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『我が偽りの名の下へ集え、星々』紹介ブログ

カクヨム掲載中、ファミ通文庫より発売予定のライトノベル『我が偽り名の下へ集え、星々』の紹介ブログです。

「引き潮の時」

2017-04-20 | 設定:社会
25世紀以降、顕著になってきた「地球を故郷とする人類の衰退」を意味する言葉。
三大勢力が覇を競っていた、いわゆる三国時代から「ドーヌムからの回収に頼りすぎ、人類が独自に新たな発見発明をする事が無くなっている」「過去に作られた技術的産物の資料が散逸してしまい、再現、修理不能なブラックボックス化してしまっている」などの問題が指摘されていたが、社会情勢から踏み込んだ調査と研究はなされなかった。
銀河共同体設立後の2450年頃、この問題に関しての大規模な調査が行われた。
その結果、以前から言われていたような「新たな発見や発明の極端な減少」「ブラックボックス化してしまった過去の技術」のような問題が現実に見られること、そして技術的問題ばかりでは無く「出生率と平均寿命の低下」や「非科学的な迷信の流布」「社会的な帰属意識の低下」など様々な問題が明らかになった。
銀河共同体政府はさらに調査を続けたものの原因は不明であった。「調査のタイミングで、無関係な複数の調査結果がたまたま一致しただけ」という見方もあったが、「人類は緩やかに衰退を始めている」という解釈が一般的なものとなった。しかしこれが一時的なものか、永続的なものか。一時的なものだとしたら、どの程度、続くのかに関しては、論者の数だけ仮説があった。
この現象については「文明の氷河期」「人類の限界点」とも呼ばれたが、結局、誰が言い出したのかも分からない「引き潮の時」という名称が定着した。
銀河共同体の「第一市民制度」も、もともとこの「引き潮の時」への対策として始められたものである。しかし成果を上げることは出来ず時代はアレッサンドラ女帝、クラウス帝の帝制、貴族制の完成へと至った。クラウス帝はトップダウンによる強引な改革を期待して帝制、貴族制を導入したと言われるが、歴代皇帝や貴族は権力争いに終始するだけで、この問題に本腰を入れて取り組んだのは、地球人類文化圏の統一を目指して「イスカンダル作戦」を立案したマクシミリアン帝、大胆な経済改革で現状打破を図ったヘルムート帝などしかいなかった。
以降も多少の回復を見せつつも、長期的には「引き潮の時」は継続していると考えられている。

ミナモト家

2017-04-19 | 設定:社会
汎銀河帝国はもとよりその前身である銀河共同体自体から続く屈指の名家であり五家門だけとされる公爵家の序列二位の地位にある。銀河共同体の設立メンバーであり、初代共同体議長だったリョウマ・ミナモトもミナモト家出身である。
五大公爵家筆頭であるローウェル家一門同様、もともと帝制、貴族制には反対に近い懐疑派であったが、クラウス帝に懇願され、帝国が暴走しないように睨みを利かすといういわば「帝国の番人」として公爵の地位を受け入れた。選帝侯戦争の際にも、ローウェル家と共に「帝国の番人」として中立を保ち続けた。
三国時代には「連邦」に所属する軍人の家系として知られていたが、銀河共同体体制以降は文民も多く、さらに芸術や科学など広い方面で活躍する人材を輩出している。

偽辺境伯

2017-04-18 | 設定:社会
汎銀河帝国の貴族制度はバイロン朝第三代アレッサンドラ女帝の時代に始まり、リンツ朝クラウス帝の世に完成された。しかしながら帝国の体制が固まっていない時代、バイロン朝第二代皇帝チェーザレ二世は各地に行幸した際、市民から求められるままに「貴族」の称号を与えてしまったのである。それ自体、観光地の土産物程度の価値しか無く、チェーザレ二世本人はもちろん、受け取った市民たちの多くもそれは承知の上であった。
しかしながらその一部が、貴族制度の完成後、チェーザレ二世からの認定を根拠に、勝手に「貴族」を僭称する者たちが現れた。それを総称して「偽辺境伯」と呼ぶ。必ずしも全てが「辺境伯」を名乗っていたわけではないが、帝国中央にいると処罰されるので、貴族を僭称するものは辺境在住、もしくは辺境に逃亡する為、結果的に「辺境伯」と名乗る場合が多かった。また帝国の爵位に「辺境伯」がなかったのも影響している。
なおナーブ辺境星域の領有権を主張していたマクラクランは辺境伯を自称していた。

取り巻き(フォロワーズ)

2017-04-17 | 設定:社会
この場合の「取り巻き(フォロワーズ)」とは、帝国学園に入学する有力貴族子弟が伴う生徒、学生の事である。建前とは言え有力貴族子弟であっても、学園に入学した以上、一般生徒、学生と同様に扱われる。しかし有力貴族子弟の中にはナイフ、フォーク、ペンより重いものを持ったことがないものも珍しくない。その為、身の回りの世話を焼くために伴う生徒、学生を「取り巻き(フォロワーズ)」と呼ぶ。
多くの場合市民階層出身者や下級、貧乏貴族出身者で構成される。「取り巻き(フォロワーズ)」を入学させるために必要な学費、寄付金は有力貴族側が負担する。主人である有力貴族側に経済的な余裕があれば、その人数は百人以上にも達する。
学園側の正式な制度ではないが、有力貴族はもちろん学園側にもメリットがあるので、黙認されている。
「取り巻き(フォロワーズ)」の生徒、学生としては、無償で帝国学園の教育を受けられるというメリットもあるのだが、主人である有力貴族子弟の面倒を見なければならない為、学業がおろそかになる事もしばしばである。多くの場合、主人である有力貴族子弟の卒業(時には退学)と共に学園を去るが、すぐれた成績を残した場合、継続して在学することもある。
「取り巻き(フォロワーズ)」の役目は食事や着替えなど日常生活から、選択授業のアドバイスや家庭教師役といった学業、そして身辺警護など多岐にわたる。

帝国通貨

2017-04-16 | 設定:社会
汎銀河帝国の通貨単位は「星間ポンド」。通常「ISP」「ISポンド」「IS£」などと表記。補助単位は「星間ペニー」。
広大な帝国版図内では電子決済に必要な通信事情が悪い地域も多い為、未だに硬貨、紙幣も発行されている。
この他、各自治領や貴族領で独自の通貨を発行する事も認められている。