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毎日が遺言

母の一進一退

 のどかな気候の中、草刈りなどしました。ホントに心地よい空気でした♪
 池の底樋のハンドルで甲羅干しするカメの姿もいくつか見えました。増えすぎて困っているミシシッピアカミミガメですが、甲羅干しの姿はのどかですね。
 妻が学研教室の間は、母を一人にしてしまうので、30~40分おきに畑から家のようすを見に帰っていたんですが、部屋で寝ていると思っていた母が、門の外に座って日向ぼっこしていました。私もお茶を飲みながらしばし休憩。ごく普通の会話をごく普通にしました。物忘れは元に戻らないにしても、このまま穏やかに過ごし続けられるんじゃないかと思えるほど、安定しています。
 物忘れは、例えば晩ご飯のあと、今食べ終わった食器を前に置いたままの母に「今日はどれが一番美味しかった?」と尋ねると、デザートの文旦だと言います。何を食べたか覚えているかと訊くと食器を見ながらも全く思い出せない様子。そこで、一つずつメニューを説明すると「あ、そうやそうや」と言いながら聞いています。で、「どの料理が一番美味しかった?」と尋ねると、「そうやな~、色の薄いミカンみたいなやつで、ちょっと酸っぱみがあって冷たいやつ」 文旦かい!(笑) 妻が「料理のし甲斐、ないな~」と苦笑いしていました。でも食べているときは、一つ一つの料理を箸であれこれ眺めながら美味しそうに食べているんですよ。それでも10分後には、その器に何が入っていたのか思い出せないんです。それが物忘れですね。ただただ笑って見ているだけです。r(^-^;)
 ところが、今夜はそのあとに、妙なことを言いました。テーブルにはミカンが一つ置いてあって、それは夕方に、母が私に「ミカン食べたかったんで、台所から持ってきた」と言ってたものです。それが母の前にあったんですが、それを指さして「これな、夕方、裏のユウヘイがおばあさんと一緒に来てほしそうにしたから、『持って帰れ』と言うても恥ずかしがって持って帰らへんかってん」とおかしそうに言います。ユウヘイとは、我が家の裏に住む叔父叔母の孫で、去年の春まではよく遊びに来ていた子供(幼稚園児)で、ミカンが好きな子です。今はめったに顔を見せません。叔母はよく母の顔を見に来てくれていて、よくユウヘイを連れてきていたんですが、今はもっぱら一人で来てくれています。今日も一人で来てくれて、母の部屋で話し相手をしてくれていました。それらの記憶が、母の頭の中でいろいろと勝手に結びついて、ミカンにまつわるストーリーを作り上げ、しかもそれを事実と思い込んでしまったようなのでした。
 実はこういうことは、夏ごろまではよくありましたが、去年の冬以降は目に見えて減っていました。それがまたぶり返したのか、とガッカリしましたが、母に違うことを説明し、母も妄想的な思い込みをしてしまう自分に気づいてガッカリしていました。でも私が「ちゃんと理解できるうちは、こうして指摘して訂正するよ。まだしっかりできると思うから」「とにかく、ゆっくり寝ることやな。ゆっくり寝たら戻ると思うで」と言うと、「そやな」と自室に行きました。しばらくしてから部屋を覗くと、母はベッドに寝てテレビを観ながら、腕や肩の体操をしていました。血行を良くして頭の中をちゃんと働かせようと思ったみたいです。
 認知症については、一進一退だという感じがしますが、こうして頑張る気を持って自分で修正しようとしている間は、良くなっていくチャンスさえあるのではないかという気がしてきます。
 晩ご飯は、ホッケ、豚しゃぶの豆苗サラダ、餃子の春雨スープ、漬物類(明太子、白菜のレモン漬け、青唐辛子のニンニク醤油漬け)、文旦。
 小ぶりですが、わりと身が厚くて美味しいホッケの開きでした。ヤオヒコ価格で3枚398円。ヤオヒコは我が家の冷蔵庫(笑)。
 今夜の豚しゃぶ肉はロース。赤みが多い分、年寄りにはバラよりも食べやすいようです。豚は湯がき、豆苗は生のまま、ポン酢、ゴマ油、おろしニンニクをベースに、砂糖、すりゴマ、醤油などで味を自分好みにしたタレで和えるだけです。美味しいです♪
 スープ用の餃子を買ってあったんですが、あっさりとしたスープを作り、ホウレン草、モヤシ、春雨を入れたもの。スープが少なかったな。(^▽^;) でも、味は良かったですよ♪
 もらい物の土佐文旦。今日、母が一番美味しかったメニューです(笑)。ホントに、甘みも酸味も控えめで、爽やかな香りが楽しいです♪

コメント一覧

mirapapa
みーちゃんさん、ありがとうございます♪
そうなんですよね~、その話、1年前から医者にも他の人からも何度も言われているんですが、「食べたことを忘れるぐらいだったら、こんなにヤキモキせんのになぁ」と思います。
食べたものを思い出す以外に、何か、食べたことを忘れる状態になるのを防ぐできることはないでしょうか?
医者に聞いても効果的な答えはなく、物忘れの専門医は「いわゆる脳トレなんか全然効果ないよ、有酸素運動が一番」と言います。
かといってジョギングなんかさせられないし(歩くこともおぼつかないのに)、今のところ歩く練習を奨励することぐらいです。
でもそれも去年の秋に4日間入院してから一気に足が弱ってしまっているし…
たまに母が歩く気になってくれることだけがわずかな救いです。
せめて私自身は、と、トイレに入った時に前夜の食事を思い出すようにしてます。
慣れてくると2~3日前まで思い出せるんですが、気を抜くと思い出せませんね~。r(^-^;)
みーちゃん
こんばんは。(^▽^)/

テレビでdoctorが、
「昨日何を食べたかはさして重要ではない。
問題は食べたかどうかがわからないことだ。」
と言うてました。

よしっ!
私はまだ大丈夫だ!
食べたものはすぐに思い出せないけれど、
食べたかどうかはわかります。(*^^)v

でも、病院で「昨日何を食べたの?」と聞かれたら、、、困るなぁ。
どこかに書いておこうかしら。(*´Д`*)
mirapapa
おあずけさん、ありがとうございます♪
食事メニューを思い出す、というのは、訪問リハビリの療法士の先生が、頭のトレーニングにやってみましょうということで、日課のようにやり始めたんですが、効果も大して無さそうだし、私たちでも思い出すのに苦労することがあるような苦行になって、母の自信をなくさせるばかりのようなので、やめました。
今はたまに、一緒に思い出すことをしているくらいです。
母の好むメニューをリサーチできますしね。
物忘れを回復させるのは不可能なようです。
でもまだ心のどこかで、回復できるんじゃないか、とミラクルを期待する気持ちがあることは確かです。
私にとって、ちょっとした葛藤ですが、母にとってはもっと大きなストレスですね。
でもね〜、わかっちゃいるけどやめられない、というところがあるんです😅
貴重なお話、ありがとうございます😊
心に留めます。
おあずけ
『さっき何を食べたか?』というのは毎日上書きされていきますのでさほど重要では無い記憶らしいですね
我々もせいぜい昨日か一昨日までのメニューしか思い出せませんが記憶の容量からしてそんな一昨日何を食べたかなんて憶えてなくても全然大丈夫みたいです
大事な事は『何を食べたか』なのでは無く『食べた事』自体を忘れてしまい、さっき食べたのに『ご飯食べさせて貰ってない』…と、満腹中枢の伝達さえ鈍くなってしまう事だと思います
僕の兄も事故の後遺症で短期記憶する力が落ちまして、当時は毎日『さっき食べたメニュー憶えてる?』と問うておりましたが兄には毎日プレッシャーをかけ続けていたんだなと思います
我々からしても『3日前何を食べた?』と毎食後に聞かれてるようなものですからねぇ…
(-∀-;)

現在は思い出せないのを思い出させるのは止めました
食べて満腹中枢さえしっかり働いてくれてりゃそれでヨシと考えております
今まで頑張って長生きして来られたお母様も、そしてmirapapaさんご夫妻にとってこれからも心穏やかな日常が続きますように…
(人´∀`*)
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