石垣の段々畑。
しかも、石灰岩質の、白い石垣。
この石垣の段々畑で、みかん作りをしながら、地区を守ってきている、普通の農家さんたち。
観光用でもなく、ただ、耕して作物を作るためだけに、人々はこの石垣を守っています。
先月、東京の大学院生が、この地区の研究のために、長い間滞在し、研究調査をしておりました。私も、いろいろとアンケートなどに答えたり、話が出来ました。少しでも、研究の参考にしてもらえたら、うれしいです。
さて、この大学院生から知らされたのですが、ここ狩浜は、文化庁が文化的景観として研究調査をしている、調査地として選定されています。まだ認定を受けておりませんが、全国の中から、いくつか選抜された中に入っております。
なお、文化的景観には、宇和島の遊子の段々畑が認定を受けております。主に芋などを植えていますが、どちらかと言うと、芋作りが地域の主産業にはなっているわけではないので、狩浜のように、主産業であるみかん作りが今でも大きく支えているような景観は、全国的にも大変珍しいのだそうです。
ところで、この石垣は、人が築いたわけですが、その石垣の作り方は、ブックマークでおなじみの、「神奈アトリエ日記3」さんに、とても詳しく掲載されています。今年の夏にお会いした、タマリンこと、大内さんが手作業で作り上げた、素晴らしい石垣です。この機会に、ぜひご覧くださいませ。
気候がカンキツに合っているのでしょうが、石垣をここまでされた先人たちのご苦労は、そしてその後も維持管理でしょう。
みかんの生産量は、今、過剰気味といわれております。
大不作だった一昨年くらいが、適正だとも言われております。
なので、このような急斜面でみかんを作るのは、とても割に合わないという見方も出来ます。
しかしながら、有機栽培、農薬不使用栽培のみかんは、市場ではごくわずかしか出回っておりません。
食の安全が大きく叫ばれているのに、生産量が圧倒的に少なく、供給が行き届いていないのが現状のようです。
私たちは、安全なみかんをお届けするだけでなく、美しい石垣を守り、訪れる人に感動を与え、緑濃きいのちの山と、青き海を守っています。