職場の先輩に勧められて、立川志の輔さんの落語を聞きに行ってきた。
志の輔さんといえば、「ためしてガッテン」の司会者だな、と真っ先にイメージする。
公演はもう今年で14年めになるという。自分が16歳のころからやっている青森公演なのに正直全然知らなかったのは、チケットを売り出してしまうとほとんどすぐに無くなってしまうためとのこと。なるほど、人気がありすぎる公演はそもそも公の告知をほとんどしないもんな。
落語は、志の輔さんが作った創作落語が一本と、人情系の「唐茄子屋」だった。どちらも、あまりに喋りが上手すぎてすぐ話に引き込まれ、とても面白かった。三時間という長い公演時間だったけど、その長さを感じさせなかったな、と思う。三時間というと結構映画でも持て余してしまいがちだけど。
今回感じたのは、自分は落語だったら人情話が好きだなあということ。
数あるお笑いの形の中でも、ストーリーがあって人の心情をここまで掘り下げ、しかもなにか教訓が隠れていたり、じんときたりする、というのは落語ならではだと思うから。テレビのコントや漫才ではこういうものはほとんど見れない。
やっぱり、どの分野にも「ならでは」があるからいい。その表現方法でしかできないものって大きな強みだと感じる。各分野にはそれぞれ一番美味しい「ならでは」があって、落語の場合「人情話」がそれにあたると思う(小説の場合は「叙述トリック」、映画の場合は「映像と音」、とか)。
しかも、落語って同じ話であっても演者が代わると大分色が変わり、場合によってはオチも変化する。一度に沢山の話を聞くことができないだけに、詳しくなろうと思ったら相当、聞き込まなければいけない。落語ならではの「人情話」が、また演者個人のならではで枝分かれする。深い世界だなと思う。
今回凄く面白かったので、ぜひ来年も聞きたい。2009年、三笑亭夢之助さんの落語を聞きに行った時のブログにも同じようなことが書かれてあったが…今回こそは、ぜひ続けていきたい。
~完~