私の庭とも言うべき髙良山。
この日、数ある登り口から選んだのは、後谷コースである。
何の変哲もない、極々ありきたりなこのルート。
しかし、この時期にだけ、ある楽しみがやってくる。
それは、
ギンリョウソウ(銀竜草)である。
銀の竜の鎌首が、あちこちの枯れ葉の間から、ニョキニョキ顔を出している。
別名幽霊茸。
確かに、手をだらりと下げたお化けに見えなくもない。
耳を近づければ、
「ウラメシヤ~」
何て聞こえてきそうだ。
誰が置いたか、ギンリョウソウの群落を踏まないよう、枯れ木で囲いをしてくれている。
ギンリョウソウと言えば、ブルーアイ。
なるべく角度の緩い個体を選び、その青き瞳をカメラに収めたいのだが、
場合によっては、腹ばいになるしかない。
他人に見られたら、かなり滑稽な姿である。
人が登って来ない、早い時間帯でよかったぜ。
ひとつだけ、空でも眺めているかのように、上を向いた個体があった。
青い雌蕊と黄色の雄蕊がはっきり見える。
正しく青き瞳である。
何とも気になるのがこれ。
ある一角にだけ、綺麗なピンク色のギンリョウソウの群落がある。
ベニバナギンリョウソウである。
40cm程の狭いエリア以外、どこにも見当たらない。
ここだけ、土壌の菌が違うのか、土質そのものが違うのか。
緑色の褪色に、羽には赤色の斑。
何というトンボだろう。
久留米森林つつじ公園までやって来た。
正面が髙良山の頂上である。
山頂到着。
爽やかな風が吹き抜ける髙良山。
もう暫くは、ブルーアイを楽しめそうだ。