「石油ストーブに火が点かなくなったから見て欲しい」
そんな依頼で訪問させていただきました。
まず、石油ストーブを分解して芯の状態を確認

先端が真っ暗になってカチカチになっています。
これは、変質した灯油を使用したためでしょうね
灯油が変質する要因は
1、残った灯油をポリタンクでそのまま保管(灯油は空気に触れると酸化するため、処分するか使い切る)
2、常に日が当たる場所に灯油のポリタンクを置いている(温度が上がれば酸化が早まる)
3、湿度が高い場所や、雨水が侵入し易い場所(容器)などで、灯油に水が混入
ですから、灯油の保管状況は大切

お客様に灯油の保管状況をお尋ねしますと

今は使用していない石油ボイラーのタンクから灯油をポリタンクへ移し、それを

石油ストーブのタンクへ移しかえて使っているみたいです。
しかし、ボイラーのタンクにある灯油は変質している可能性があるので、今後は使わないように
これからは、必要な量だけポリタンクで購入し、常に新しい灯油を使っていただくようお願いしまして
悪くなった芯を新しい芯に替えます。

後ほど新しい灯油を購入してから使っていただくことに

石油ストーブは維持費も安く、煮炊きもできるので重宝されます。
しかし、こんな事故例もありますので

独立行政法人製品評価技術基盤機構より
事故通知内容 使用中の石油ストーブ付近から出火して、住宅を全焼し、家人1人が火傷を負った。(事故発生地:大阪府)
被害の種類 3.軽傷
事故原因 事故品の燃焼筒がずれていたため、異常燃焼を起こして天板付近まで炎が立ち上がった際、被害者が消火操作を行ったが、不良灯油の使用により、芯にタールが固着していたことから消火位置まで芯が下がらず、座布団を被せて消火させようとしたために座布団に着火して、火災に至ったものと推定される。なお、取扱説明書に「マッチ、ライターで点火した場合は、燃焼筒のすわりを確認する。火災の原因になる」旨、記載されている。
以上
私としては、石油ストーブは危険なので使って欲しくないのですが、こればかりはどうにもなりませんね(v_v)
きょうはここまで
つづく