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死に関する長いフィルム

2008年03月23日 21時07分17秒 | CINEMA
本年度アカデミー賞最多4部門に輝いた「ノーカントリー」、
早速公開初日に鑑賞。
監督はジョエル&イーサン・コーエン、
原作はコーマック・マッカーシーの「血と暴力の国」。

コレは前売特典のコインケース。


これ、観た直後よりも時間をおいてジワジワ来る作品です。
ワタクシ彼等の作品特に「ファーゴ」が大好きなんですが、
今作は彼等特有のユーモアセンスが意図的に排除されています。
劇中はBGMらしいBGMすら無い。
あるのは荒涼と広がる景色と風の音。

ひょんな事から麻薬取引の現金を持ち逃げした男が、
それを取り返す為に雇われた殺し屋に執拗に追われる物語。

なんと言ってもスペイン人俳優
ハビエル・バルデム演じる殺し屋シガー。
アメナーバルの傑作「海を飛ぶ夢」でも
ノミネートは果たしていましたが、
今作で待望の助演男優賞を受賞。
ほとんど天災のような彼の圧倒的な死のイメージが
この作品全体を覆っています。

観に行った日比谷には、ハビエル・バルデムのサインが。

大金を持ち逃げしてシガーに執拗に追われるモスには、
最近良く見るジョシュ・ブローリン。
角ばった顔付きはニック・ノルティを連想させます。
余談ですが今度のターミネーター役は彼らしいですね。

そしてもう一人、
モスを追うベル保安官にトミー・リー・ジョーンズ。
彼は今作の語り部たる役どころを担っています。

シガーが追う道中には死体の山、山、山。
傷を自分で治療する様もストイックかつ作業的。
ウディ・ハレルソン演じるカーソンなんて
鳴り物入りで登場するもあっさり退場(笑)。
シガーを誰よりも良く知ってるような口ぶりだったが。

ラストの夢の話は最初良くわかりませんでしたが、
パンフレットを読んで納得。
展開自体はかなり原作に忠実らしいですね。
観客の想像力に委ねるシーンが多かったので、
語り合うにはうってつけの作品です。

いやもっかい観たくなってきた(笑)。

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2 コメント

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Unknown (ほぼ浅野忠信)
2008-03-24 01:11:58
見ました。テンポもよく面白いです。音楽もなしにあのプシュって音で人が死んでいくのはわたしの心臓にはつらかったです。
面白いのですがわたしの頭では理解できないことがたくさんあったのも事実。何であんな目立つとこにカバン捨てちゃうの?何でカバン見つけたのに拾わないの?
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Re:ほぼ浅野忠信さん (めいぐると)
2008-03-24 22:40:06
コメントありがとうございます!!

思わず原作読みたくなりますよね。
原作も心理描写は全く無く、出来事のみが描かれているみたいです。

ただのサスペンス映画としても十分に観れますが、
人間の死と運命をテーマにしており考えれば考えるほど深い作品です。

疑問点ですが、おそらく検問の脇の草原は意外に盲点だったのではないかと。あの場所は柵の上に登らないと見えなかったんじゃないでしょうか。そしてカーソンは自分が苦労しなくてもいずれモスが助言通りカバンを持って来るんじゃないかと思ってたんじゃないでしょうか。かなり自信家だったようですし。
こんな答えしか出ませんが・・・。
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