(知らぬ間に統合失調症に)
それからしばらくは何事もない、あまり印象に残ることもない平凡で退屈な入院生活を送っていました。週一回の院長先生の診察は、それまでの色々な事には触れない、一応上辺は 穏やかな、かつ何の内容も無い診察が続いていました。
そんな頃、私は偶然看護師からある書類を見せてもらう機会がありました。その時の驚きは大変なものでびっくりしました。何と私の病名に「統合失調症」が加わっていました。
その頃、特別な薬も飲まず注射も勿論していなかったので、そんな診断がついていたとは全くの青天の霹靂でした。そしてその事で退院がいつの頃になることやら見当もつかなくなり途方にくれました。
それからしばらくした頃、私を含め何名かの患者の主治医が院長から若い非常勤のB先生に変わるという貼り紙が貼られました。そのメンバーは何十年も長期入院している人や、入院中の挙動がおかしい人など「退院」とは縁が遠い人達ばかりでした。
私もその中に入れられたという事は、当分の間は退院は出来なくなったと腹を括らざるを得ませんでした。
もう院長先生にとっては記憶も虚ろになる位の年月が過ぎ去ってしまいました。 でもやられた私にとっては全く風化することもなく記憶から消え去ってしまうものでもありません。ですから院長先生に思い出して欲しいという気持ちも込めて書いています。