしない、いや厳密には
時折風の吹く音が聞こえるだけだ。

人が見たら、多分口を半開きにしたような
締まりのない顔となっているはずだが、
誰もいないのだから
まあいいでしょうである。

とはいっても、まだ行動も半ばで先がある。
まどろみタイムもひとまずで、
そろそろ歩きますか。

しかし意志薄弱、なかなか動く踏ん切りがつかず、
「よし、あと10数えたら」と、数を勘定しても
9の次は9.1。気持ちと身体は正反対だ。

いやいや、ぼちぼち歩かねば。
でも、この高原というか湿原を渡る風は、
快適そのもの。よって、もうちょっとと
体勢に変化なし。

風になびくは、古い歌なら
亜麻色の髪か、はたまた緑の黒髪か。
ともに乙女のイメージだ。

だが自身は白黒ごま塩、第一短髪で
いかなる強風でも頭にへばりついている。

仮に、もしも“ロンゲ”であったらと
想像してみる。
う~ん、似合わない、絵にならない。

そんな悪夢のような
不気味な光景を考えていたら、
いっぺんに眼が覚めた。

では、もう二つ山のピークを越えて
目的地へとまいりましょうか。

そそくさとパッキング、
そしてスタスタ歩き出す。

それにしても
梅に鶯、竹に虎、富士には月見草と
昔から2つのモノコトが調和する
例えは数あれど、
高原の風におっさんは、
いまひとつマッチングはよろしくないようだ。

    

〜2018(H30)年5月19日(土)美しい風景の中、
  勝手に想像して、するべきではなかっと後悔しつつ歩く〜