misty green and blue

Life is like an onion...

Steve Jobs

2016-03-06 | cinema


パソコンには全く関心のなかった10数年前のある日―
普段はほとんど縁のない秋葉原を散策中、ふと足を止めるきっかけとなったのが従来のパソコンのイメージを覆すインテリア性の高いスケルトンで統一された大胆かつスタイリッシュなデザインが洒脱なディスプレイ一体型デスクトップ機・iMacだった

敬遠していたパソコンが身近に感じられるようになった瞬間でもあった
それでも私にとっては“高嶺の花”であり、まだまだ遠い存在であった

10年程前に父からお下がりのパソコン(Windows XP搭載のPC)を譲り受ける機会がなかったら、そもそも無縁であり続けた可能性もある
折からのインターネットブーム、俄然興味がわくようになった
同時にいつしかiMacを手にした自分を思い描くようになったのもこの頃である


ITの革命児・Steve Jobs
彼がApple社の共同設立者であること、彼がiMacの発案者であること、その容赦ない立居振舞から変人扱いされていたことを知ったのは、彼の訃報に接した、わずか数年前のことだった


デジタルテクノロジーの常識を変えたSteve Jobsの素顔に迫る映画『Steve Jobs|』を観た (5日)

圧倒的なカリスマ性とあまりにも不器用な父性―相反する側面を持つ彼の生きざまを、1984年のMacintosh、1988年のNeXT Cube、1998年のiMacという3大製品のプレゼンテーションを行なう直前40分の舞台裏にスポットを当てて炙り出す、会話劇風伝記映画である

印象的だったのは、技術者でもなくデザイナーでもない彼が自らを“アーティスト”と称してコンピューターの理想型を追及し続けていた、その姿勢である

その背景には非嫡出子ながらも元恋人との間に儲けた娘Lisaの存在があった
当時5歳だったLisaが、発表会前の楽屋で新作のMacintoshを使って拙いながらも絵を描いてみせたことがJobsの琴線に触れ、やがて“人々が音楽や映像、写真などを通じて自分をより豊かに表現”出来る製品開発の遠因となる

プレゼンの開始時間に煩かったJobsが、開始時間を遅らせてまでも娘との和解に努め、いよいよ本番が始まるその刹那、手渡された紙が本人すら忘れていた当時の拙い絵であったことに戸惑いつつも、見上げたその先には満面の笑みを浮かべて舞台に立つ父の姿があった....

全ては喜ぶ娘の姿を見たいがために―
最も感動的で、印象的なラストシーンである


stay hungry stay foolish

“最高のコンピュータを作るため”に“自分の直感を信じ”て、“決して安住”することなく“進み続け”、“全力で心の奥底にあるものを表現”すべく、“一緒に仕事をすべき本当に優秀な人物を探”し出すことに腐心、初志貫徹してついに偉業を成し遂げた彼は、まさしく“反逆のアーティスト”である


Jobs曰く、音の響きが気に入って?社名をAppleにしたらしいが、その実コンピューターのイノベーションを志す彼にとって象徴的であると思われる、最初の人間アダムが食したのが禁断の果実/「善悪の知識の木」の実(リンゴ)であったこと、あるいは学生時代に親しんだ60年代の音楽業界に変革を齎したThe Beatlesの設立した会社名がApple Corps/Apple Recordsだったことに由来するのではないかとふと思った





Steve JobsとMichael Schenkerの共通点―
誕生した年が同じ1955年であるだけでなく、天才であること、愛車がMercedesであること、東洋思想に傾倒していたこと、しかも共通の愛読書はParamahansa Yogananda著「Autobiography of a Yogi/あるヨギの自叙伝」(90年代初頭、Bellaに勧められて?読んだ書)であったことに、軽い衝撃を受けている


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