あなたは帰宅途中のバスの中で
日頃の疲れのせいか
うたた寝をしてしまい、
ハッとして起きたところ
乗り過ごしてしまったのではないかと
やや慌てながら
車窓の外を見渡した。
どうやら目的の停留所の
だいぶ手前であることに
一安心し、
退屈凌ぎに外をぼんやり眺めてみる。
すると、
見慣れた国産車に混じって
見慣れない
オフロードトラックが走っているのを
目にしたが
どっかのメーカーが新車を
発売したのかな程度に
あまり気にしなかった。
今度はマスタングのパトカーと
すれ違った。
最近の警察は
凄いのに乗っているだなと
関心する。
次に目についたのが
全盛期の暴走族の改造車など
足元にも及ばないほど
過剰に改造された自動車。
>
穴だらけと言ったほうが
良いほどダクトが設けられ
違法改造にも程があると
思った矢先
色違いも走ってきたことで
>
改造車ではなく
市販車なのか？と疑問を
抱いた。
しかし、
そんな改造車紛いの市販車など
聞いたことないし
自動車雑誌でも見かけたことがない。
釈然としない思いを抱きつつも
次にすれ違う自動車で
目についたのはこれだった。
いくらなんでも
これは市販車じゃないだろうと
思う矢先、またも色違いが走ってる。
このあたりから
いよいよおかしいと思い、
一体なにがどうなってるのか？
あなたは混乱し始める。
昨日までは
こんな変な自動車など
1台も見かけず
たまにNSXあたりを見かけることは
あっても
異常な改造車など
この辺で見かけることなど
まずなかった。
あれだけの改造車が
走っていれば
反応は様々だが
歩行者もなにかしらの反応を
してよいものだが
ごく当たり前のように
一切気にした様子はない。
あなたが混乱するも
なにも解決の糸口が掴めない。
そんなとき、
あなたはトドメとばかりに
衝撃的な瞬間を目撃する。
なんと、
ネズミが走ってくるではないか！
しかもV8エンジンを搭載して
爆音高らかに疾走してくる。
よく見れば
サメも走ってる！
理解を超えた状況に、
あなたの精神は崩壊寸前だった。
あなたは目的の停留所かどうかも
確認せず降車ボタンを連打した。
一刻も早くこの状況から
抜け出したかったのだ。
まさに転がるように
バスを降り、
走り去るバスの後ろ姿を見送ったあと
一息つき
あたりを見渡すと
そこはいつもの当たり前の
自動車しか走っていなかった。
停留所は目的地の3個手前だった。
なんてな具合に
うっかり異世界に
迷いこんでしまうなんて
怖い話しは事欠かないわけだけど
どうやらホットウィール界に
迷いこんでしまったみたいだね。
異世界が本当にあるのかどうか
私は体験したことがないから
わからないけど
おともだちのみんなも
うっかり迷いこまないよう
努々注意されたしなんだ。
MID WORLD