ボヘミアン・ラプソディ

ポン・ジュノ監督の最新作はなんとヒューマン・ドラマ!!
という触れ込みの「母なる証明」です。
出演にはキム・ヘジャ、ウォンビン。


貧しい家庭に母ひとり子ひとりで暮らす親子。
息子は若干知能障害があり母親があれこれと世話をやいている。
ある日女子高生殺人事件が起き、息子は容疑者として逮捕されてしまう。
残された母親は息子の無実を証明するために奔走するが・・・。

親子という切っても切れない絆を深くえぐった作品。
まず冒頭、野原に佇む母親の姿にハッとさせられます。
次の瞬間、BGMに合わせて踊り出す!!
このシーンだけで完全にヤラレましたね。

ふと思い返すとポン・ジュノ作品にはよく社会的不適合者が出てくる。
「殺人の追憶」の最初の容疑者しかり、「グエムル」での父親しかり。
今回のトジュンもそう。
トジュンの障害には理由があるのだが、
それが明かされるシーンは思わず身震いしてしまう。

たった一人で真相を追う母親は遂に事件現場にいた人物を突き止める。
ここからの緊張感たるや!!

後半あるツボの話が何度も繰り返し出てきます。
それが伏線でもありラストシーンへと繋がっていきます。

重厚な語り口は健在。
サスペンスとしてもドラマとしても一級品。
見応えのある作品です。