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1953年、パリ
Christian Dior(クリスチャン・ディオール)の死後、その後継者として弱冠21歳の新進デザイナー Yves Saint Laurent(イヴ・サンローラン)が指名され、一躍世界の注目を浴びる
初のコレクションは大成功、衝撃的なデビューを飾る その若き天才に惹かれた画家のBernard Buffet(ベルナール・ビュフェ)の恋人兼マネジャー、26歳のPierre Bergé(ピエール・ベルジェ)は、ディナーの席でイヴと出会い、ふたりはたちまち恋に落ちる
その後ディオールから精神病院での治療を理由に不当解雇の宣告を受けたイヴと共にふたりはクチュールメゾンを立ち上げる ベルジェの卓越した経営手腕によりイヴの斬新な創作活動は世界中を熱狂させ、名声と莫大な富を得る その反面、表現者ゆえの孤独とプレッシャーから彼はうつ病に悩まされ、いつしかマゾヒスティックに薬物やアルコールに依存するようになっていく………
去る14日、映画『イヴ・サンローラン』を観た
フェミニンなデザインが多かったイヴに革命を齎したのが、メゾンのミューズとして活躍したモデル兼悪友のBetty Catroux(ベティ・カトルー)との出会い―
彼女の影響で考案されたユニセックスの要素を加味した女性用のタキシードは、イヴ自身がリスペクトする唯一の作品
男性の正装だったタキシードを女性向けパンツスーツとして発表、パンツルックの先駆けとなった他、水兵のユニフォームから派生したピーコートや、探検家の服装をイメージしたサファリルックなど男性のワードローブから着想を得たデザインで当時の女性の意識とライフスタイルを変えていったイヴが一番幸せを感じたのは、ランウェイショーを終え、観客にスタンディングオベーションで迎えられた時――
心に深い闇を抱え、“自分のことだけでせわしなく動いて”いた、極度の人見知りだった彼は、デザイナーというよりもむしろアーティストそのもの
彼の半生は、まるでロックスターのようである
“モード界のアマデウス”、もしくは“モード界のパガニーニ”―
この映画を観て、ふと脳裏に浮かんだ印象が、これだった
モーツァルトとサリエリ
パガニーニとウルバーニ
サンローランとベルジェ
三者三様の係わり方ではあるものの、共通するのはふたりの出会いがなければ、天才が天才としてその力を十二分に発揮できなかったことである
しかしながら、皮肉にも彼らは何れも悲劇的な末路を辿っていく......
才能は必ずしも人を幸せにするとは限らない――と思う反面、彼らの如何にも人間らしい一面に感動し、涙し―何故だか共感を覚えるのだった
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