如何にも今更戻れない。

私はとあるボランティア団体に所属して
いる。

新人が入って来る度、
『あ、どうもやすろです。』
『あ、どうもどうもです。』
ってな自己紹介が繰り広げられる。

昨年は布梨さん(仮名)が入ってきた。

自己紹介時にあまり会話が発展しないと
年齢や趣味的な話にまでは
なかなか及ばない。
『じゃ解らない事有ったら聞いて』
でお終い。

どうにも相手が歳上過ぎて
あまり興味が湧かなかったってのも
一因だったかもしれない。
そんなこんなでロクに話もしないまま
半年余りが過ぎまして…

『よう、やすろ。』
『あ！布梨さん。こんばんはです。
　今日はなんだか寒いねぇ…』
なんて無難な会話をしてたんだけど、
そしたら、後からやって来た後輩が
『布梨、昨日はどうもな。』
なんて言いだして…

『お前、布梨さんになんて口聞くん。
　めっちゃ先輩やぞ』
って言ったら
『布梨、やすろさんの5個も下ですよ。
　何言ってんスか？』
だって…


…な・ん・だ・と？
5個も下？マジで？
いやいや、どう見ても私より10歳は
歳上でしょうがよ
『え？30歳なの……スか？』
『やすろさん、先輩なん…スか？』

急に、お互いなんだか会話がギコチナイ
感じに…
しかし今更、先輩後輩逆転しようにも
なんだか戻り難い感じ。
う～む…弱ったな

クソ!!今までの敬語返せ
大先輩かと思ったよ。あ～恥ずかし



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全力で大脱出

硝煙と銃撃音の中その犬は走った。
戦争の終わりを告げる一通の手紙を
持って…


…嘘だ。
散歩中ちょっと寄り道した畑が
野焼きの真っ最中。

煙に巻かれそうな所為か、
みかんさんプチパニック
パニックのあまり、
有ろう事かスポッと首輪を抜き取り
全力ダッシュ!!
煙地帯から大逃走


途中でクルッと振り向いたかと思うと
更に加速。
アッ…と言う間に見えなくなった。
…最悪だ。。


車なんかに轢かれたら
お年寄りに戯れついて転ばせでもしたら
近所の大型犬に噛みつかれたり
たたた、大変だ

『お～ぃ!!みかんや～い』
とオヤツ袋をカサカサ言わせながら
散歩コースを大回りにグ～ルグル。
畜生、何処にもいやがらねぇ…
何処行きおった。。


90分近く歩いて歩いて、
クタクタになって家に戻ると
『くわぁ～…
　おぅ！おかえり。遅かったな』
とばかりに庭でくつろぐみかんの姿。



『おぃ。早く朝飯!!』


…くっ、疲れた


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