おとなりカフェ

残業代の支払い


勤務実態から、マクドナルドの「店長」は管理職ではないという東京地裁の判断に、日本マクドナルドは控訴しています。

24時間営業、あるいは24時間営業を増やそうとしている業界で、職員の働き方に配慮することは本当に大変なことかと想像します(個人的には24時間営業に賛成なのではありませんが)。
しかし、ワークライフバランス、持続可能な働き方などを重視せざるを得ない社会の動きや、個人のライフスタイル、価値観の変化と別なところで経営が成り立つわけではありません。

すでにこのような変化に迅速に決断しているのはコンビニエンスストア業界。ローソンやファミリーマートはすでに店長への残業代を支払っています。
店長といえども、やむを得ない時間外労働は相当多くなるだろうことは素人にもわかります。
セブンーイレブンジャパンも1年前から検討してきたということですが、3月から店長への残業代を支払うことになったとのこと。

このような大企業と対比する失礼を許していただくなら、私もNPOの現場で、多様な働き方や評価のあり方を考え続け、一部成果の出たものもあったとは思いますが、評価や給与は組織の根幹のありようを決定付けるものなので、そんなに簡単なことではありませんでした。

いい仕事をしていこう、社会によきインパクトをもたらそうと考えたなら、雇われている感覚、サラリーマン感覚では、現状ではまだ難しいように思います。
勤務時間中の働き方を個人レベルで管理し、きちんと成果を出して、さっさと退社する。退社後は自分の生活にもどる、能力のブラッシュアップをする、ということが末端まであたりまえのスタイルとして定着するには、まだ早くても数年かかりそうに思うからです。

(少々乱暴な言い方ですが)会社にいれば給料がもらえるという20世紀型の勤務スタイル、価値観を引きずったまま残業代の議論をしては個人にも組織にも危険です。
一人ひとりの勤務実態を両者が判断しながらそれぞれの組織単位でていねいに対応していかないと、間違ってしまうでしょう。

さて、これまでもたびたび浮上してきた教員の残業代支払いの議論がはじまろうとしているようです。
生身の人間が直接の相手となる教育や福祉サービスの分野は、働く人への配慮が最も必要だと思います。しかし、その重要性を給与に反映させ、かかわるすべての人や組織にとって納得のできる水準を決めるのは、本当に難しいと思うのです。
でも、見つけなければ。

ゆずれない軸は、「ディーセント・ワーク」尊厳ある労働の概念です。


名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「雑感」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
2016年
2015年
人気記事