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ばらいろの。。。

好キナダケ好キナ本ヲ語ルノダヨ。

『鱗姫』 嶽本野ばら

2007-05-06 | 現代小説
この世で唯一の美肌小説。

  ハードカバーと文庫

日に日に日差しが強くなっている今日この頃、みなさまはしっかり日焼け対策はなさっておいででしょうか?
まだまだそんなの早過ぎる、なんて思ってらっしゃる方は、是非、こちらの小説の主人公を見習うべきでしょう。

京都のお嬢様学校にかよう龍烏楼子(たつおたかこ)は、奇跡的な美肌を持つ美少女。
その肌を保つため、校則違反でも日傘をかかさず、野外での体育の授業も休むという徹底ぶり。
そんな孤高の美意識を楼子が持つに至ったのには、美貌の叔母黎子の存在があった。
その叔母が何年かぶりに外国から帰ってくる。
楼子は叔母から龍烏家に受け継がれてきた忌まわしい秘密を明かされるのだった。
その秘密とは…


皮膚が鱗状になってゆくという恐ろしい病のことなのでした。
人一倍お肌のお手入れに心血を注いでいた楼子にとって、この謎の奇病のはただ恐怖としかいいようのないものなのでした。
そして、楼子はもうすでにこの病に侵されていたのです。
さぁ、楼子はこのおぞましい病にどう立ち向かってゆくのでしょうか。


なんてね、こんなとってもシリアスで耽美な展開なのに、笑えるところもあったりして(笑)
主人公の楼子が絵に描いたような、オホホと高笑いしちゃうようなお嬢様なんです。
でもって、そのお兄さんというのがまたかっこいいんだけど、独特な人でやっぱりおもしろい。
野ばらさんの文章はいつもそうですけれど、表現とかが独特でなんだか笑えるんですよね。
この表現ってわざとなのかなぁ、それとも本気なのかなぁ、どっちなのかわかんないんですよね。

でも、読み終わるとやっぱり耽美で。
結末は主人公以外みーんな悲惨。主人公たちだけハッピーエンド、みたいな。
自分さえよけりゃいいじゃん、みたいな。
すごいわ。
野ばらめちゃくちゃ、すごいわ。
なかなかここまでおおっぴらに言い切れないもんな。

こんな結末のこのお話が自分は大好きです。


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