やすろ、パニックになる。

私は霊感がない。
んなもん有ってたまるもんですか
っ～か全然信じてないし！！
…だって怖いもん。



ちょっと電波な同級生曰く、
『霊は漫画みたいに死ぬ直前とかの
　おぞましい姿ではなく、
　普通の姿で其処らにいる。』
いやいや、イイよそんな話…

つ～か、当たり前じゃない。
死ぬ程の病気・怪我・老衰なんでしょ？
死ぬ直前の姿で幽霊に復活したら、
また死んでまうわ

元気な状態で復活しないと、
色々活動出来る訳ないやん。
ツマラン事いうな。

さて、そんな霊感0の私でも
『ここにはいたくない。ヤバイ！』
と感じる事は時々ある。
昔々、嫁とある旅館に宿泊した際、
入室した瞬間から、何かがオカシイ。
一秒たりとも此処にいたくない。
帰りたい。ヤバい。


嫁を怖がらせない様に、
必死に平静を装うが、
お茶を飲みながら嫁がポツリと
『ねぇ…なんかこの部屋怖くない？』

その一言で私も我慢の限界。。
「…だよねぇ？！怖いよねぇ？
　俺、凄ぇ帰りたいんだけど…」
二人でビクビクしながら一晩過ごし
朝飯も喰わずに早々に撤収。

地元の人に聞いたら旅館の近くには
地元では有名な心霊スポットの
池とトンネルがあるらしい
いや…だからイイよそんな話


挙句の果てに元同級生には
『此処にいたくないと感じるお前は
　見えるのに見ようとしてないだけだ』
とか言われる始末。
そりゃ、見ようとしてないよ。
だって怖いもん


さて!!そんなこんなで霊を見る事もなく
見た様な気がするのは、亡くなった
祖父が出産祝いにやってきた位なもんで
「きっと寝ぼけてたんだろ？」
ってな感じに、自分の中で片づけつつ
無事に10年余りが過ぎまして…



昨夜、深夜一人で仕事中。
急にザワザワッと全身が粟立つ悪寒。
身震いなんてもんじゃない。
忘れもしない、旅館と同じ感じだ！！
怖い怖い怖い怖い怖い。。
背後に気配？いやいや、まさか？
仕事なんか明日だ明日明日…
早く帰ろう帰ろう


パソコンを落とし、戸締りをして
フロアの電気を全て消し、
フロアから出て入口の鍵を締める。
……筈だった。。

電気を消したフロアから
外に出ようとドアノブを捻る。
…開かない？
『マジで？！嘘だろう？』
クソが！とうとう来やがった。

ノブをガチャガチャするも開かない
…やばい。怖い。。
なんで私が一人の時に霊来たか…。
他の同僚が一人の時に来てくれりゃ
良いのに…。畜生め


畜生畜生と思いながら、
ふと、ドアノブを見直すと
なんと、内側から鍵がかかっている。
冷静になって記憶を辿ってみると
ウッスラと自分で鍵を掛けた記憶が…
『oh！そうでした』
不気味な悪寒がしたから
締めてたのスッカリ忘れてたよ

やっぱ、霊なんていないわ。
「いないいないいななな～い♪」
そう歌いながら暗い夜道を
ヨボヨボ帰りましたとさ…

…あぁ、めっちゃ疲れた

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