MY LIFE AS A DOG

ワイングラスの向こうに人生が見える

戦後史の正体

2013年05月26日 23時51分13秒 | 読書
孫崎氏は元外務省情報局長であり、私の高校の先輩でもある。

最近、ときどき彼の顔をメディアで見かけるが、彼の発言内容には、個人的に共感 できる部分がかなり多い。

本書「戦後史の正体」は、戦後史をアメリカからの圧力と、それに翻弄される政治家たちという視点から論じたきわめて興味深い書物だ。

とにかく、この本には、背筋が凍るような恐ろしい話がたくさん書いてあるのである。

日本にはそもそも戦後、自主外交なるものがほとんどといってよいほど存在していなかった。

自主外交路線を打ち出した首相は、またたく間にアメリカの意向を忖度した日本の政治家、官僚、マスコミたちによって、悉く政権の座から引きずり降ろされた。中には田中角栄のようにアメリカが直接動いた例もあった。

吉田茂、中曽根康弘、小泉純一郎など対米追従型の首相はいずれも長期に首相の座にとどまることができ、
対米自立路線を打ち出した、鳩山一郎、石橋湛山、芦田均、田中角栄、細川護煕、鳩山由紀夫などはアメリカから陰に陽に様々な圧力を受けながらいずれも短命政権に終わった。

“アメリカがくしゃみをすると日本が風邪をひく”という話は以前からあるが、これほどまでに日本がアメリカにがっちりと首根っこをおさえられていたとは。。。日本人の一人として、あまりに情けなくてホントに泣きたくなる。

現在、日本はアメリカからの圧力に抗しきれず、TPP参加に向けて突っ走っているように見えるが、日本をこの崩壊の危機から救ってくれる気概のある政治家は誰かいないのだろうか?

最近、ネットなどで孫崎享バッシングを見る機会が多くなった。
これもアメリカの差し金だろうかと疑いたくなる。
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