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Tシャツとサンダルの候

ヤマセミのいる風景

ヤマセミを撮りたい。

下手くそなりにカメラに収めたい。

ところが敵さんは警戒心がやたらと強い。

レンズを向ける間もなく、先に気づかれ、逃げて行く姿を眺めるのが常である。

そんな折り、ある有力な情報を得た。

そこなら、気づかれずに撮れるかも知れない。


「暇だし、ヤマセミ探しに行くか。」

「お、おう。」


車を飛ばし情報の場所に到着。

教えて貰ったポイントから、40〜50m程離れた所に、丁度いい物陰がある。

この物陰がミソなのだ。

ヤマセミが来るのを信じて、ここに隠れて待とう。



ヒマ~~~~


ヒマ~~~~ 


ヒマ~~~~



あまりの暇さ加減に、気を失いかけた頃、

・・・おや?



カワセミ来たー。

どうせする事ないし、カワセミでも撮っとくか。

連写モードに切り替えてと・・・



あちゃ、飛んだよ。




前の草ボケ、邪魔だぜ。




着地成功!

と、続けざまに、



ダーイブ!


いいぞ、いいぞ。

こうなったらカワセミでいいや。

もっと近づいてと・・・


「動くなオッチャン。ほら、あそこに白いのが。」



ハウアー!!

来たよ、来た来た。

カワセミのすぐ上の枝に、待ちに待ったヤマセミ登場。



気づかれないよう、祈りを込めてレンズをヤマセミへ。

パシャパシャパシャ



断っておく。

連写である。

どれもこれも同じアングル、同じ視線、なんなら同じ表情だ。





枝に止まりずっと水面を見つめていたヤマセミ。

ここでの漁を諦めたのか、数分後には上流に向かって飛んで行った。

上流なら、次のポイントは多分あそこだ。


それ追いかけろ!

重たいカメラを抱え、ひたすらダッシュである。


「オッチャン、サイハイランよ。撮って。」

「サ、サ、サイハイランだと? えーい、この忙しい時に。ほらよ。」


パシャ




ドピューン


「いたぞ。伏せろ。」


そーっと近寄り・・・パシャ






ワーイ ヘ(^o^)ノ


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