墓参り

祖父の兄は比国で戦死した。
家は弟である祖父が継ぎ、
仏間には比国の土が当時のお菓子の
容器に入れられ置いてある。
突然、兄の友人と名乗る人が来て、
比国の土を渡され、
『銃撃され戦死した』
と聞かされただけだという。
遺体も何もない、
帰ったのは比国の何処かの土だけ。


友人宅のジイさんは体が弱かったので
兵隊には採用されなかったが、
調理担当として軍艦に配属。
出発早々に艦を沈められ、
片腕を失いながらも必死に泳いで
生き延びた。
カレーだったか、肉ジャガだったかは
軍艦で散々作らされたから、
二度と食べたくない。
と話していた。


旦那が戦死した奥方は
何の為か想像もしたくもないが、
国(?)軍(?)県(?)によって、戦勝国に
差し出される事があったらしく、
そうならぬ様に役人に見つかる前に
新たな旦那を探す・隠す等して、
地区単位で必死に守ったらしい。
妻にする為…って事は、きっとないでしょうよね。。


そんな当時の事を話してくれる人間は、
もう周りには誰一人いない。
子供の頃、もう少し爺さん婆さんと
話しとけば良かったかなぁ。。
と、思う。


さて！そんな訳で、彼岸なので墓参りに…
…行けませんね。。
午後から病院です。