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『我が偽りの名の下へ集え、星々』紹介ブログ

カクヨム掲載中、ファミ通文庫より発売予定のライトノベル『我が偽り名の下へ集え、星々』の紹介ブログです。

グレゴール・ベンディット(Gregor Venditte)

2017-05-25 | 登場人物(注意:ネタバレあり)
注意!

こちらはネタバレありの登場人物紹介です。

ファミ通文庫もしくはカクヨムで本編をお読みの上、ご覧下さい。


汎銀河帝国現皇帝。ベンディット朝としては初代皇帝だが、汎銀河帝国皇帝としては19代目にして18人目となる。
若くしてベンディット家を継いだグレゴールは、時の皇帝ヘルムートからリープストリームの調査を依頼された。これはグレゴール自身が願い出たもので、彼は人類の緩慢な衰退が急速な活動圏の拡大にあると推定。リープストリームの謎、つまりそれが人工的なものか、自然現象なのか。人工的だとしたらリープストリームを製作した文明はどうなったのか。自然現象ならば他にリープストリームを利用した地球外文明は無かったのか。それをはっきりさせれば、人類の永続的な生存に道が開けると考えたのだ。
ヘルムート帝の許可を得たグレゴールは調査船団を指揮してリープストリームの彼方へと向かった。数年後、調査船団はぼろぼろになりながらも何とか帰還したが、リープストリームの由来や、地球外文明の痕跡は不明のままだった。それでも恒星間に於けるリープストリームの流れがより詳細になったので、ヘルムート帝は帰還したグレゴールを手厚くねぎらったが、その席で彼は歴史に残る恐るべき提案をする。
「人類の永続的な生存の為には、制御された戦争こそがもっとも有効な手段である」
ヘルムート帝は戯言としてその場は受け流したものの、グレゴールはその後も執拗に食い下がり続けた。やがてはヘルムート帝も業を煮やしてグレゴールを遠ざけてしまった。しかしグレゴールは諦めず、自分の考えに理解を示してくれた異父兄オイゲン・バッテンブルク公の協力を得て、ヘルムート帝に不満を持つ軍部、貴族を味方に付け、いわゆる「デメテル宮事変」で譲位を取り付け皇帝へと即位した。
即位後、オデッセウス作戦で汎銀河帝国の仮想敵国であったウーラント軍を壊滅に追いやり、軍と貴族そして一般市民からの支持も盤石のものとすると、自らの構想を「内政的主戦主義(ドメスティックジンゴイズム)」と名付けて、自治権の剥奪や貴族の領地替えなどを繰り返して意図的に戦乱を煽っている。存在価値が上がる軍はさておき、領地替えや各種権利が剥奪される恐れのある貴族や一般市民までもがグレゴール帝を支持するのは一件奇異であるが、多くが対岸の火事とみなして、実際に好調になった経済に酔い痴れているのが実情である。
将来もこの制度を維持するために側室制度を設け、多くの子を残し、後継者は実力で決めると公言している。
多くの側室とは別に正室とその間に産まれた長男もいた。しかし正室は長男に皇位を継がせようと画策してグレゴール帝の怒りを買い軟禁。失意のうちに世を去った。長男はその後も軟禁された惑星で権力争いは無縁のまま生活していたが後に事故死している。
若い時は学者肌で非常に理性的な人間であった。そのグレゴールがリープストリーム調査の後、なぜ「ドメスティックジンゴイズム」のような過激な発想に至ったのかは、本人も多くは語っていない。
リープストリームの彼方で人類の理解を超越したものを見たとも、あるいはグレゴール自身の性格は一切変わっておらず、感情論を廃した理性的な思考の結果とも言われている。

ポーラ・シモン(Paula Simon)

2017-05-25 | 登場人物(注意:ネタバレあり)
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こちらはネタバレありの登場人物紹介です。

ファミ通文庫もしくはカクヨムで本編をお読みの上、ご覧下さい。


14歳。誕生日4月4日、血液型B。帝国学園ヴィクトリー校中等部ノーブルコースに通う女子生徒で、シュライデン家より前皇帝の血を引くルーシアの警護を依頼されている少女。
ポーラのシモン家はシュトラウス皇家に代々仕えた貴族であり、皇帝ヘルムート恩顧の忠臣であった。彼らにとってはグレゴールの即位はシュトラウス家からの皇位簒奪であり、他のシュトラウス家家臣と共に激しく抵抗したが、ヘルムート自身が譲位を宣言した為、引き下がる得なかった。一部家臣はバルトロメウス帝が作り上げた「シュトラウスは神より皇帝足る資格を与えられた血族」という伝説にすがり、皇位復帰を画策するなど過激な路線に走ったが、シモン家は「帝国の平和の為に、敢えて皇位を譲ったヘルムート帝の決断を尊重する」一派として、野に下ったシュトラウス家を支え守る事になった。ポーラも一族のその方針に従い育てられ、護身術や銃器の扱いにも馴れている。そして何よりシュトラウス家への忠誠と献身を叩き込まれていた。その為、性格は律儀で堅物。融通が利かない一面がある。
帝国学園入学後のルーシアを護衛してくれる少女を探していたシュライデン家にとっては、そんなポーラはまさに理想的な存在であった。ヘルムートの死後、仕えるべき主君を失っていたシモン家にとっても同様であり、ポーラは顔さえ知らぬルーシアの為、シュライデン家の経済的支援の元、先んじて帝国学園ノーブルコースに入学していたのである。
ルーシアをあくまで主君とみていたポーラだが、親しく接してくれるルーシアに、少しずつ打ち解け始める。しかしまだどこかで主君と家臣という関係から脱却できていない。ルーシアからは「友達になって欲しい」と言われてるが、ポーラはどこかでルーシアの為に死ぬのが自分に科せられた運命と思い込んでいる節がある。
帝国学園入学はルーシア警護のためと、周囲からは距離を置いていたが、そのルーシア自身、他の生徒からも人気があり、ポーラも少しずつ友達が増えていっている。

シド・ワールマン・ベンディット(Syd Warmann Venditte)

2017-05-25 | 登場人物(注意:ネタバレあり)
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こちらはネタバレありの登場人物紹介です。

ファミ通文庫もしくはカクヨムで本編をお読みの上、ご覧下さい。


汎銀河帝国第二皇子。24歳。誕生日12月20日。O型。北欧系の血を引き、病的に白い肌を持つ、どこか退廃的な雰囲気を醸し出す青年。
ワールマン一族は代々軍人、政治家、芸術家などに優れた人材を輩出してきたが、あくまで一般市民階級であり、貴族への叙爵を拒否してきた。特に思想的な背景があるわけでもなく、帝制や貴族制を否定しているわけではないが、貴族に相応しくないなどと、毎回、理由を付けて断ってきている。また三国時代を終わらせた英雄の一人に、同姓の軍人がいるが、シド皇子や現ワールマン一族は直接の血縁はないとされている。
18歳の時、初陣として市民自治圏の雄フィネガン恒星系討伐の命を受ける。皇帝グレゴールもこれが成功するとは思っておらず、常に斜に構えたシドの鼻っ柱を折ってやろうとしたとも言われている。しかしシドは時間こそかかったものの、結果的にフィネガン恒星系をほぼ無血占領する事に成功した。もっともそれは戦略や戦術とはかけ離れた、恫喝と詐術を弄しての結果であった。さしものグレゴール帝もこの結果には当惑を隠せなかったという。姉ジル皇女もシド皇子のやり方を嫌悪したが、兄ガイウス皇子は無用な死者を出さぬままやり遂げた弟を素直に賞賛したという。皇家内でも評価が分かれたように、帝国内での評価も様々であった。中でも軍関係者はシド皇子のやり方に否定的な意見が大勢を占め、結果的にこの後、大きな作戦を任せられる事は無くなる。もっともガイ皇子のように肯定的に評価する向きもあり、また軍内部でも一部には熱狂的な支持者が居る他、貴族、一般市民の間でも人気がある。表向き大きな軍事行動、公務には携わっていないが、小規模な作戦には非公式に参加、少しずつではあるが実績を残している。
貴族市民の間では、仮に現段階(三〇二〇年)で皇位を巡る戦いが勃発した場合、総合力のジル皇女、武力のガイ皇子。そして底知れぬ不気味さのあるシド皇子三人の争いになるであろうと言われている。しかしシド皇子自身はあまり権力争いには興味が無く、またグレゴール帝の進める「制御された戦乱で人類社会に活力を与える」政策も、無意味で無価値と断じており、そもそも人類に未来はないと断じて憚らないニヒリストである。
旧地球時代、特に20世紀末から21世紀にかけてのサブカルチャー、ポップカルチャーを趣味としており、当時のアイテムの収集に余念が無い。
好きな画家はジャクソン・ポロック。王宮の自室に飾ってあるものは、地球から奇跡的に回収された本物である。

カスガ・ミナモト(Kasuga Minamoto)

2017-05-25 | 登場人物(注意:ネタバレあり)
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こちらはネタバレありの登場人物紹介です。

ファミ通文庫もしくはカクヨムで本編をお読みの上、ご覧下さい。


19歳。ヴィクトリー校専門課程(大学に相当)学生。現ヴィクトリー校全校自治会会長。血液型A型。誕生日1月10日。漢字表記は「源春日」。
五大公爵家の一つであるミナモト公爵家の長女。長い黒髪を持つ日本人形を思わせる容姿をしている。
学園に入学、被選挙権を得るなり学園自治会役員となる。副会長を経て自治会長となるが、重要な役職が有力貴族子弟の間で持ち回りされているので当然の結果であった。しかし自治会副会長時代から辣腕を揮い、学園内に於ける各派閥の衝突を収めていった。公爵家の娘という立場を考えるならば、会長就任は当然だったが、それに相応しい資質も持ち合わせていたのは事実である。
一方で「帝国の縮図」足る学園内の身分制度には手を付けず、それを看過する事によって安定を維持していた。
学園の状況を安定させた事により、一定の支持と信頼は得ている反面、カスガをどこか腹の読めない人間と思っている生徒、学生そして教師は少なくない。
またカスガ自身も周囲の人間とは距離を置いている所もあり、同じ自治会役員であるキースやアーシュラ、グレタたちも、学園内における貴族間の勢力バランスを考えて任命しており、必ずしも気を許しているわけではない。
もっともカスガ自身もまだ世間知らずの少女であり、何か突発的な出来事でもあれば取り乱す可能性は高い。事実、自分自身でも精神的に脆いところがあるのは承知しているようである。
いずれはミナモト公爵家を継ぐ事になり、将来を約束された立場だが、本人は決められた道を歩む事に不満を覚えつつも、どこか諦観しているところもある。
退屈な日常の中に現れたミロに、漠然とした期待を寄せ始めたが、その先で待ち受けるものは希望か絶望か。カスガ自身もまだ分からない。

ルーシア(Lucia)

2017-05-25 | 登場人物(注意:ネタバレあり)
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こちらはネタバレありの登場人物紹介です。

ファミ通文庫もしくはカクヨムで本編をお読みの上、ご覧下さい。


現在は「ルーシア・シュライデン(Lucia Schleiden)」と名乗っているが、本名は「ルーシア・シュトラウス( Lucia Strauss)。誕生日8月28日。血液型AB。趣味は料理とお茶。
父はシュトラウス朝最後の皇帝ヘルムートの長男ヘルベルト。母はシュライデン家の娘クレリア。クレリアは現皇帝グレゴールの側室としてミロを産んでおり、ルーシアとは異父兄妹となる。
クレリアは生まれる前からヘルベルトの婚約者であった。本来、五大公爵家同士及び皇帝と婚姻関係を結ぶ事は好ましくないとされているが、明文化された規則ではなく、暗黙の了承であった。低下するシュトラウス朝の求心力を回復しようとした皇帝ヘルムートと、権勢の拡大そしていずれは皇位を狙わんとするシュライデン一族の利害が一致した結果、他の公爵家や有力貴族、富裕市民層には伏せられたまま、ヘルムート帝の長男ヘルベルトと、まだ産まれてもいなかったクレリアの婚約が決まったのである。しかしグレゴールが皇帝に即位。その支配体制が盤石のものになったと見るや、シュライデン一族はクレリアをその側室へ差し出したのである。クレリアはミロを産んだものの、後宮内の有形無形の嫌がらせに耐えかねてシュライデン一族へと逃げ帰る事になる。
そのクレリアに求婚したのがヘルベルトであった。親の決めた許嫁ではあったが、ヘルベルトは一人の男性として、一人の女性クレリアを愛し、その力になりたいと心から思っていたのである。そしてこの求愛はシュライデン家にとっても好都合であった。ベンディットの血を引くミロに加え、シュトラウスの血を引く子も得られる。二枚の切り札を持つ事になるのである。かくしてヘルベルトとクレリアは結ばれ、産まれたのがルーシアであった。幼少時ルーシアは両親と共にすごし、その愛情を一身に受けて育った。その為か素直で心優しい少女へと育った。しかしクレリアの死後、シュライデン家長老ゼルギウスの元へ引き取られる。それでもまっすぐな気性は変わる事はなかった。
前皇帝ヘルムートが譲位した理由については諸説あるが、ヘルベルト、クレリアの影響もあり、ルーシア自身は皇位を巡る戦乱が起こる事を回避するためだったと信じている。
また兄ミロとは、その複雑な血統故に一年に一度か二度程度しか会えなかったが、その素直さ故に心から慕っている。そのミロやアルヴィン、そしてスカーレットたちは、自らの運命を弄んだ皇帝グレゴールには、程度の差こそあれ怒りを覚えており力尽くでも倒さなければならないと考えていたが、ルーシアは理不尽であるとは思いつつも、祖父である前皇帝ヘルムートの遺志を尊重するならば、力に訴えるのは好ましくないと考えている。
しかしながらシュトラウス朝初代皇帝であり、神君とも崇められるヴァルデマールの血を引く数少ない人間であり、シュトラウスの血統を崇める過激な思想の持ち主たちは、やっきになってヘルムートの孫娘=ルーシアの行方を捜している。
ルーシアがシュトラウスの血を引く事を知っているのは、ゼルギウスが認めた者たちのみで、シュライデン一族の主要メンバーに加え、異父兄だったミロ、その影武者アルヴィン、護衛役のスカーレットと協力を求められた学園の女生徒ポーラ・シモンなどである。
またルーシアは本物のミロが死亡して、アルヴィンが影武者を務めている事は知らない。違和感は覚えているものの、何か事情があるのだろうとも察しており、今は敢えて口にしていないようである。