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アメリカひとり道中記

アムトラック鉄道で、西海岸から東海岸へ向けて周遊の旅…
女子一名のアメリカ旅行記です。ラスベガス新婚旅行更新します~

こんなところでマジックブレット

2007-04-23 | よもやま話

ある日の午後、何気なくテレビのチャンネルをカチャカチャしていたわたしは、思わず手を止めて、そして興奮した。別にエッチなシーンを見たわけではない。
そこに映っているのは、よくあるテレビショッピングの画面だ。

休日の朝、広くてきれいなキッチン。
見るからに幸せそうな外国人夫婦。
あれやこれやの材料が並べられたキッチンカウンター。
そしてカウンター前に集まる友人たち…。

これは、どこかで見た覚えのある景色です。

あーっ?! あの機械は! 
ワン・ツー・スリープッシュだ! 

それは、米国旅行中にホテルで見たテレビショッピングで、そのノリノリで手際の良い広告に魅入られ、思わず電話に手が伸びた「マジック・ブレット」だった~。
おおおお君、一体こんなところでなにしてんの?? と思わず聞きたくなってしまう。だってアメリカで三年前に売っていた商品である。それが今、ここ日本のテレビショッピングに登場しているとは。ちょっと懐かしいなぁ。
思わず画面に見入る。
今度は吹き替えバージョンなので内容が分かりやすい…。

アメリカ人夫婦。パーティ明けの朝のキッチンに集まる友人たち(その中にひとり、いかにもうさん臭いオバアちゃんが交じる)。夫婦はご自慢のミル&ミキサー「マジック・ブレット」で次々と料理やデザートを作っていくのだ! 
チーズ、生クリーム、オニオンを入れてミキサーしたあと、容器を取り外しそのままレンジへ!(何とマジック・ブレットの容器は、付属の穴あきキャップをつければそのままレンジにも入れられるのだ!)そして茹でたパスタの上にかければ、あっというまにクリームパスタのできあがり! 
同様に、パルメザンチーズ、ニンニク、バジル、松の実、オリーブオイルを少し入れてミキサー、そしてチンすれば、バジルソースが! これもパスタにかけて、もう一品のできあがり! すごい! 
ミニトマトやニンニク、タマネギなどを入れてサルサソース、おいしそー!
そしてこのマジック・ブレットはデザートも簡単! 冷凍フルーツのマンゴー、ラズベリー、そしてオレンジジュースを入れてミキサーすれば…カロリーを気にしなくてもいい簡単シャーベットが! いいじゃ~ん!
そして陽気なダンナさんが言う、さぁみんな! またパーティをはじめよう! 

うはぁ…ほしい~~…。 
しかし、旅行中にその欲しい欲しい~の衝動からわたしを引き止めたのは、おいしそうだわと思ったメニューが、日本ではあまり作らなさそうなものばかりなうえ(サルサソースとか、ミントシェイクとか…)、材料も日常の我が家の冷蔵庫に入っていそうにないものが多かったので(チーズとかバジルとかさぁ…)、買ったとしても日本ではあまり使えそうもないなーと思ったからなのだが…。
さすがに今回は日本で販売するということもあって、日本対応メニューも紹介していた。マグロのお刺身、山芋を砕いてゴハンの上にのせてネギトロ丼とか、ゴマやおしょうゆを混ぜてゴマドレッシングとか、鮭を砕いて鮭フレークとか、パン粉とか…。何か地味だな。
しかし、今回は特典がすごかった。材料を押し込むだけでフレッシュなジュースができるジューサー(これがかなり欲しい)、ミキサーしたあと、取り外してそのまま飲めるコップ型容器とか…そして何と、今回はその「マジック・ブレット」が1セットのお値段で2セットついてくるのである!! すっげぇえよーーー! でも、二つもどうしろと!!! 自分のお嫁入り道具(行くのか??)として一点と、実家にワンセット? それとも友達の結婚祝いにワンセット?? うーむ。一つのセットでお値段半分とかにしてくれれば、今すぐフリーダイヤルにお電話しちゃうんだけど…。

わたしは今、かなりこの「マジック・ブレット」が欲しい。わたしもワン・ツー・スリープッシュでいろんなものを作りたい。わたしだってパーティの続きがしたいんだー。これだけ宣伝したのだから、一台ぐらい送ってくれないだろうか…。ああ無理ですか。
わたしの友人、親類でこの「マジック・ブレット」に興味のある方、一台どうです? お電話お待ちしております。

ちなみにHPはコチラ(アフリエイトはしておりません…)。

そして、翌日またこのテレビショッピングの番組を見ていたら、また「これ欲しい!」病になり、トレーニングマシーンを買ってしまったわたし…。自分がテレビショッピングに弱いということを知った、今年の春。

GENKIO INOTEMASSO!

2007-04-16 | よもやま話

携帯の着信が鳴った。

見ると、番号表示がない。非通知にもなっていない。ただの空白である。
空白のまま鳴り続ける携帯電話。不気味である。しかし、以前にもこんな電話を受け取ったことがあったような…あれは確か…おおお! 

わたしは着信ボタンを押した。
ザアザアという雑音の中、途切れ途切れに声が聞こえる。

向こう 「~○×△□※??」
わたし 「えっ?」
向こう 「ア~ナンタラタンカラ…デスカ?」
わたし 「えっ、ごめんなさいよく聞こえなくて…」

とか言いながら、相手は何となく分かっているような…でも一応確認をば。
わたしは携帯を持って窓際に近づき、ちょっとでも電波がよくなるように頭をアレコレとかしげてみた。

「えー、ワタシ、リーとイイマス。サンフランシスコのリーデス」
「ああああ、リーさーん!」

なつかしーー。
それは、2004年のアメリカ旅行、序盤も序盤のサンフランシスコで出会った韓国人のおじさん、リーさんであった(詳しくはこちら)。親しみやすい笑顔のリーさんは、わたしが何の知識もないままアムトラック鉄道を利用して、サンタバーバラに向かおうとしたその時に助けてもらった恩人さんである。
わたしはその日、次の滞在場所に移動するために、街から少し離れたアムトラック鉄道の駅に向かおうとしていたのだが、早朝で真っ暗で、人っ子一人いないバス停で、わたしは途方に暮れていた。
ほんとうにここでいいのか、正しいバスに乗れるのか、ちゃんと駅で降りられるのか、チケットはどうやって買ったらいいのか、全てが初めてな上に英語の世界、うまくやれるのかどうか不安で仕方なかったのである。
そんな時、話しかけてくれたのがこのリーさんであった。
リーさんは韓国人で、家族を国に残してサンフランシスコで働いているが、日本語も話せる。多少訛りがあっても日本語は日本語である。その時の安堵感といったらなかった。救世主降臨とばかりに足元にひれ伏しそうになったくらいである(ほんとか)。
リーさんも同じアムトラック駅に向かうところだったので、わたしは彼と一緒にバスに乗り込んだ。バスの中は運転手さんとリーさんとわたしの三人しかおらず、三人で一緒に「スキヤキ」を合唱したというのは何だかメルヘンチックな思い出である。

このリーさんとは、駅で別れ、共にいたのはほんの一時間にも満たなかったのではないかと思うのだが、その後もごくたまにメールを交わしたりはしていた。二年前ぐらいにも、電話がかかってきたことが一度だけあったが、最近ではなんとなく連絡もとだえ、まぁ、昔のことだし、それ以来会ってもいないし、旅先の出会いのその後というのはこういうものだろうかと、ちょっとさみしい気持ちにもなっていたのだが、ほんとに久しぶりである。

リーさんは、わたしにメールを送ったのだが、戻ってきてしまったので不思議に思って電話をしてきたとのこと。そういえば、メールアドレス変わっていました、テヘッ。

リーさん 「マイケルさん、ケッコンはシマシタカ?」
わたし  「エヘッ、まだでーす」
リーさん 「アラアラ、ソウデスカ~。モシケッコンしていたら、デンワをシテモイイノカ、マヨッテイマシタヨー、ハハハ」
わたし 「いえいえ、まだまだ独身ですから~どうぞどうぞ」

リーさん、こんなに日本語ぎこちなかったかしらん、それにしても海外からの電話だから仕方ないのかもしれないけど、この雑音どうにかならないものでしょうか…などと思いながらも、懐かしい人との会話に花が咲く。

リーさん 「マイケルサン、カンコクにはイキマシタカ?」
わたし  「えーっと、いつの話だっけ…」

そういえば、だいぶ前に、今度韓国に行く予定でーすなどとメールした覚えがあるといえばあるけれど、いったい何年の話だっけか。あれから結構、旅行の予定は立ててはツブれているからなぁ。
わたしが今現在、ちょっとばかり体のコンディションが悪く、仕事を辞めて家にいるんですよーというと、リーさんはいたく心配してくれている。

リーさん 「アー、キット、カンコクにイッテ、アッタカくて、カラい、オイシイモノをタベラレナカッタカラ、グアイがワルクナッテシマッタのデショウネ、フフフ」
わたし  「ええ、ほんとにその通りで、フフフ」
リーさん 「マタ、カンコクにイクヨテイがアッタラ、イツデモソウダンしてクダサイね。ワタシ、タスケマスカラね」

ありがたや。もし韓国に旅行することがあれば、韓国に住んでいる自分の後輩か誰かに韓国を案内させますよ~と前々から言ってくれていたのだ。
暗号のようなハングルが解読不可能な韓国で、現地の人においしい韓国料理のお店なんかを教えてもらえればサイコウである(食べ物のことばっかりだなぁ)。

そうこう話していると、わたしの携帯がピーピーとうるさく鳴り出した。
ああーっしまった、充電が! 切れるー!

リーさんに、ちょっと待ってくださいねと言いながら、充電器を探す。充電器の入っているプラスチックの入れ物(ラスベガスのカジノから持ってきた、派手なコイン入れ)には、昔の携帯の充電器も入っていて、それがこんがらがっている。

あああ切れちゃうじゃないか~、誰だよぅこんな古いのまでとっておくのは…いえ確かにわたしですが…。
あわてて携帯に充電器を差しこみ、コードを電源に入れるも、ピーピーという音がやまない。んんん? と思ってコードをたぐってみると、携帯には正しい充電器がささっているものの、電源にささっているコードは古いほうの充電器だった。あああああ~! 

「ドウカシマシタカ?」
「リーさん! ちょっと、ちょっとお待ちを!」

ツーツーツー。
あああああああ! 充電が! 切れたぁ! 

これは失礼をしてしまった。わたしはあわてて正しいコードを電源に差し込むと、リーさんに電話をかけようと着信履歴を呼び出した。が、履歴は空白になっている。そういえば着信したときも空白だった。おまけに、さっきの会話で「ワタシ、デンワバンゴウカワリマシター」と言っていたなぁリーさんは。ぐはぁ。
わたしはすぐさま、リーさんのメールアドレスに、電話が切れてしまってごめんなさいと入れた。これで、わたしの新しいアドレスも分かるだろう。

翌日、リーさんから返信がきていた。タイトルには「GENKIO INOTEMASSO!」
元気を、いのてまそ! 
つづりが間違っているのだが、心がホンワカする。ありがとうリーさん。
わたしはリーさんにメールを送るときはいつも日本語なのだが、リーさんからは英語で帰ってくる。だけどリーさんの英語は丁寧で分かりやすく、こんなわたしでもちゃんと読める。
リーさんは、あなたの健康が心配ですが、これからはもっと話しましょう、なぜならあなたには前よりも時間があるようですから…と書いていた。会話をして、わたしはあなたに韓国語と韓国の文化について教えてあげることができます。そしてわたしはあなたから日本語を学ぶことができますね、とある。おお、素晴らしい。

あなたの韓国の友人より、と書かれたメールを見て思う。
リーさんと顔を合わせて話したのはたったの一時間程度、でもこうして何年たっても忘れずにいてくれる人がいるというのは、ほんとうにうれしいことだ。
人との出会い、特にこういう旅先での出会いって、偶然に偶然が重なったところで起きるようなものだと思う。リーさんとの出会いでいえば、わたしが数あるたくさんのバスの時間の中から、この時間を選ばなければなかったわけだし、そのほかの人たちにしても、あちらとこちら、どっちの道を選んだとか、この日この時間にあそこへ行ってみようという気になったかどうかとか、そんなところから生まれているのである。
♪あーの日あーの時あーの場所で君に出会わなかったら~、ボクぅーらーはいつまでも見知らぬ二人のまま~ってなもんである。

さて、これからこのリーさんとの交流がどう続いていくのか、ちょっと楽しみであります。

来年こそは~!

2006-12-31 | よもやま話
ああ、一年が早かった…。

もう大晦日とは!
何だか周辺の年末らしいあわただしさの中、ついていけずにボケーッしているわたし。

さてさて、わたしが最後に海外に行ったのは、2004年。それなのに明日からはもう2007年というじゃあありませんか。
思えば、アメリカ旅行から帰ったわたしは、完璧に「燃え尽き症候群」だった…。
長年の夢が叶ったあとは、何だか無気力状態。次なる目標も見つけられず、体は不調だし仕事もないしお金もないし…海外旅行夢みてる場合じゃない~と…。
毎日生きるのだけでいっぱい
そのうち、海外に行きたいという気持ちも消えうせている自分に気づいてしまったり。

ところが最近、時折フッと感じるようになってきた…。

海外旅行したい…。

これは、きっと自分にとっていい兆候に違いない!

「あー、アメリカ行きたい…」

これが自然に口からポロリと…

………。

またアメリカか!!!


前の旅行の最後には、「もうこれでアメリカは卒業」みたいなことを言っていたような気がするのだけれど…。
未知のヨーロッパ、イギリスやイタリア、フランスなんかも気になる。食べ物が美味しそうな中国も気になる、けど、やっぱり手元に時間とお金があったらわたしは迷わずアメリカをチョイスしてしまう気がする。自分では説明不可能なかんじで、アメリカ病ですね。

そんなわけで、来年こそはまた、飛行機に乗って、ビューッと…。
行きたいなぁ、いや、行こう! 行くぞー! 
さすがにもう一ヶ月とかは体力的に無理な気がするので、一週間でも!

多分、こういう気持ちを自分の中だけで収めておくと、また日々に流されてダラダラしてしまいそうなので、一応ここに書き残しておくことにします。
来年末、ここに新しい旅行記が残るのか反省文が残るのかは、自分次第なわけですね…。


何かいいなぁ…~バッファロー'66

2006-09-24 | よもやま話

久しぶりの更新です。
最近はわたくし生意気にも忙しく、ぜんぜん更新してないのに、来てくれている方がいるようで、ほんとにすみません そしてありがとうございます。

ところで最近、ちょっと風邪ぎみで家でマッタリしていた日があったのですが、その時久しぶりに映画を見ました。レンタルですが、「バッファロー’66」。マルチな才能をお持ちのヴィンセント・ギャロが監督、脚本、音楽を手がけた映画です。
この映画、五、六年くらい前にもビデオで見たことがあるのですが、何気に借りたものだったのに自分の中で大ヒットを飛ばし、思わぬめっけモノになってしまった映画でした。自分の中で映画ベスト5を作るとしたら間違いなくランクインするくらい好きだったのですが…あれから随分と年月が経ち、薄情にも、わたくしすっかり内容を忘れました
いや、大体のストーリーは覚えているんですけどね、何が、どういう所がそんなに良かったのかな? という所を覚えていない。というわけで、久しぶりに見直してみることにしたのです。

映像が少し凝っています。わたしは映像に凝った、「見てよ、この画。俺ってセンスいいだろ?」的な映画がちょっと苦手なのだけれど、コレは素直にいいな、面白いなぁ、と思えました。最初から最後まで挙動不審なヴィンセント・ギャロは、とてもいい男です。でもその鋭い目、何をしでかすか分からない危ない雰囲気、もしヴィンセント・ギャロが目の前に立っていたとしたら、わたくしチビっちゃうかもしれません。

ストーリーは、アメリカのバッファローに1966年に生まれた主人公ビリー(これまたヴィンセント・ギャロ)が、五年間いた刑務所から出所するところから始まります。出所したビリーは両親に電話をするけれど、刑務所でのお勤めの事は隠し、話の勢いから妻(いません)を家に連れていくことになってしまいます。そこでビリーは、たまたま見っけた女、レイラ(クリスティーナ・リッチ)を誘拐し、良き妻役を演じさせるのです。
キレやすくて、行動が考えなしの勢いまかせなビリーは、すごく子供っぽくて、理解できない。でも、そんな彼を育てた変わり者夫婦の登場から、次第にビリーに同情して、彼を理解しようという気持ちすら生まれてくるのです。そして、レイラと途中立ち寄ったデニーズのトイレで、彼が泣きながら口走る一言。この言葉に、わたくし思わず泣きそうになりました。不器用で、上手く生きられないビリーの心の叫び。うーん、このシーン、かなり心に残ってしまいました。

そしてレイラ役のクリスティーナ・リッチ、すごくいいです。若いのに何かおばちゃん体型(たまたま後ろで見てた母親が「この子の足、ワタシみたいだわ」と一言)、ムッチムチなリッチ。真っ白な肌にペンキでも塗ったかのようなギラギラブルーのアイシャドー、真っ赤な口紅、金髪。見た目は強烈だけど、何故かその存在が美しいのです。

そんな二人の関係も良いのですが、一番いいなぁと思ったのは、映し出される街の雰囲気。だだっ広くて、寒々しく、どこか取り残されたような感じのする街の、ダンス教室、ボーリング場、モーテル、デニーズ、ドーナツショップ…。これが、ものすごくわたし好みな雰囲気なのです。

見終わった後は、この映画に対しての何だか愛しい気持ちがまた、五、六年ぶりに戻ってきたようなかんじがしました。

ああ、そういえばこの映画を見た後はしばらくホットチョコレートにハマったんだよなぁ…