九 占有権
1 自主占有と他主占有
(1) 自主占有(180条、197条前段)→所有の意思をもってする占有
(2) 他主占有(180条、197条後段)→所有の意思をもってする占有でないもの。他主占有でも、自己の責任で物を所持している限り、「自己の為にする意思」(占有権の前提)に欠けるところはない
(3) 区別の意義
取得時効(162条)、無主物先占(239条)、即時取得(192条)、占有者の責任(191条)、有益費償還請求権の期限の付与(196条2項)
2 自己占有(直接占有)と代理占有(間接占有)
3 善意占有、悪意占有 本件の不存在についての知・不知
(1) 区別の意義
取得時効の期間(162条)、果実収取権(189条、190条)、占有者の責任(191条)、有益費償還請求権の期限の付与(196条2項)
(2) 占有の善意悪意は代理人→本人の順で決する
本人が悪意のときは代理人が善意でも善意占有とはならない(判例)。
4 占有権の効力
(1) 占有そのものを保護する効力→占有訴権(197条)
(2) 本権取得的効力
本権に昇格させる効果→無主物先占(239条)、家畜外の動物の取得(195条)、取得時効(162条)など
(3) 善意占有者に本権と同様の効果
善意占有者の果実収取権(189条)、毀滅に対する責任軽減(191条)、費用償還請求権(196条)など
(4) 本権公示的効力
占有の公示力(178条)、即時取得(192条)、本権の推定(188条)
5 指図による占有移転(184条)
成立要件:本人の指示
第三者の承諾(第三者=新しく占有を取得することになる者)
占有代理人の意思は無関係
6 占有の承継(187条)
悪意・有過失は占有開始者で判断する(判例)→有利な点は当然だが、瑕疵も承継する。
7 善意占有者の果実収取権(189条)
善意者保護→不当利得返還請求はできない。
過失はとわないが、過失がある場合は不法行為責任を負う。
189条2項→善意の占有者は本権の訴えで敗訴したときは「起訴の時」から悪意占有者とみなされる。190条2項も例外。
8 悪意占有者の果実返還義務(190条)
(1) 悪意占有者・過失で毀損および収取懈怠の占有者→果実償還・代価償還義務
(2) 強暴又は隠秘による占有者→同様
9 善意占有者の滅失・毀損責任の軽減(191条)
悪意占有者、所有の意思のない占有者は全部賠償義務
善意かつ所有の意思のある占有者は利益を受けた限度で賠償する義務
10 費用償還請求権(196条)
(1)必要費→果実を取得した場合は「通常の」必要費は請求できない。
(2)有益費→価格の増加が現存する場合に限り、費やした金額又は増加額のみ。また、悪意占有者に対しては「請求」により期限の許与がある→この場合は留置権不可。
(3)575条に注意
11 占有訴権(197条)
(1) 占有を侵害した他人が始めた占有が正当な権利に基づくものであるか否かを問わない
(2) 物権的請求権との違い
・事実的支配の保護←→物権そのものの保護
・短期の制限(201条・1年)←→制限なし
・占有者が意思に基づかず奪われた事が必要←→不要
・善意の特定承継人に訴え提起できない(200条2項)←→制限なし
(3) 占有補助者・単なる占有機関には提訴権がない(他方、他主占有者は可能)。店員・賃借人の同居人は占有訴権を有しない。
(4) 占有回収の訴え(200条)
・占有を奪われたるとき=強窃盗のみ。詐取や遺失は入らない。193条(盗難(窃盗・強盗)または遺失)とは異なる。
・侵奪者の善意の特定承継人に対しては不可(200条2項)
→侵奪者の包括承継人には善意悪意を問わず行使可能
例:
・いったん善意の特定承継人の占有に帰した後はその後の承継人が悪意であってもその者に対して占有回収の訴えは提起できない(判例)。
・侵奪者・悪意の特定承継人が第三者に目的物を貸与している場合は、前者は間接占有を有しているので、前者に対し占有回収の訴えを提起できる。
・賃貸借契約終了後の引き続き占有の場合は、占有を奪われたるに入らないので、占有回収の訴えは提起できない。
・交互侵奪の場合でも占有回収の訴えは提起できる。
(5) 占有保全の訴え(199条)
請求できるのは、妨害の予防または損害賠償の担保
一〇 即時取得(192条以下)
1 要件
(1)前主無権利
(2)前主の占有
(3)取引による占有承継 占有改定は除く
(4)善意無過失(相手方が無権利者であることについて)
(5)取引に欠陥のないこと=取引は有効な契約でなければならない
(したがって、無能力・意思欠缺・瑕疵ある意思表示・無権代理行為の場合には適用ない。ただし、無能力者の相手方からの譲受人からは即時取得の対象になる)
2 問題となる事例
(1) 相手方が真の権利者であるか逐一確かめないでも過失はない。
(2) 半信半疑は善意ではない。
(3) 家屋を買い受けた者は、その引渡を受けた場合に畳の所有権を即時取得する。
(4) 無記名債券は動産として扱われる→即時取得の対象になる
債権証書は即時取得の対象にならない
3 盗品、遺失物の例外(193条、194条)
盗難・遺失の時から2年間は返還請求できる。
横領・詐取は含まれない。
同種の商品を扱う商人・公の市場・競売で入手した場合でかつ善意である場合は代価を弁償しなくてはならない。
4 推定
善意・平穏・公然は推定される(186条1項)
また、前主の占有が適法であることが推定されるので(188条)、これを信頼した場合に即時取得との関係で無過失も推定される。取得時効との関係では無過失は推定されないこととの違いに注意すること。占有開始が無過失であることが推定されるわけではない。
5 占有改定と即時取得
否定(判例)
対抗要件としての引渡は占有改定を含むこととの違いに注意。
一一 所有権
1 囲繞地通行権(210条~)
準袋地(210条2項)でも認められる。
損害が最も少ないものを選択する(211条1項)。
必要があれば、通行地に通路を開設することができる(211条2項)。
通行地の損害に対しては償金を払う(212条)←→袋地の分割の場合は不要(213条1項後段)。
物権の対抗関係とは無関係なので所有権登記がなくても主張できる。
2 建築基準法と民法234条1項の関係
建築基準法が特則(判例)
3 無主物先占(239条1項)
「動産」の「所有の意思」ある占有
4 添付
(1) 強い附合の場合
地上に造成した石垣・二階部分の増築・苗木の土地への植林など
→権限があっても附合により土地所有者の所有に属する。242条ただし書(所有権の留保)の適用なし
(2) 主たる物の所有者→主従の区別が付かない場合は価格の割合で共有(243、244条)
(3) 償金請求権(248条)
衡平から。請求権は不当利得返還請求。
一二 共有
1 各共有者は共有物の「全部」について持分に応じた使用をすることができる(249条)。
共同相続もこの共有。
2 変更行為(処分を含む)(251条)
共有者の使用権能を制限する結果を招くものは「全員」の同意が必要。
例:売却
3 管理行為(252条前段)
共有物の変更を伴わない利用・改良などは「持分の「過半数」の同意が必要。
例:賃貸借契約の締結・解除(544条1項は排除される=全員でやらなくてもよい)。
4 保存行為(252条後段)
各共有者が単独でできる。
例:共有物の瑕疵の修繕
共有物全体の不法な登記の抹消請求も単独でできる。
共有物返還請求・共有物の妨害排除請求も同様。
なお、自己持分に関することはもちん単独で可能。
5 その他の問題
(1) 担保物権が設定されている持分を放棄した場合→当該持分を他の共有者が取得
(2) 他の共有者に対して明渡請求はできない。ただし、持分権の侵害による損害賠償はできる。
(3) AB共有地にA所有建物があるときにAが無断で土地の共有持分に抵当権を設定した場合、法定地上権は成立しない。
6 管理費の負担(253条)
同条の「管理」には変更も含む。
一年内に履行しない場合には相当の償金を支払って持分を取得できる(2項)。
7 共有物に関する債権
持分の特定承継人に対しても行使可能(254条)
8 持分の放棄(255条前段)
第三者に対抗するには登記が必要(相続放棄と異なる)
9 255条(共有の弾力性)と958条の3の関係
958条の3が優先
10 共有物の分割(256条以下)
各共有者はいつでも分割請求をすることができる(256条)
分割の協議は「共有者全員」でする必要があり、調わない場合に裁判所に請求する。
遺産分割の場合(906条)と違って基準・方法についての定めはない。
一三 地上権(265条以下)
1 他人の土地において工作物又は竹木を所有するため土地を使用する権利
2 地主は原則として修繕義務を有しない←→賃貸借(606条)
3 地代は要素ではない←→賃貸借・永小作権の場合は要素(601条、270条)
4 不可抗力による減収を理由とした賃料免除減額請求不可はできない(266条1項で準用する274条が609条に優先適用される)
ただし、目的地一部滅失の場合の賃料の減額請求はできる(611条準用)
5 一回の地代の不払いで直ちに地上権消滅を請求されることはない(276条、266条1項)←→賃貸借(541条)
6 準用される賃貸借の規定(266条2項)
(1) 一部滅失の場合の借賃減額請求・目的不到達の場合の解除(611条)
(2) 借賃の支払時期(614)
(3) 借賃の先取特権(312)
7 期間制限なし←→賃貸借(604条1項) ただし借地借家法
8 更新の制度なし←→賃貸借(604条2項、619条1項、603条) ただし借地借家法
9 原状回復義務・収去権(269条本文)
10 工作物買取請求権(269条1項但書)
土地所有者に認められている。地上権者からの請求については借地借家法13条。
一四 地役権(280条以下)
1 土地の一部に対しても成立する
2 期間制限なし
3 地役権の特質
(1) 非排他性・共用的性格
物権的返還請求はできない。妨害排除・妨害予防は可能。
(2) 附従性・随伴性(281条)
(3) 不可分性(282条2項本文、284)
※現行法は地役権をできるだけ存続させようとしている
4 対抗問題
地役権の内容は登記なくして承役地の譲受人に対して対抗できる
要役地の賃借人や地上権者は、賃借権や地上権の登記なくして承役地にに対して地役権を行使できる。
5 時効取得
継続かつ表現のものに限る(283条)
1 自主占有と他主占有
(1) 自主占有(180条、197条前段)→所有の意思をもってする占有
(2) 他主占有(180条、197条後段)→所有の意思をもってする占有でないもの。他主占有でも、自己の責任で物を所持している限り、「自己の為にする意思」(占有権の前提)に欠けるところはない
(3) 区別の意義
取得時効(162条)、無主物先占(239条)、即時取得(192条)、占有者の責任(191条)、有益費償還請求権の期限の付与(196条2項)
2 自己占有(直接占有)と代理占有(間接占有)
3 善意占有、悪意占有 本件の不存在についての知・不知
(1) 区別の意義
取得時効の期間(162条)、果実収取権(189条、190条)、占有者の責任(191条)、有益費償還請求権の期限の付与(196条2項)
(2) 占有の善意悪意は代理人→本人の順で決する
本人が悪意のときは代理人が善意でも善意占有とはならない(判例)。
4 占有権の効力
(1) 占有そのものを保護する効力→占有訴権(197条)
(2) 本権取得的効力
本権に昇格させる効果→無主物先占(239条)、家畜外の動物の取得(195条)、取得時効(162条)など
(3) 善意占有者に本権と同様の効果
善意占有者の果実収取権(189条)、毀滅に対する責任軽減(191条)、費用償還請求権(196条)など
(4) 本権公示的効力
占有の公示力(178条)、即時取得(192条)、本権の推定(188条)
5 指図による占有移転(184条)
成立要件:本人の指示
第三者の承諾(第三者=新しく占有を取得することになる者)
占有代理人の意思は無関係
6 占有の承継(187条)
悪意・有過失は占有開始者で判断する(判例)→有利な点は当然だが、瑕疵も承継する。
7 善意占有者の果実収取権(189条)
善意者保護→不当利得返還請求はできない。
過失はとわないが、過失がある場合は不法行為責任を負う。
189条2項→善意の占有者は本権の訴えで敗訴したときは「起訴の時」から悪意占有者とみなされる。190条2項も例外。
8 悪意占有者の果実返還義務(190条)
(1) 悪意占有者・過失で毀損および収取懈怠の占有者→果実償還・代価償還義務
(2) 強暴又は隠秘による占有者→同様
9 善意占有者の滅失・毀損責任の軽減(191条)
悪意占有者、所有の意思のない占有者は全部賠償義務
善意かつ所有の意思のある占有者は利益を受けた限度で賠償する義務
10 費用償還請求権(196条)
(1)必要費→果実を取得した場合は「通常の」必要費は請求できない。
(2)有益費→価格の増加が現存する場合に限り、費やした金額又は増加額のみ。また、悪意占有者に対しては「請求」により期限の許与がある→この場合は留置権不可。
(3)575条に注意
11 占有訴権(197条)
(1) 占有を侵害した他人が始めた占有が正当な権利に基づくものであるか否かを問わない
(2) 物権的請求権との違い
・事実的支配の保護←→物権そのものの保護
・短期の制限(201条・1年)←→制限なし
・占有者が意思に基づかず奪われた事が必要←→不要
・善意の特定承継人に訴え提起できない(200条2項)←→制限なし
(3) 占有補助者・単なる占有機関には提訴権がない(他方、他主占有者は可能)。店員・賃借人の同居人は占有訴権を有しない。
(4) 占有回収の訴え(200条)
・占有を奪われたるとき=強窃盗のみ。詐取や遺失は入らない。193条(盗難(窃盗・強盗)または遺失)とは異なる。
・侵奪者の善意の特定承継人に対しては不可(200条2項)
→侵奪者の包括承継人には善意悪意を問わず行使可能
例:
・いったん善意の特定承継人の占有に帰した後はその後の承継人が悪意であってもその者に対して占有回収の訴えは提起できない(判例)。
・侵奪者・悪意の特定承継人が第三者に目的物を貸与している場合は、前者は間接占有を有しているので、前者に対し占有回収の訴えを提起できる。
・賃貸借契約終了後の引き続き占有の場合は、占有を奪われたるに入らないので、占有回収の訴えは提起できない。
・交互侵奪の場合でも占有回収の訴えは提起できる。
(5) 占有保全の訴え(199条)
請求できるのは、妨害の予防または損害賠償の担保
一〇 即時取得(192条以下)
1 要件
(1)前主無権利
(2)前主の占有
(3)取引による占有承継 占有改定は除く
(4)善意無過失(相手方が無権利者であることについて)
(5)取引に欠陥のないこと=取引は有効な契約でなければならない
(したがって、無能力・意思欠缺・瑕疵ある意思表示・無権代理行為の場合には適用ない。ただし、無能力者の相手方からの譲受人からは即時取得の対象になる)
2 問題となる事例
(1) 相手方が真の権利者であるか逐一確かめないでも過失はない。
(2) 半信半疑は善意ではない。
(3) 家屋を買い受けた者は、その引渡を受けた場合に畳の所有権を即時取得する。
(4) 無記名債券は動産として扱われる→即時取得の対象になる
債権証書は即時取得の対象にならない
3 盗品、遺失物の例外(193条、194条)
盗難・遺失の時から2年間は返還請求できる。
横領・詐取は含まれない。
同種の商品を扱う商人・公の市場・競売で入手した場合でかつ善意である場合は代価を弁償しなくてはならない。
4 推定
善意・平穏・公然は推定される(186条1項)
また、前主の占有が適法であることが推定されるので(188条)、これを信頼した場合に即時取得との関係で無過失も推定される。取得時効との関係では無過失は推定されないこととの違いに注意すること。占有開始が無過失であることが推定されるわけではない。
5 占有改定と即時取得
否定(判例)
対抗要件としての引渡は占有改定を含むこととの違いに注意。
一一 所有権
1 囲繞地通行権(210条~)
準袋地(210条2項)でも認められる。
損害が最も少ないものを選択する(211条1項)。
必要があれば、通行地に通路を開設することができる(211条2項)。
通行地の損害に対しては償金を払う(212条)←→袋地の分割の場合は不要(213条1項後段)。
物権の対抗関係とは無関係なので所有権登記がなくても主張できる。
2 建築基準法と民法234条1項の関係
建築基準法が特則(判例)
3 無主物先占(239条1項)
「動産」の「所有の意思」ある占有
4 添付
(1) 強い附合の場合
地上に造成した石垣・二階部分の増築・苗木の土地への植林など
→権限があっても附合により土地所有者の所有に属する。242条ただし書(所有権の留保)の適用なし
(2) 主たる物の所有者→主従の区別が付かない場合は価格の割合で共有(243、244条)
(3) 償金請求権(248条)
衡平から。請求権は不当利得返還請求。
一二 共有
1 各共有者は共有物の「全部」について持分に応じた使用をすることができる(249条)。
共同相続もこの共有。
2 変更行為(処分を含む)(251条)
共有者の使用権能を制限する結果を招くものは「全員」の同意が必要。
例:売却
3 管理行為(252条前段)
共有物の変更を伴わない利用・改良などは「持分の「過半数」の同意が必要。
例:賃貸借契約の締結・解除(544条1項は排除される=全員でやらなくてもよい)。
4 保存行為(252条後段)
各共有者が単独でできる。
例:共有物の瑕疵の修繕
共有物全体の不法な登記の抹消請求も単独でできる。
共有物返還請求・共有物の妨害排除請求も同様。
なお、自己持分に関することはもちん単独で可能。
5 その他の問題
(1) 担保物権が設定されている持分を放棄した場合→当該持分を他の共有者が取得
(2) 他の共有者に対して明渡請求はできない。ただし、持分権の侵害による損害賠償はできる。
(3) AB共有地にA所有建物があるときにAが無断で土地の共有持分に抵当権を設定した場合、法定地上権は成立しない。
6 管理費の負担(253条)
同条の「管理」には変更も含む。
一年内に履行しない場合には相当の償金を支払って持分を取得できる(2項)。
7 共有物に関する債権
持分の特定承継人に対しても行使可能(254条)
8 持分の放棄(255条前段)
第三者に対抗するには登記が必要(相続放棄と異なる)
9 255条(共有の弾力性)と958条の3の関係
958条の3が優先
10 共有物の分割(256条以下)
各共有者はいつでも分割請求をすることができる(256条)
分割の協議は「共有者全員」でする必要があり、調わない場合に裁判所に請求する。
遺産分割の場合(906条)と違って基準・方法についての定めはない。
一三 地上権(265条以下)
1 他人の土地において工作物又は竹木を所有するため土地を使用する権利
2 地主は原則として修繕義務を有しない←→賃貸借(606条)
3 地代は要素ではない←→賃貸借・永小作権の場合は要素(601条、270条)
4 不可抗力による減収を理由とした賃料免除減額請求不可はできない(266条1項で準用する274条が609条に優先適用される)
ただし、目的地一部滅失の場合の賃料の減額請求はできる(611条準用)
5 一回の地代の不払いで直ちに地上権消滅を請求されることはない(276条、266条1項)←→賃貸借(541条)
6 準用される賃貸借の規定(266条2項)
(1) 一部滅失の場合の借賃減額請求・目的不到達の場合の解除(611条)
(2) 借賃の支払時期(614)
(3) 借賃の先取特権(312)
7 期間制限なし←→賃貸借(604条1項) ただし借地借家法
8 更新の制度なし←→賃貸借(604条2項、619条1項、603条) ただし借地借家法
9 原状回復義務・収去権(269条本文)
10 工作物買取請求権(269条1項但書)
土地所有者に認められている。地上権者からの請求については借地借家法13条。
一四 地役権(280条以下)
1 土地の一部に対しても成立する
2 期間制限なし
3 地役権の特質
(1) 非排他性・共用的性格
物権的返還請求はできない。妨害排除・妨害予防は可能。
(2) 附従性・随伴性(281条)
(3) 不可分性(282条2項本文、284)
※現行法は地役権をできるだけ存続させようとしている
4 対抗問題
地役権の内容は登記なくして承役地の譲受人に対して対抗できる
要役地の賃借人や地上権者は、賃借権や地上権の登記なくして承役地にに対して地役権を行使できる。
5 時効取得
継続かつ表現のものに限る(283条)