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三省堂国語辞典の秘密

2017年04月15日 23時58分01秒 | 読書
「三省堂国語辞典の秘密」飯間浩明 著。

おもしろい。辞書の編纂に携わる著者が語る、辞書編集術についての本である。

三浦しをんの「船を編む」を読んだときはそれほど興味をそそられなかったが、この本は面白かった。

三省堂国語辞典(略して「三国」)第7版の出版を記念して、「三国」をPRする目的で書かれた、いわば宣伝のための本なのであるが、

侮るなかれ。目から鱗の話が目白押しなのだ。

まず驚いたのは「的を得る」や「汚名挽回」は誤用ではないという記載だ。

今まで、的は射るもので、汚名は返上するものと思い込んでいたが、

ちゃんと過去の文献に先例があって、“得る”には“うまくとらえる”という意味があり、“挽回”には“好ましくない状態になったものを元の良き状態にもどす”という意味あるのだそうな。

したがって、「的を得る」や「汚名挽回」はどちらも間違いではなくて、「三国」には明確に「誤用ではない」と説明されているそうである。

思わず「うーむ。。なるほど~」と唸ってしまった。

他にも「全然あり」とか「全然かわいい」のような“全然”の使い方も“全然あり”であるとか、

「足をすくわれる」も「足下(あしもと)をすくわれる」もどちらも間違いではないとか、

他にも様々な思わず唸ってしまう日本語ネタが満載なのである。

ってことで、著者の策略にまんまと乗って、「三国」をアマゾンで思わずポチッとしてしまったのは言うまでもない。


追記;ちなみに「未曾有」を「みぞゆう」と読むのは明確な誤りだそうである。失笑。
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