(B先生)
B先生に替ってから統合失調症の薬や注射が始まったと思います。もはやアルコール依存症などどうでもいい、問題は統合失調症という診察内容に変わってしまいました。
私はその内堪えきれなくなり統合失調症ではありませんと強く主張したら、私が10年位前アルコール精神病という事で措置入院になった経緯の古い資料を探して読んで統合失調症である事に間違いはないと更に確信を深める結果になってしまいました。
それから退院にこぎつけるまでの数年間哀れな患者になってしまいました。薬は飲む振りをしながらも捨てたりしていましたが隔週のお尻への注射は逃れられませんでした。
しかし私は許可になっていたスマートフォンで統合失調症の事を調べ上げ、自分は絶対に違うと確信を持っていました。
診察の時「今まで薬はほとんど捨ててきた、ここは試しに注射も止めてみて欲しい、それでもし何かオカシクなったら保護室に入れられても構いません」とB先生に頼み込みました。
でもそれは許可できない、せっかく注射が効いて状態が安定しているのに、それをわざわざ崩すことはないと聞いてくれませんでした。(薬は安いけど、この注射は高いといつも言っていました。雇われ医師としては儲けを考えるのは仕方がない事でしょうが)
「あなたの病気の急性期は見た事はないが優秀なA院長が見誤る訳はないし、あえて今更あなたの急性期を見て確認する必要はない」という事でした。
勤めて間もない非常勤の勤務医が院長先生の診断を覆す事など立場上とても出来ない事だったでしょう (私を退院させる権限も持っていない立場では何も出来ないのは分りますが)。
それからは長い間失っていた携帯電話を所持する許可、一人で外出できる許可、2階 (解放病棟) に上がる許可など長い時間をかけて本当に一つ一つずつ努力して自由を獲得していくしかありませんでした。
でもいつ頃からだったでしょうか、そんなB先生が私の退院したいという強い気持ちを叶えてあげても良いような発言をし出しました。 今考えると、精神病院入院患者も入院治療から外来治療への転換を図っている時代背景もあり、その上院長先生の許可を貰えたのかなとも想像しました。(事件から5年以上経ってもう退院させても訴えられる心配がないと考えたのかなとも思いました)