山から下りて来た。
ポケットからスマホを出して、山アプリを開いてみた。
えーっと、
行動時間6時間半、歩数はジャスト4万歩か。
何だか、どっと疲れが押し寄せてきた。
とっととキャンプ場に移動して、温泉に肩まで浸りたいものだ。
ドピューーン
キャンプ場に着いたら、露天風呂へまっしぐらだ。
チャプン
はーー、極楽極楽。
これで、山の疲れも吹き飛ぶじゃろう。
と、
思いきや・・・
露天風呂から上がったら、早速、宴会準備である。
長崎の義兄（以後長兄）の新兵器焼き鳥器に点火。
カンパーイ！！
涌蓋山、かへり見すれば、月傾きぬ。
これも長兄持参、コールマンのツーマントルランタンだ。
30年物である。
「懐かしか。」
「この前オーバーホールして、やっと灯がつくようになったとよ。」
昔は定番の道具だったけどね。
いつの間にか我が家では、簡単に使えるLEDランタンに変わってしまった。
焚き火に火がついて、宴もたけなわ！
となる筈が、
山の疲れが取れていないのだろう。
何だか、酒も食事も進まない。
折角長兄が作ってくれたモモ焼きだが、
「ギブアップ。もう食べられん。寝る。」
二日目
前日の疲れも、一晩寝たら取れたようだ。
「ヒロちゃん、コーヒー煎れたよ。」（博多の義兄以後博兄）
「サンキュー」（私）
さてと、コーヒーで一服したら、朝飯でも作るか。
スクランブルエッグ。
我ながら上手にでけた。
日差しはあるが、カラリとした快晴。
時折渡ってくる風が、実に心地良い。
「あらー、お前！」（博兄）
義兄の声に振り返ると、ベニカミキリが開けたばかりのビール缶をよじ登っていた。
「ビール好きみたいやね。」（博兄）
「確かに。」（私）
長兄がいない。
と思ったら、大量に松ぼっくりを拾ってきた。
場内清掃とは、誠に殊勝の至りである。
これは後で火種にさせて貰おう。
夕食は博多の義兄お得意のダッジオーブン料理と、
「ドライカレーば作る。」（長崎義兄）
「どれどれ。玉葱切るの手伝うたい。」（私）
後はジュージュー炒めて、適当にカレー粉を振りかけて、
「出来た、、、事にする。」（長兄）
「事にしよう。いい加減腹減った。」（私）
よっしゃ！
そんじゃ、
カンパーイ！！
どーれ、パクリ
旨いやん！
安定の鶏スモークは勿論、このドライカレーも大変美味しゅうございました。
涌蓋山に陽が落ちると、途端に冷え込んでくる。
拾ってきた松ぼっくりを火種に焚き火開始だ。
ついでに酒も焼酎に切り替えよう。
画像がブレているが、突っ込む所はそこではない。
私が冬用のジャンパーまで着込み、寒そうにしている割りには、
『足元が根本から間違っている！』
それは、誠に合理的で正しい。
だがしかし、
酔っ払いに、如何なる合理性を求めても、無駄なのも事実である。
3日目
山登りからキャンプと続いた3泊4日も、この日で終わり。
それぞれの家族が待つ場所へ。
「んじゃ。」
「んじゃまた。気をつけて。」
