今日はSOMPO美術館の『モンドリアン展 純粋な絵画を求めて』に行ってきました。
初期から風景画を書いていたことは『美の20世紀』などの本で知っていましたが、実際に見れてよかったです。
風景画は印象派的な作風なのですが、その頃から既に、色の配置やオブジェクトの置き方といった構成に着目して、いろいろ工夫している様子が窺えますね。
それが後の作風に繋がっているようにも思えました……まあ、後付け的な感想かもしれませんが。
風景画では、『夕暮の風車』があんまりモンドリアンらしくない感じですが好きな作品でした。
雲の垂れ込める空を背景に、見上げるような構図の風車がシルエットとして描かれている、という絵です。
このシルエットとして描かれた風車が、一つの塊として眼に飛び込んでくるとインパクトがあっていいですね。
他の風景画と比べてもちょっと雰囲気が違うように感じました。
モンドリアン以外の作品だと、ハンス・リヒターの『色のオーケストレーション』が私の好みでした。
ハンス・リヒターは『リズム21』などの実験映像でも知られています。
その『リズム21』なんかと同じような、音楽を感じさせるところがこの絵にもありますね。
なんとなく、ヨゼフ・ミューラー=ブロックマンを連想しました。
単純な規則性で色を並べているのではなく、赤とか青とか緑とか、色の性格や個性が見えてくるところが好き。
リズミカルな気持ちよさがあって、見ていて楽しい絵だなと。
リートフェルトの椅子も展示されていました。
(実際、技術的にどうかは別として)外見的には単純な構造なのですが、その単純さと、鮮やかな色の組み合わせがほんとうに好きです。
いいなー座ってみたいなー、とか思っていたんですが、3階のフォトスペースに座れるものがありました。
ただそちらは耐荷重40kgなので座れなかったんですが。大きさ的にも完全に子供用です。
同じ場所にあるジグザグチェアのほうは80kgまでOKだったので座ってきました。
ちょっと気恥ずかしかったのですぐ立っちゃったんですが、座っていて楽しかったです。
座っていたのはごく短時間だったんですが、思っていたよりは座り心地も悪くなさそう……
まあ、何時間も座っていたりしたらお尻が痛いでしょうけども。
後年のコンポジションについても、各年代で進化の過程のようなものがありました。
改めて、あの単純な構造も実験の積み重ねの成果なんだなあと。
解説文付きで見てみると、同じように見えても、作品ごとに個性というか、コンセプトの違いも感じられるようでした。