相変わらず、股関節が痛い。
但し、山登りは無理でも、ちょっとの距離を歩くのなら全く問題ない。
病院からも痛みを伴わない程度なら、歩いて構わないとお墨付きを貰っている。
「あー、暇だ。梅、観に行くぞ。」
ってことで、ここに来た。
宮の陣将軍梅。
頃は南北朝。
征西大将軍たる護良親王がこの地に陣し、少弐頼尚を大将とする足利幕府軍と、大保原を挟んで対峙した。
今は宮の陣神社となっている境内には、紅梅が咲き誇っている。
これが護良親王お手植えと伝わる、所謂将軍梅である。
樹齢で言えば、700年近い老木だ。
将軍梅は、他の梅に比べて遅咲きらしく、蕾はほころびかけといったところ。
有馬家菩提寺梅林寺に移動する。
梅林寺外苑。
7分咲きから8分咲きといった感じかな。
平日という事もあってか、人はまばらだ。
少し晴れてきた。
苔むす梅の老木。
桜は散り際が良いが、梅はほころびかけが良い。
夏目漱石の親友でもあり、恩人とも言うべき菅虎雄の記念碑。
松山中学や熊本五校への斡旋をしたのも、この菅だったらしい。
漱石は五校赴任時代、病気療養で久留米に戻っていた菅に会いに、度々訪れている。
菅虎雄の筆。
ドイツ語教授として、長く教育に携わりながらも、優れた能書家でもあったようで、漱石や芥川龍之介の小説の題字を揮毫している。
と、石碑に書いてあった。
観梅の期間中であるからなのか、珍しく平日に売店が開いていた。
それならばと、抹茶とぜんざいを所望。
犬連れであるため、お盆を借りて、筑後川を見下ろすベンチで頂く。
こら、もこ。
行儀悪いぞ!
梅に小さな鳥が、止まっては飛び去り、止まっては飛び去りを繰り返している。
ヘボの私には、シャッターを押すタイミングが、超が3個着くほど難しく、中々カメラに収めきれない。
「えーい、止めた。ちゅうことは、あれは梅に鶯やな。」(私)
「ちゃう、あれは目白。テレビで、中国の故事に倣って、本当は目白なのに無理やり鶯って事にしたらしかよ。」(家内)
「ふーん。」
「あ、ほらあそこ!シャッター押さんね。」
え、え?
パシャリ
唯一撮れたピンボケ写真がこれである。
本当だ。目の回りって白やん。
どうやらあれは鶯ではなく、目白に間違いないらしい。
梅見が終わり、直ぐ近くのJR久留米駅前のラーメン店で昼飯だ。
無論、注文したのは、
久留米豚骨ラーメンだ。
何の衒いも無い、トラディショナルな姿は自信の表れである。
やっぱ、うめえな。
「せっかくやけん、七木地蔵に行ってみようか。近くやし。」(家内)
久留米に生を受けて60有余年。
私はこの南北朝の頃から伝わる地蔵尊へ足を運んだことが無い。
土台が神や仏に無頓着なのだ。
そんな私が手を合わせたとて、御利益があるとは到底思えないが、折角ここまで来たんだ。
願い事を聴いて貰おうかな。
このレリーフが御本尊である。
何々、『おんかかかびさんまえいそわか』って唱えるとな。
そんじゃ、
「おんかかかびさんまえいそわか。ムニャムニャ・・・」