「お宅の息子さんがワイセツな行為をしてしまい、今、相手の弁護士が来て事情を聞いているんですが…」という、あれ。
「もうずいぶん耳にしていなかったけど、また復活の兆しがあるのか」なんて話していたんだけど、ばあさんの友だちがそれを信じてしまってたんだそうな。
幸い、電話はそのおばさんが「ウチの息子はそんなことをする男ではありませんっ」ときつく言ったらすぐに切れてしまったらしいんだけど、電話が切れてから、そのおばさん、息子が大変なことをしでかしたとしょげかえっていたらしい。
結局すぐに嘘の電話だとわかって事なきを得たんだけど、そのときのしょげているようすを、ウチのばあさんがこう表現したのだ。
「あの人なぁ、そりゃもう『ヘルに塩』やで」
皆さん、おわかりだろうか?
通常、こういう場合のたとえとしては「青菜に塩」というのだが、「ヘルに塩」。どうです?意味がわからんでしょう?ほっほっほ
「ヘル」とは「ヒル」のこと。
「ヒル」、知ってます? 水田でピロピロ泳いでは血を吸う虫。カサブタみたいな色をした、細短いきしめんの切れ端のような虫であります。かつて裸足で田植えをしているころは、足を食われて痛がゆい思いをしたものだ。
こいつに食われた傷跡には塩をすり込んでおく。なんでも、ヒルに直接塩をかけると死ぬらしい。
この「ヒル」のことを、このあたりの年配の方々は「ヘル」と呼ぶのである。訛り、ですな。
「ヘルに塩」は、「塩をかけるとしゅ~んとなってしまうようす」で、しょげかえっているようすのたとえとして使ったようだ。
これを聞いていた妻は、何のことかわからなかった様子。
そりゃそうだなぁ、こんな言葉を使う人は、私たちが結婚したころにはもうあまりいなかったし、妻が田植えをするようになってからはヒルもあんまり見なくなったし。
時が経てば言葉は失われてゆくものでありますな。
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