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Tシャツとサンダルの候

北九州の物忘れ

遙々北九州までやって来た。

何故って、



暇だからである。



白野江植物公園

元々材木商の所有地だった山を、まるっと植物公園にしている。



梅の香りが一面に漂う。




その香りに誘われてメジロの群れが、チョコマカと花と花を飛び回る。






ジョビコみっけ。




ジョビオもいた。




シジュウカラ




ヤマガラ




エナガ




そしてリュウキュウサンショウクイ。

植物園はまことに賑やかである。






山頂へと進む。




到着。

ひと汗かいた。


「お茶持ってきとるやろ。」

「紅茶淹れてきた。お菓子もホレ。」

「ポッキーね。くれ。」


お茶のついでに、カメラの画像確認だ。

眼鏡をしたままだと手元が見づらい。

眼鏡を外し、それをベンチの上に置いて、ディスプレイを覗く。


「シジュウカラのピントがあっとらん。エナガもヤマガラも遠かなあ。グビ」



お茶を飲んで人心地着いたら、下山だ。

急な斜面には、水仙がびっしり。



今は咲き始めと言ったところ。

満開の時期ともなれば、さぞや見応えがある事だろう。



おっと、アトリの群れだ。

ざっと100羽はいるだろう。



地面まで降りて、忙しく餌探しをしている。





一番下の管理事務所まで戻ってきた。

この辺りに、今回のお目当てがある筈だが・・・



あった。

バイカオウレンだ。



朝ドラ『らんまん』のモデル、牧野富太郎博士がこよなく愛した花。









ヤブランの実




ミスミソウ



青、白、ピンクと花を咲かせていた。



バイカオウレンについての説明が書かれている。


「何々・・・あれ?よく見えんぞ・・・あ!眼鏡しとらん。」

「アホやん。」


ここで皆さんは、山頂での私の行動を思い起こして貰わねばならない。

カメラのディスプレイを見るため眼鏡を外した私は、それをベンチに・・・


「置いたままや!」

「行ってらっしゃい。」


全くトホホである。

あの数百段の階段と急坂を、一番下から登り返す羽目になろうとは。

ひとつ気になるのは、数人が山頂に向かって行った事だ。

親切心から、ベンチの眼鏡を管理事務所まで持って行かれたら、余計に厄介だ。


事は急を要する。


えーい、こうなったら仕方がない。

ダッシュで登ったる。


ドピューーン


カメラ2台をぶら下げたオッサンが、鬼の形相で階段を駆け上がる姿は、滑稽を通り越している。

山頂のベンチでそれを見つけた時は、思わずヘナヘナと座り込んでしまった。


ゼヒー、ゼヒー、ゼヒー


ふと、気配がした。



あら、シロハラやん。

ゼヒー、ゼヒー

お前、何してる。



「ん?」って顔して首捻るなよ。

オジサン、ヘロヘロなの。

ハー、ハー

物忘れのせいで、こうなったの。


そんな私が気の毒に思えたか、すぐ傍でカメラを構えても、逃げもせずにポーズをとるシロハラである。



物忘れも、たまにはいい事があるようだ。

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