アメリカひとり道中記

アムトラック鉄道で、西海岸から東海岸へ向けて周遊の旅…
女子一名のアメリカ旅行記です。ラスベガス新婚旅行更新します~

【6日目-4】 カンフーファーストフード 

2011-08-31 | 中国旅行記

前門、瑠璃廠を歩き終わっても、まだホテルに帰るには少しだけ早すぎる。

というわけで、次は若者の街・西単へ行くことに。
ここは「北京の渋谷」だそうで、地下鉄を降りると、たしかに若者の活気にあふれている。
ストリートの両端にショッピングモールが立ち並び、エスカレーター付きの歩道橋でアッチコッチと行き来することができる。

うわあ、まずい、こんなところに来てしまっては買い物魂に火が付いてしまう。
でも今からこのショッピングモール群を歩き回るまでの体力はないぞ…。

文化広場には、若者たちが出たり入ったりしている地下街があった。これが「七七街」である。
地下2階まで、割とチープなお店が集まっている。服に雑貨に、フードコートまで。こういうゴチャゴチャした所って、楽しい。
ぶらぶら冷やかしをしていると、オーストリッチ素材(もちろんフェイク)のちょっと気になるバッグがあったので、おいくらかしらと見てみると日本円にして2000円くらいだったので、思わず買ってしまった。ブランドものに疎いので、これがブランドもののコピー商品、というか、ブランドもののデザインを真似っこしたものでないことを祈る。日本に帰って何も知らずに持ち歩き、トレンドなお姉さんたちにクスクスと笑われるのはイヤだ。

下着やパジャマをたくさん売っているお店がある。ショーツのお尻側の中央部分だけ透けるメッシュ素材になっているものがラックにいくつかかけられている。何これ、流行り? おもしろいから友達にあげよう(自分では履かない)。

七七街をぶらぶら歩き、見るのも新鮮な雑貨類などを観察しているうちに、夜。ゴハンもここで食べようかなぁとフードコートに行ってみたら…あった。例のヤツが。わたしが瀋陽からやけに執着しているヤツが。



うぁあああああ~♪♪♪♪♪

なぜかブルース・リーがイメージキャラになっている中華ファーストフードレストラン「真功夫」。
もちろん、迷わずそこに入った。そして注文した。

「香汁排骨飯」!

これ、瀋陽でマンゴージュースを飲むのに真功夫に入ったときに、天井から宣伝の幕がかかっていて、美味しそうだなぁ~と思っていたヤツ。北京に行ったら絶対食べてみなくちゃ!と思っていたヤツさ。「排骨」という言葉の食べ物にあるまじきおどろおどろしさを、「香汁」という食欲をそそるフレーズが見事に打ち消しているね(本当かね)。
ご飯は、なぜかインディカ米。ご飯の器の内側が金属素材になっている。一つ一つ炊いているのかしら。
排骨は、牛肉の細かいブツ切りで骨もついている。甘辛いスープの味がしっかりしみついていて、美味しい。ただ骨部分が多いので、肉としての量は少ないのかもしれない。これをスープごとゴハンの上にだーっとかけて豪快に食べる!(骨を外すのがめんどいけど)。
付け合せの野菜は、レタス。レタスのおひたし。レタスっておひたしにしてもいいのか…薄味のスープでこれも美味しい。
手前はスープの椀。アクか卵か分からないものでとじられているのは、謎の具。黒っぽくて、骨のある何かの生物のぶつ切りが入っている。ナマコのようだと思ったけどナマコに骨はないもんね…。あとは、鶏肉らしきもの、漢方食材っぽい何かの実などが入っていた。具の正体はまったく分からなかったが、ダシの味はとっても良かった。お値段は25元程度(325円)だった。ああ満足。


何て書いてあるんだろ。

地下鉄の駅を降りてホテルに戻る途中、ベーカリーに寄ってイチゴのパンを一つ買った。
これは明日の朝ご飯。明日は早起きだぞー!
ベーカリーから出て更にホテルの方へと歩いていると、いつものマクドナルド付近の何かのオフィスのような建物から、人がぱらぱらと出てくる。何があるんだろう? ちょっと見てみようと思い、建物の中をのぞいてみる。



入ってすぐ右側ではジェラートを売っている。人は、地下へと続く階段から出てくる。そこに一体ナニがあるというのか!? 好奇心で階段を下りてみた。すると。

うわあ、衝撃。ここ、スーパーマーケットじゃないかーー!

あったの?! こんな近くにこんな大きなスーパーがあったの?! 
そうかー、表の入口に書かれていた「超市」って、スーパーマーケットのことか。「超」はスーパーで、「市」は市、つまりマーケット、ナルホド…。中国語、わかりにくいようで、わかりやすいような…(でもやっぱり分からん)。

地下にあるなんて想像もしてなかったので、知らずに3日過ごしてしまった。知っていれば色々と買い出しができたのに。
もっと派手な広告を外に出しておけばいいのになぁ。

せっかくなのでちょっと見ていこ、と思ったら、スーパー入口に小さなカウンターがあり、そこにいた数人のおばさんたちに止められた。

えっ、なに? ここで手荷物を預けなきゃいけないの? 

おばさんに西単で買ったバックの袋を取り上げられ、変わりに番号札を渡された。しっかりしてるなぁ…というかそんなに万引きが多いのかね?

スーパーは、食べ物も充実しており、日用品、下着類、コスメなども売られている。
うーん、面白そう。また改めて来なくちゃ。

今日はのんびりゆったりぼちぼち歩く日、と決めていたのに、またもしっかり歩いてしまった。さぁ今日は早く寝よう。
明日は行くよー、「万里の長城」に!


部屋の窓から見える夜景。なかなか美しい。


【6日目-3】 四合院マダム

2011-08-26 | 中国旅行記

ハンコの出来上がりを待つあいだ、どこか涼しいカフェで冷たいものを飲んで待つことに。

たしか、さっきこの辺でカフェという文字があったような…と、ハンコ店の回りを歩いていると、カフェを二件発見。そのうち一軒は書道具店内に、もう一軒は建物と建物の間にある細い通路を入ったところにある。何か面白そうだからこっちにしよ。
石畳の通路を入ると、右の壁沿いはカフェ本体と思われる小さな店があり、その壁際にテーブルとイスが置いてある。突き当たりの赤い中華風建物の前のパラソルの下にもうワンセット、そこには恰幅のよいワンピース姿のマダムと、チャイナ服の若い女の子が二人いた。この人たちがカフェの店員さんだろうか。

「えーと、カフェー、ドリンクOK?」

などというジェスチャーと英語を混ぜたよく分からない合図をすると、チャイナ嬢はどうぞ、と笑顔で壁際の席を指した。
えっ、外に座るのか…暑いし、店内がいいんだけどなあ…と思って、

「中でもいいですか、暑くて…」

と、とりあえず英語で言いながら勝手に店内をのぞいてみると、そこはほとんど荷物置き場となっていた。あまり、カフェとしてやる気がないらしい。

「あっ、やっぱりいいです、ここでいいです」

見てはいけないものを見たような気がして、あわてて壁際の席に座る。
わたしが暑いといったのを気にしてくれたらしく、チャイナ嬢が扇子を持ってきてくれた。
そしてわたしはアイスコーヒーを注文。
帽子を脱いで、扇子でパタパタとやっていると、もう一人のチャイナ嬢がお菓子を持ってきてくれた。
そして、マダム。チャイナ服のかわいい二人の若い女の子たちを従えたマダムは、何かカッコいい。マダムは英語ができるらしく、いろいろと親密に話しかけてくれる。わたしは日本人で、瀋陽の友人の結婚式に参加し、そしてそのあとこの北京に来たということを話した。
中国語はわかるか? どんな言葉がわかるか? などというやり取りをしていると、チャイナ嬢がアイスコーヒーを持ってきた。が、それはコーヒーカップに入った砂糖と氷入りのホットコーヒー。何かほんとはアイスコーヒーなんて置いてないけどわたしが注文したので無理やり作った感じがムンムンする。中国の人って、アイスコーヒーは飲まないのか?? 不思議に思ったが、甘いコーヒーは美味しかった。

外は暑いと思っていたが、この通路カフェは少しひんやりしていて、涼しさを感じる。
マダムが、

「北京のサクランボをどうぞ」

と言ってお皿に乗せたチェリーをくれた。マダムは、

「今朝、マーション(?だかマーシャンだか)がここに来たのよ」

と言っている。マーションって誰だ。マダムがデジカメを持ってきて、写真を見せてくれた。

「ああーっ!」

思わず叫んだ。

「ここに来たのよ、今朝」

写真に写っていたのは、元総理・麻生太郎その人だった。えっ、来た? ここに? 今朝?
ああ、マーシャンって、麻生のことね。わたしはメモ帳に「麻生」と書くと、マダムはうんうん、とうなずき、そのあとに「太郎」と付け加えた。へぇーっ、麻生さんが。てか、ここに? 何で? すごくない?
聞くと、麻生さんだけでなく、数年前には元・福田総理も来てたとか。

「ここ、有名な所なんですか?」

もしかしたらすっごい失礼な質問かもしれないけれど、聞いてみると、マダムは、それはわたしの家が四合院(中国の伝統建築様式で、中庭を中心として東西南北に建物が囲んでいるそうな)だからなのだ、と説明してくれた。えっ、ではマダムの所に、歴代元・総理が来ることになっているわけか? マダムの四合院がそれほど伝統と格式のあるものなのか? 政治の話になるとサッパリでよく分からないが、北京友好なんとかカントカの行事で来たりするわけか? 頭の中には?がいっぱいだったけど、とにかくマダムんちがすごいということだけは分かった(お粗末な感想)。

そうして、マダムや二人のチャイナ嬢たちと日本語や中国語、お互いの国の地理から花の名前などを教え合ったりして遊んでいると、外から何やらプラスチック容器を手にしたおばさまが登場した。マダムは、

「ああ、いい所に来た!」

と、そのおばさんをわたしに紹介する。マダムのお友達だそうだ。おばさまは手作りの包子(肉まん)を作ってきたようで、わたしにもお食べと勧めてくれる。おおおラッキー! もちろん遠慮なくいただきまーす!
おばさまの手作り包子は、中にお肉とニラといり卵と小エビとニンニクが入っていて、日本の肉まんとはまるで違う味。これが北京家庭の肉まんの味か…と感動した。そうして食べたり、飲んだりして、長居をしたあと、さてお会計をするかと立ち上がると、マダムが四合院を見せてあげるからいらっしゃいと言う。ええっ、見ていいの? そんな政治家さんたちを招待するような所に? テンパるわたし。根っからの庶民。
マダムはいらっしゃいらっしゃいとわたしを招く。カフェの突き当りの建物が、その四合院であったらしい。入口を入ると、何かいろいろびっくりした。

何だここはー!
板張りの床、天井を見上げると温室みたいな作りになっている。足元に橋のかかった小川が作られており、その横には縦長の鳥かごに入った白い小鳥たちが。仏壇の中には、見たこともないちょっと怖い顔をした像が入っている。「ブッダよ」といったけど、こんな怖いブッダは見たことがない。マダムはいろいろな部屋の扉を開けて中を見せてくれる。この部屋は、さっき見せてくれた麻生さんとの会食に使われていた部屋じゃないかっ。壁には、福田さんとの会食時の写真も飾ってある。
別の部屋には、何か王様とかエラい人が座るような王座みたいなイスが。ウワー。アホなわたしは、「すごいー! すごーい!」を連呼する。だってそれしか思いつかないんだもん。 

「ここに福田さんも麻生さんも座ったのよ。あなたも座って!」
「ええええーーー!いいんですかぁあああ」

まさか麻生さんも、自分が座った数時間後に、日本からやってきたさすらいの超・庶民(無職)が座ることになるとは思わなかっただろうて。いひひひひ。ハーイ座っちゃいましたよぉ~。
部屋の中にある高そうで歴史ありそうな調度品に感動しながら、しっかりと四合院見学をさせてもらったわたし。
いやあ、ハンコ待ちの間にフラリと立ち寄ったカフェでこんないい思いができるとはまさか思わなかった。思わぬ所で思わぬ経験ができるのは、旅の楽しいところだな。
最後にマダムと自己紹介をしあう。遅すぎる。
名刺をいただいたので、後日日本に戻ってから、そこに書かれていた電話番号をもとにネットで住所を調べ、マダムに写真とお礼状などを送ってみたが果たして無事に届いているだろうか…。

そして、何だかいい出会いを果たした後に、ハンコを受け取りに行く。
ハンコはすでにできあがっていて、きれいな箱に入っていた。仕上がりも素晴らしい。これ、絶対手掘りだよね…こんな細い線、どうやって彫るんだ…。


マダムカフェにて…。




元・福田総理との会食時の写真。ここに映っているのは福田夫人のようだ。


ここで会食をしたわけだね。フムフム


総理たちが座ったという椅子…ちゃっかり座らせてもらった。




天井もナンかスゴいね。


四合院の中。中央の黒い影はシャイなわたし。


【6日目-2】 ドアなしトイレでこんにちは

2011-08-25 | 中国旅行記

腹ごしらえも終わったので、今日の最後の目的地「琉璃廠」へ向かう。

ここは、筆とか墨とかの「書」の道具を売るお店がたくさんあるらしい。ガイドブックで見ると、町並みも渋くて素敵そう。また、ここではオリジナルのハンコを彫ってくれるお店がたくさんあるらしく、母が「お土産にハンコがいい」と言っていたので作ってもらうのだ。

大柵欄街から琉璃廠までは、ちょこっと歩かなくてはならないようだが、地図を見ると道が少しうねうね~っとしているので、わたし、迷わないかしら…と思っていたら案の定道に迷った。
気が付くと、住宅街に迷い込んでいた。これ、絶対、ガイドブックがお勧めしているルートじゃないよね。並ぶ家々がリアルすぎる。ボロボロだし、食堂もぽつぽつあるけど、ここはほんとに大丈夫なんだろうかと心配になっちゃうような店構えだし、もしかしてこういうのが古き良き北京の町並みなのかしらと思う。家の小窓から見える風景とかが、すごくレトロ。
あんまりにもフツーに人々が生活しているので、なかなかシャッターを切れなかった。

そしてこんな、リアル・住宅街の中になぜか公衆トイレがたくさんある。もしかしたらこの辺の家には、トイレがないのかもしれない。そんな公衆トイレにわたし、入ってみた。

そして…出会った。噂のヤツに。

出たっ、ニーハオトイレ!

ドアがないっ!ドアがっ。

突然に出会いに、わたし、ひるんだ。
街中のトイレがあんまりにも普通だったので、油断してた。トイレの中、並ぶ仕切り、ドアはなし。お隣さんとの隔たりがないということで挨拶もできちゃう通称ニーハオトイレ。ここのは壁がついているから半分ニーハオだ。

入口入って三列目の仕切りの中で、おばちゃんがしゃがんで用を足していた。おばちゃんと目が合う。目があった以上、引き返すわけにはいくまい。わたしは素知らぬフリ、慣れてますよ的なフリをしておばちゃんの前を颯爽と通り過ぎ、一番奥の仕切りの中に入った。咄嗟に、一番奥ならだれにも見られまいと思ったからだ。トイレはボットン式で水洗もできるようになっているが、流し忘れのものもある。誰かが残した黒っぽいお土産がデデンと便器の中に鎮座ましましておわせられる。おお、神よ。ちゃんと流してよ。勘弁してよ。

さぁ、勢いで仕切りの中に入ったが、どうする、わたし。
よし、せっかく中国に来たんだ、中国の文化というやつを肌で感じてやるぅううーーー

意を決するわたし。だけど、まず、ドアがないので荷物をかける場所がない。わたしは肩掛けバックが万が一にも床につくことのないよう、膝の上にしっかり乗せてしゃがんだ。向きはこっち(外向き)でいいんだよね、おばちゃんもそうしてたから。それになぜだろう、前を見られるよりお尻を見られるほうが何か情けないような気がする。用を足す。紙がない。バックの中からティッシュペーパーを慎重に取り出す。立ち上がり、水洗レバーを足で踏み、仕切りから出る。
…あああ~、できたーっ。何か少し大人になった気がする! 

ニーハオトイレといっても、壁があるから思ったよりもそんなに恥ずかしくない(と思う)。
そして意外に開放的でいいなと思っている自分がいた。
隠すから、恥ずかしいんだ! 最初から隠すものではないと思えば羞恥心なんて湧かないんだ! と思ったがこれは小だからまだイケたけど、これが大だったら? 大は大でもゴロゴロピーの大だったら? ああ、やっぱりダメだ、大をするにはわたしにはまだ人生の経験値が足りません(何を悩んでいるんだ)。


これがウワサの半ニーハオトイレ。
思ったよりキレイと思われるかもしれないが、これはほんとにキレイなほうだ。

さて、トイレはすんだものの、まだ道迷い中のわたし。
しかしそんな方向音痴なわたしには強い味方がいる。その名も方位磁石。アメリカ旅でもお世話になった。海外旅行では必ずバックの中に忍ばせておくわたしの頼れる旅の友だ。

磁石を見ながら方角を修正しつつ、テケテケと歩き続けると、やがて大きな通りに出た。そして地図と磁石を見ながらまたも微調整。あーめんどくさい。何故わたしはこうも方向音痴なのだろう。

そしてたどり着いた琉璃廠。
ガイドブックの通り、書店や書に関するお店がずらーりと並ぶ、インテリ&アンティークな雰囲気むんむんのストリートだ。ステキ。ただ、わたし、書をやらないので興味に欠けるといえば欠ける。まぁ、雰囲気を楽しむということで…。
書店の中などは冷房が効いていてほんとに涼しい。わたしはまたも、用もなくお店の中に入り、冷房に当たっていた。外はほんとに暑い。湿気がないだけ良いといえばよいのだけけども、首など触ってみると、大丈夫かしらと思うくらい熱々になっている。

外は木漏れ日が美しい。売店でアイスキャンデーを買う。CMでやっていた、「奇彩旋」という二色のブロックが6つ連なっている変わったアイス、2元(26円)。黄色の部分がマンゴーで、緑の部分が青マンゴー(?)よく分からないけど、炎天下の中で食べるアイスキャンデーはとっても美味しかった。


そうか、暑い時はアイスでクールダウンすればいいんだ…と今更ながら悟った瞬間。


街中にハンコを作ってくれるお店はたくさんあるのだけれども、わたしとしては日本語が通じないとニッチもサッチもいかない。
ガイドブックに紹介されていた店に入ったものの、店員もわたしに無関心で、ナニをどう伝えていいのか分からない。ハンコの原料の石が並べられている場所に立ってアピールしてみるも、反応なし。ダミダコリャ。

仕方なく外に出て、どうしようかなーとプラプラ歩いていると、琉璃廠入口近くに、「すぐできます」とか何とか日本語で書かれたビラの貼ってある店を発見。すっごい小さいお店。だけど、こんなことが書いてあるということは、日本人観光客も相手にしているということで、日本人が入っていっても注文できるということなんだろう。よしよし。
お店にはいってみると、店員のお姉さんが一人座っているきり、まわりはハンコの材料の石がぎっしり並べられており、スペース狭し。お姉さんに作ってくださいと言うと、すぐに分かってもらえ、まずは石選び。石はピンキリだ。まぁ、そんなに本格的なものじゃなくてもいいはずなので、一番安い石は? と聞いてみると、少し緑かがった乳白色の石を指さし、これが安いと言う。安いとはいえ、頭には細かい模様が立体的に彫られていて、これで一番安いの? と思うくらい。値段は篆刻料込で60元(780円)。時間は30分ほど。日本語と筆談とを織り交ぜながらお姉さんとあれこれ相談し、書体なども決めて、お会計をして店を出る。お姉さんも石を持ってお店を出ていく。どうやら彫師は別の場所にいるようだ。
さて、出来栄えはどんなもんだろうか。楽しみだなぁ。


本屋さん前にて。お坊さんが居眠り中。


ズームイン!
それにしても映画みたいなコスチューム。カッコいいなぁ。


琉璃廠入口付近。


あー、いいなぁいいなぁ。
平和な光景だなぁ。


【6日目-1】 前門~大柵欄街(&炸醤麺)

2011-08-19 | 中国旅行記

おはようチャイナ。
昨晩の雷雨は強烈だった。夜になると、また雨が降り出して、それが激しいのなんのって。窓に雨が打ち付けられ、カーテンを引いた窓の隙間から、雷光がピカッピカッと漏れてくる。夜中になると、ホテルの近くに止めてある車の警報装置が突然鳴り出し、しかもそれは延々と鳴り続け…騒がしい夜だった。
そして朝になれば、今度は道路を走る車のクラクションのけたたましい音で目が覚める。バス停の音声アナウンスが大きな声でバスが来たことを告げている。ほんと、騒がしい街だな(笑)。
外は晴天、そして今日も暑くなりそうだ…。
テレビをつけると、昨日の豪雨で水浸しになっているどこかの町が映し出された。そのままチャンネルホッピングをしていると、ああっ、あれは!
テレビに映し出されるのは、養殖場で育てられる無数のサソリちゃんたち。あれは、王府井の「王府井小吃街」で串刺しになっていたサソリちゃんたちじゃないの! そうか、砂漠から取ってきたんじゃなくて、養殖されてたんだね。養殖場では、プラスチックの四角い桶の中に、紙の卵ケースがいくつも重ねられ、そこに小さなサソリがうじゃうじゃしている。あー、気持ちワル…。何かを含ませたスポンジのようなものを与えると、サソリがそこに吸い付いている。あれがエサ?

今日の朝食は、ホテル横にあったベーカリーにしてみようかと行ってみるが、イートインスペースがない、というかあるにはあるんだけど、荷物が乗っけられていたりして座れるのかどうか分からない。なのでまた今日もマックカフェ。今日はラテとラズベリーマフィンだ。ああ、落ち着く…。BGMはレディーガガ。「バッドロマンス」がなぜかエンドレスで流れている。店員の趣味か?

本日の予定は「前門」~「大柵欄街」~「琉璃廠」のオールドチャイナ歩け歩けコース。北京の観光地を着実にクリアしていく。毎日歩きっぱなし。こんな生活をずーっと続けてたらスリムになること確実だ。

まずは、本日のスタート地点の「前門」へ。
地下鉄で「前門駅」へ行く。北京は地下鉄で行ける範囲にいろいろ観光名所があるのは素晴らしいと思う。
「前門」は入口からして観光地っぽくていい。


前門入口。

通りには路面電車が走り、立ち並ぶお店はみんな落ち着いた前門テイストで統一されている。
スターバックスも、ユニクロも、前門風。


スターバックス。スターは分かるがバックスは何なんだコレ。


ユニクロ。がんばってるなぁ。


が、工事中のお店も多い。通りにはまだ時間が早かったせいか人も少な目で活気はあまりなかった。
H&Mを発見すると、わたしは俄然ショッピングモードになる。セフォラ(おフランスからやってきたコスメショップ)もある。お茶屋さんや、お土産屋さん、服屋…。
お土産屋さんでは店員さんに声をかけられるのが多少うざったい。
何だろうな~コレ、と興味本位で立ち止まってしまうと、すぐに商売熱心な店員さんにつかまり、アレやコレやと勧められ、商品を箱から出され、試着されられ、何だか断りづらい雰囲気になり、お洒落でもカッコ良くもなさそうな商品(この場合、何通りもの結び方ができるスカーフ)が、ひょっとしたらコレ、イケてるんじゃないかと思い込み始め、お土産にいいかもしれないと思い、では一つだけと店員さんに言うも店員さんは一つだけじゃあ満足しない。さらに熱心に二つ目を勧めてくるが、単価も高いことだし一つで十分と100元札を店員さんに渡すも、お釣りを持ってこない。そして二つ買えばちょうど100元だからとおっしゃるのだよこの店員さんは。くそう、やられた…。
仕方なく二つ目を探すがなかなか気に入る柄がなく、ひょっとしたら見方によっては素敵に見えるかもしれないという錯覚に陥るまで時間をかけ、やっとのことで二つ目のスカーフを購入した。そんな二つのスカーフは母に差し上げたが、果たして奴ら(スカーフ)の出番はくるのだろうか。
そんな苦い思い出はさておき、スカーフ以外にも何かいい中国土産はあるかしらと店内を歩いてみるけど、売ってあるものはどこも同じようなもので、石の腕輪とか、パンダグッズとか、時計やネックレスとか、THE・中国土産! ってかんじなんだけど、わたしの知り合いにはあまり喜ばれなさそうな感じ…。


そんな前門だが、ちょっと路地を入ると庶民派の食堂や土産物屋がワーッと現れて、メイン通りより賑やかになる。こっちの方がいい…。
そしてそんな路地を歩いて行くと、「大柵欄街」がある。前門が作られたオールドチャイナであるのに対し、こちらはマジモンのオールドチャイナ。中国最古の商店街らしい。町並みも、おおーチャイナーなかんじ(何ていい加減な説明)。ふと、顔に、体に水しぶきがかかる。地面に水が跳ね返っている。見上げると、三階建ての建物の壁伝いに走る配管が壊れ、そこから大量の水が降ってきている。顔にかかった…どうか汚い水じゃありませんように…。


大柵欄街。


こういうお店は惹かれる。けど買うには少々勇気がいる。




いやぁ~何か中国ってかんじだなぁ。ステキ。

こうして大柵欄街の散策も終わり、出口に出た。ここからは「瑠璃廟」に向かうわけだけど、その前にランチタイム。門を出てすぐの食堂で呼び込みをしていたので、そこに入った。わたしのお目当ては「北京ジャージャー麺」。北京名物らしい。
オープンな入口近くの席に座る。テーブルにはパッキングされて「消毒済」と書かれた小皿・湯呑、蓮華などのセットが無造作に置いてある。これ、使っていいんだろうか。でもパックに「1元」と書かれているのが気になる。使ったら有料なの?


店内。わたしの背後は通りに面していて壁なしのサワヤカ仕様。


今回は食べたいものが決まっていたので、注文もスムーズ。すぐに、ジャージャー麺が運ばれてきた。



ウドンみたいな麺に、甘味のない肉味噌、キュウリ、もやしの芽、セロリ、あと赤い大根のようなもの。これを混ぜ混ぜして食べる。美味しかったけど、もうちょっと肉味噌に甘味がある方が好みだなぁ。
お水もお茶も出てこないので、持参のペットボトルのお茶を堂々とテーブルの上に出して飲んでいたが、中国では店内持ち込みOKなんだろうか。注意もされなかった。いや、こんな心の広い(?)国なんだもの、持ち込みくらいでガタガタ言うとはとうてい思えないよ…。


【5日目-2】 南鑼鼓巷

2011-08-11 | 中国旅行記

腹ごしらえも終わったので、お散歩再開。

やっとのことで后海ゾーンが終わり、その向こうには新たに西海ゾーンが続くのだけれども、ここで引き返すことに。
后海をぐるっと回る形で、銀錠橋まで戻る。戻ったところで、さらに少し北に戻り、西に歩いていく。すると今度は南鑼鼓巷(なんらここう)にたどりつく。
ここには北京の古き良き町並みを改装したショップやカフェが連なるストリートがある。そこを歩いているだけでも十分楽しいけれど、その道を左に入ったり右に入ったりしても、東綿花胡同とか黒胡麻胡同とかいろいな胡同があり、なかなか面白い所だと思う。体力が残っていればの話だけれども…。



什刹海(じゅうさつかい)で炎天下のもとさんざん歩き回ったせいで、わたしの体力は0に近い。
これは…アレかな、万里の長城のほうがラクかもしれないね…。
美味しそうなチュロスとか、三角焼きとかのお店があるんだけど、暑すぎて食べる気がしない。よく冷えたペットボトルの水を買っては、頬や首筋にあてて冷却。ストリートの左右には胡同がたくさんあるのに、疲れすぎて道をそれる気力がない。
時折雑貨屋さんに入ってみるも、それは雑貨を見るためではなくクーラーに当たるためだ。店内の一番涼しい場所に立ち、商品を見るフリして冷風にあたる。一つの商品を手に取ったまま、ピクリともせずに立ち尽くしているので店員はさぞや怪しげに思ったことだろう。お願い、そっとしておいてください(涙)。

そうして雑貨屋(冷房)サーフィンを続け、わたしはようやく「沙漏珈琲(さろうコーヒー)」にたどり着いた。
カフェならここって決めてたんだよね…。
るるぶによれば、ここは内モンゴル出身の兄弟が経営するカフェだそうだ。だからといってヒツジやヤクのミルクが出てくるわけではない。普通のカフェだ。何がいいって、雰囲気がいい。ふるーい小さな建物で、内装も、よくよく見てみればちっともキレイじゃない。壁のペンキははがれてるし、障子紙はビリビリにはがれてるし、植木鉢の花も木も枯れているし、あちこち手を加えてある部分も、すっごい適当というか、時が立ちすぎているというのか、とにかくボロボロだ。なのに不思議と、それがものすごく良い味を出している。
薄暗い店内に流れるジャズ。騒がしい外の世界から切り離されて、全く別の時間が流れているような店内で、わたしはレモンジュースを頼み、それがあんまりにも酸っぱいので目が飛び出るかと思った。
そして発見。中国では、コールドドリンクに氷が入ってこない! 
中国ではって言いきっちゃっていいのか分からないけど、とりあえずわたしが中国滞在中に飲んだコールドドリンクは、氷は入っていなかった。冷蔵庫で冷やしただけ。でもこれ、考えてみれば氷のせいでジュースの量が減ることもないし、お腹を冷やしすぎないし、いいのかも。それにしても酸っぱかった。グラスに水で少しうすめたレモンの絞り汁が入っていて、横に別でシロップが付いてくる。まぁ、さんざん日に当たったからビタミンCの良い補給にはなったかな…。


入口。


店内。写真よりももうちょっと薄暗く、もっとずっと落ち着く空間。

南鑼鼓巷(なんらここう)では、母へのお土産に日傘を購入。
北京の女性、帽子派よりも日傘派のほうが多い。そして日傘ショップでは、派手に刺繍された日傘がたくさん売っていた。これがまた美しい。リンリンも、結婚式の日の義母への贈り物にこの派手な刺繍の日傘を買っていたので、わたしも母へのお土産にこの派手な日傘を買うことに。そこは日傘だけでなくきれいな布地も売っており、店員さんもお上品。たくさんの種類の日傘を広げて並べてくれ、わたしがアレかな、イヤやっぱりこっちがいいかな…と迷いまくっていても嫌な顔ひとつせずに次から次へと傘を広げてくれる。そこで緑ベースの花柄の刺繍がたっぷり入った日傘を購入。258元(3354円)。普段2ケタの数字で過ごしている身にとっては立派に高い。でも餞別もいただいてるのでケチケチしてはいけない。



南鑼鼓巷のホテル。いい感じー!

さて、歩き疲れ果てたので、そろそろホテルに戻ろう。
帰りは豪勢にタクシーに乗ることに。中国初タクシー。
乗り方はこれも簡単。歩道から大胆に道路へと歩み出て、手を上げてアピールすればOK! タクシーは結構たくさん走っているので、無問題です。言葉はもちろん分からないので、ホテルカードを見せれば良い。言葉が分からないのを知っていながらも、運転手さんはアレコレと聞いてくるが、笑顔でウンウンとうなずいていれば何とかなる(いい加減だな)。
そして難なくホテルに到着…。でも良かったな、初タクシーの運転手さんが明るくて良い人で…。
タクシー料金はというと、たった10元(130円)だ。まぁホテルからそんなに離れていなかったので初乗り料金でいけたというのもあるけれど、でも空港から市内でも1300円くらいで行けちゃうんだから、よほどの節約旅でない限り、タクシーはバンバン使っちゃって良いと思う。そういえば瀋陽でトウさんが最後にアドバイスをくれたが、その内容が「タクシーでなく、地下鉄を使うこと。タクシーは外国人だと分かるとわざと遠回りしたりするから」だった。だから、きっと、そういう悪い人もいるんだろう。タクシー運転手さんの顔をパッと見て、いい人と悪い人の区別なんてつけられっこないから、運なんだろうな。

ホテルに戻って、シャワーを浴びて汗を流したら、しばしお昼寝タイム。

お昼寝をはさんだので、体力回復!
王府井の街へ繰り出す。ホテルが繁華街に近いと、ほんとうに便利だ。

街をブラブラしていると、空が暗くなってきた。洋服屋に入ってウィンドウショッピングをし、外に出ようとすると、店員さんが「雨が降ってきたよ」みたいなことを言う。いつの間にか、空は真っ暗。王府井の歩行者天国を歩いていた人々が、一斉に店の軒下に避難する。ものすごいドシャ降り。そして、何よりカミナリがすごい。地響きさせながら、ドカーン! ドカーーーン! と鳴る。まるで、 

「オレは・すごく・怒って・いる!!!!」

と言っているかのように、ドガーーーーーーン! とくる。コワーっ。

そんなコワいお天気は放っておいて、わたしは晩御飯タイムだ。
わたしとしては、この王府井でぜひともブルース・リーの中華ファーストフード店「真功夫」を見つけたい。
そして、あちこちのショッピングモールに入っては「真功夫」を探し回る。
ないぞー、ここもない、あそこもない、ないの? 王府井にはないの真功夫? そんなのさみしすぎるじゃん…。リンリンの結婚式も終わった今、わたしの中国滞在の目的は「真功夫で食べる」ことなのに…(言い過ぎ)。
あんまり真剣に探しすぎて、歩き疲れたのと空腹がピークになったので、結局今夜の晩御飯はこれになった。



吉野家! 
北京ではどこにでも当たりまえのように出没する吉野家だ。
レジ前で、掲げられているメニューを見上げる。わたしとしては、お肉と野菜を摂りたい。というわけで、牛丼並にサラダとドリンクがついたセットメニュー26元(338円)を注文。ドリンクは選べず、自動的にコーラがついてくる。アメリカ人か?
味は良かった! 多分日本と同じ。吉野家にあんまり頻繁に行くわけではないから自信はないけど。お肉自体の味が多少違うかな…という程度。でもそのお肉の量は日本より多いのでは? と思う。油を多量に使った料理の多そうな中国にあって、吉野家はかなりヘルシーな部類に入るのでは。でも、あの吉野家特製ふりかけがないのは少々残念であった。そして中国の吉野家では、日本のようにカウンター席ではなく全部がテーブル席なので、女性一人でも入りやすかった。まぁ、カウンターでも入るんだけどね、旅に出たら「女ひとりで吉牛なんで恥ずかC!」なんて言ってられないもの。

しかしショックだったのは、吉野家の入っていた「東方新天地」の食堂街に「真功夫」を見つけてしまったことだ。…あったのかあああー! すごい悔しい。

夕食前、外は雷雨で荒れまくっていたが、東方新天地の建物から出るときに、何か違和感が。アレッ? 今何時だっけ? と思わず時計を見た。あのすごい雨が一瞬あがり、空の黒さが消えていた…のだが、青空なのだ。青空に、白い雲がかかっている。まるで昼間。時計では夜の7:30なのに…。
時間が戻ってしまったかのようで、すごく変な気分になった。
それでも8時を過ぎると、辺りは暗くなる。夜になると、あちこちの空で紫や緑の小さな光が飛んでいる。路上で、発光するゴムロケットのおもちゃを売っているのだ。瀋陽でも見た。オレンジ色の安っぽいロケットのおしりが蛍光色に光り、それをゴムで引っ張って空に飛ばすのだ。これがまた、よく飛ぶ。夜空に垂直に小さな光がポーンポーンと空高く飛んでいくのを遠くから見ていると、何か夏だなぁ、と平和的な気分になる。売っているお兄ちゃんのところに近づいてみると、やり方を丁寧に教えてくれる。1つ5元(65円)。値切ってみると、3元(39円)にまで下がったので、一つ買った。

ホテルに戻ると、バスルームのお掃除がしていなかった。やれやれ。
見ると、トイレットペーパーも補充がされておらず、切れている。仕方ないなぁ…。ドライヤーを借りられるか聞いてみるついでに、フロントに降りていく。
瀋陽から北京に来る前に、リンリンに使いそうな言葉(ドライヤーありますか? 窓のある部屋にしてください、両替をしてくださいetc)を、メモ帳に書いてもらったので、ドライヤーは難なく借りられることとなった。トイレットペーパーの補充もお願いして、部屋に戻る。その途中でフロントから連絡をもらったと思われる、ドライヤーとトイレットペーパーを抱えたメイドさんと鉢合わせしたので、それらを受け取って、部屋に戻った。相変わらず、シャワーを使うのは難しかった。


【5日目-1】 什刹海(じゅうさつかい)

2011-08-03 | 中国旅行記

北京二日目。

今日からは北京の色んなところをガンガン観光するぞー! と張り切るわたし。
テレビを見ながらノンビリ支度して、まずは朝ご飯。
ホテルから出て左へ歩いてすぐに、マクドナルドがある。昨日駅からホテルに行くまでの道中見つけた。ホテル横の通りには、何だかいろいろな飲食店があり、使えそう。
そのマクドナルド、マックカフェが併設されており、外観も内装もお洒落。すっごく落ち着く。店舗に入ってすぐ右側にマックカフェの小さなカウンター、店舗の奥に普通のマクドナルドがあるのだ。
マックカフェのお兄さんにアメリカンコーヒーを入れてもらう。ちゃんと研修を受けてるんだろうなぁ。とっても応対がいいのだ。
レジ横のケースには、マフィンやケーキ、正方形のお餅のケーキがある。わたしはバナナマフィンを一つもらって、席につく。コーヒーが10元(130円)でマフィンが12元(156円)。店員のお兄さんは若くて英語が通じるので非常に楽だ。朝はここで決まりだ~。

今日の予定は、什刹海(じゅうさつかい)という湖周辺のお散歩。
そのあとは「南鑼鼓巷(なんらここう)」という胡同(フートン、北京の古き良き町並み)のお散歩。今日は歩くぞー!

まずは、什刹海(じゅうさつかい)という必殺技みたいな名前の名所へレッツゴー。

地下鉄「鼓楼大街」から南へ下る。暑い…。北京は真夏だよ。
駅から什刹海へは少し離れているのだけれど、その道中もまわりの景色がなかなか素敵で退屈しない。しかしあんまり暑くて死にそうになるので、途中の売店でおなじみ「美汁源の橙汁(オレンジジュース)」を買い、水分補給しながら歩く。


中国らしい建物を見ながら、南へ。


1kmくらい歩いただろうか、吉野家があり(中国で吉野家は相当頑張っている)、そこを右に行くと「煙袋斜街」という狭くくねくねっとした道があり、そこでは古い素敵な町並みと、色んな雑貨屋さんが楽しめる。
手作り手帳を売るお店では、思わずお土産を大量買いしてしまった。すごく重い。今から長い距離を歩くことになるのに、私というヤツは…。
骨董品屋、エスニック雑貨、カフェなどもある。一軒一軒出たり入ったり…。と、一軒のお店で何やらトラブル発生か。店外で外国人観光客が困った顔をしている。店内では、店主らしきおじさん、おばあさん、そして謎の若い女が大げんかの真っ最中。謎の女、おばあさんの手からお金の入った箱を無理やり奪おうとして、お金がそこらに散らばる。おじさんが怒鳴って謎の女を店から追い出す。謎の女、この二人と全くの他人というわけでもなさそうなんだけど(従業員?家族?)、何か、この外国人観光客のお釣りを巡ってトラブルになったらしいことは分かった(観察しすぎ)。それにしてもケンカの原因はよく分からないが、おじさんは外に出てきてまで女を怒鳴りつけ、追っ払う。あちこちの店から何だナンダと顔が出てくる。いやあ、すごい迫力。もともと迫力のある中国語で喧嘩をすると、勢いに拍車がかかって怖さ倍増だ。


これまた中国らしい風景が楽しめる煙袋斜街。スッテキィ~

そんな煙袋斜街から出ると、目の前にはランドマークである銀錠橋が現れる…はずなんだけど、ないな。まさかと思うけど、あの思いっきり工事している橋が銀錠橋だったり…した。よりによって今工事ー! 
仕方ない。さて、そして目の前には湖が。これが什刹海。
昔は一つの大きな湖で、運河の終点として800年前に作られたらしい。
今目の前にあるのは銀錠橋から左側が前海、右側が后海だ。后海の向こうには西海がある。この三つのつながった大きな湖周辺の柳の道をぐるーっとまわっていくのが什刹海お散歩コースだ。



暑いけど、景色はどこまでもゆったりしていて、気持ちがいい。
上半身裸で釣りをしているおじさんたちもいる。犬を放し飼いで散歩している人も。カモに餌をやっている赤ちゃん連れのおばちゃんもいる。
湖沿いにはずっと柳が植えられていて、見た目がとっても涼しげ(暑いけど)。
湖側と反対に目を向ければ、昔なからの胡同が立ち並んでいて、そっちも良い。二人乗りの貸し自転車がある。人力車の大行列が横を通り過ぎていく。

そうしてぶーらぶらぶーらぶら散歩して、1km以上歩いたところで、わたしは地図を注意深く見る。
このあたりに、北京小吃(B級グルメ)の食べられるフードコート「九門小吃」があるのだ。見逃せまい。
しかしそれは、ほんっとに見逃しそうな所にあった。



もっと大きく看板を出せばいいのに、案内は写真右側にわずかに見える看板、コレだけ。
この狭い路地をずーっと入っていき、時折やってくる荷台付き自転車(勢いを止めない)に轢かれそうになりながら進んでいくと、あったー! 
どうしてこんな目立たないところに…。と思うような立地、店構え。

入口の門をくぐると、建物の中には10以上の小さな小吃のお店が並んでいる。
ここでの食べ方は、プリペイドカード式。まず、カード売り場に行き、カードを購入。適当にお金を払って、その金額をチャージしてもらう(帰る時にカードを出せば残った金額を戻してくれます)。
そして、トレーを持って各お店を回り、好きなものを指さしてカードから金額を引いてもらえばOK。簡単だー! お店も、小龍包からお肉、モツ煮込み、デザートまでさまざま。
トレーを持ったままぐるぐるぐるぐる歩いて吟味して、蒸籠で蒸した包子(小龍包)、デザートはチーズプリンを注文。小包は19元(247円)、チーズプリンは8元(104円)でごわした。
小包は注文してから蒸してくれるので少し待つけれど、アツアツで中から肉汁がブワッと出てくるヤツは最高に美味しかった。何でもこのお店は「老北京伝統小吃協会」会員のお店らしい。だから味はお墨付きってか。
チーズプリンは、ガイドブックに載っていて美味しそうだなーと思っていたお店の支店みたい。このチーズプリン、だい酪魏という老舗の名物らしく、宮廷でも食べられていたんだとか。宮廷ではずいぶん洒落たものを食べていたんだなぁ。
味は、ほんのりチーズ味、甘すぎず、美味しい! と言いたいところだけど、絶対これ、作るの失敗している。ガイドブックで見ると「弾力たっぷりむっちりチーズプリン」と書いてあるのに、これはぼそぼそっとして全然なめらかじゃない。ムッチリムチムチのプリンが食べたかった…。上に乗っている小豆もボソッとしている。全体的にボソッとしたプリンでした。


これはほんとに美味しい。包子。


ぼそぼそチーズプリンと、プリペイドカード。