<高台学会>

高台の鑑賞と研究 

事例 四十五

2008-02-27 15:57:11 | Weblog
黒高麗碗なりのぐい呑みであります、かなりの稀なものであります ( H コレ)。 高台畳付きに五つの目跡、高台内をクルクルと渦巻き状の削り跡、高台全体の印象は静かな強さといいましょうか、おとなしい中にきりりとした厳格さが見て取れます。
 さて、この事例集では高台の画像を通して普段ではなかなか日のあたらぬ高台達を観察するというのが主旨であります。ただそのため陶磁器の全体像を見て取れぬのが物足りないのはたしかであります(どんな優れた陶磁器でもひっくり返して高台周辺だけを事例として撮影)、実際「全部見せろ」「けちけちするな」といった苦情がしばしば届くことがあります。そのような意見ももっともですが、「裏返して見る」ということを通じ、裏返すという行為、ひいてはひっくり返してものを見るということそのものが当学会の旗指物であります。よろしく願います。 
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事例 四十四

2008-02-26 16:45:41 | Weblog
黒高麗茶碗です、非常に珍しい碗なりの器型です( H コレ)。
 釉が総掛かりとなり削り目などは鑑賞できませんが、古くより使い込まれ年季が入り高台の様子が「気品ある侘び」といった風情を呈しております。
 肉体は経年変化で確かに古びますが(これを老人といいます)、人品高き人は高潔な心のまま、あるいは一層その人柄に磨きがかかります。高台にも格があり、格高き高台は使い込まれ年季が入りますと一層その高台柄(人柄というものがあるのですから)が研ぎすまされ高台力が高まってまいります。
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事例 四十三

2008-02-19 14:58:09 | Weblog
伝世の堅手茶碗です( H 氏コレ)。 息をのむ高台といいましょうか、これは圧巻であります。たいがいの高台は二度三度と見慣れてきますと「はっ」とはしなくなりますが、このお方は別口物件であります。何度でも見るたびに息をのむです。慣れる→何度も経験することで当たり前に思う、ことがないのであります、夕日にいつも感動するようなことに似ております。露胎した高台は火色でこげ、削り目も速度感十分です、力強い雰囲気と品格の高さが互いに作用し合っております。
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