男池にいる。
前回来た際は、春とは名のみの寒さに震え、カメラを持つ気力すら失せた。
今回こそはゆっくりと散策したい。
ゴロゴロと転がる岩や倒木には、苔がビッシリ。
そこにシロバナネコノメソウを始め、様々な植物が根づいている。
ハルトラノオ
ネコノメソウ
セントウソウ
「あ、いた。オオアカゲラ!」(家内)
「え、どこどこ?」(私)
ほんとだ。
オーイ、枝が被っとるぞ。
上がるか下がるか、少し場所を変えて、顔を見せてくれー。
反対向いてどうする!
こっち向けよ。
違うったら。こっちだったら。
懸命の説得も空しく、オオアカゲラはプイとどこかへ。
前回に続き、またしても撮影失敗である。
遠くてよく見えん。
ヒガラ?
梢を見上げて鳥を探したり、視線を地面に向けて花を探したり、
何とも忙しい。
そんな時、横の林から『ジャージャー』と言う鳴き声が聞こえてきた。
すると、目の前を一羽の鳥が飛び去った。
「何だ何だ?!」
「きっとカケスよ。」
「あー、お願いだから行かないで。」
頼んでみるもんである。
何とカケス君。
近くの枝に止まってくれたのだ。
ヒャー!
ありがとう。
どうも初めてまして。
更にカケス君は苔の上に降りて、付近を散歩までしてくれた。
大サービスである。
『もういい?』
ハイ、十分です。
山芍薬
ヒトリシズカ
サバノオ
コチャメルソウ
オオアカゲラ撮影はまたもや失敗したが、カケスを見られたから良しとしよう。
にしてもである。
『山のカケスも啼いていた~♫』
春日八郎の歌にも出てくるカケスだが、
「あの声で啼かれてもねえ。」
「もの悲しさは感じらんね。」
大サービスしてくれたのに、何とも酷い言われようである。