IT屋によるNゲージのススメ

鉄道模型歴1年の新人による初心者向けNゲージ解説ブログです。

併結走行とは?

2021-06-27 19:43:00 | 日記
併結運転、連結運転など呼び方は若干違うこともありますが、ここでは「運転台のある車両同士の連結」を併結走行と呼ぶことにします。

↑223系と225系の併結運転

鉄道ファンにとっては、駅での列車の連結、切り離しはとても興味深いものだと思います。同じ種類の列車同士もあれば、違う種類の列車との連結もあります。
これをNゲージで実現するのも大変ロマンのあることです。

今回はNゲージにおける併結走行の問題点や難しい点を紹介します。


↑近鉄AceとACEの併結

・カプラーが合わない

現実の鉄道で併結走行している車両の多くは、Nゲージで発売される時も併結走行を想定して、運転台側にもカプラーがついていることが多いです。
ならば、それで解決か?と思えば簡単にはいきません。
まず、同じメーカーから販売された併結列車でも、発売された時期でカプラーが異なることが多くあります。そして、もちろん異なるメーカーから発売された車両はカプラー自体も異なっています。
よくあるのは、KATOとTOMIX車両の併結ができないことです。
グリーンマックス車両はTOMIXのカプラーを使用しているので、TOMIX車両との併結は簡単だったりもします。
マイクロエース車両はTOMIXカプラーを使用しているものもありますが、独自のカプラーを使用しているものも多く、やはり併結は難しめです。
カプラーが合わない場合は部品の交換や簡単な加工でうまくいく場合もありますが、初心者向けではないと言えます。


↑681系と683系の併結


・車両間隔が短すぎる

カプラー同士が無事繋がったとしても安心はできません。
併結可能と記載されている車両でも、レイアウトによっては車両同士が干渉し、脱線や停止することがあります。
先頭車両は中間車と異なり、少し出っ張った形状していたり、併結する先頭車両同士が異なると、どうしても車間間隔がうまく釣り合わないことがあります。


↑JRキハ85系と名鉄8500系の併結


・モーターの出力が合わない

これが個人的に一番厄介な問題だと考えています。なんとか連結するところまで行ったとして、2つの列車のモーターの性能差で速度が異なると、それだけで脱線に繋がることが多くあります。
他社間なら仕方ないとも思えますが、同一メーカーで併結を想定しているものでも場合により脱線が発生するのが厄介な点です。


↑脱線しやすいE6とE5(H5)の併結

上記写真の新幹線の例では、実際に東北新幹線・秋田新幹線を走っていて、当然これを買う人なら併結を想定するので、製品も併結できるようになっています。
しかし、この場合は複数の問題点が重なって、非常に脱線しやすいです。

まず、E5がフル規格の新幹線、E6が在来線規格のミニ新幹線という点です。
NゲージでもE5の方が大きくて長く、モーターもパワーを要します。一方のE6は在来線車両と同じ小型で短く、編成も短いのでモーターの負担も少ないです。

この2者が併結運転をすると、明らかにモーターの速度差が生まれます。E5を先頭にした場合、後ろのE6の方が早いので、E5の後尾車が後ろから押される形で脱線します。
ではE6を先頭にした場合、E6の方が早いのでE5を引っ張るような形になりますが、E5の方が重いので、E6の後尾車は前後に引っ張られる形で浮き上がり脱線します。

このように、併結は魅力ある反面、大きなハードルと問題点があることが分かります。


・問題を解消する工夫

KATOやTOMIXの製品では、併結を前提にした車両の場合は、動力車にゴムタイヤがないことがあります。これはゴムタイヤによる摩擦を減らし、併結車両同士の負担を減らす効果が見込まれます。

根本解決にはなりませんが、併結する車両のどちらかにはモーター車を入れない方法もあります。
TOMIXやグリーマックスでは増結という形で、併結する車両側にはモーター車を搭載してないことがあります。
単独での走行は不可能になりますが、圧倒的に脱線は少なくなります。


このように、やや上級者向けでハードルの高い遊び方とはなりますが、その分リアリティや興奮も大きいです。
興味のある方はぜひ試行錯誤をして、併結走行を楽しんでもらいたいです。


KATOの新幹線とR315

2021-06-13 14:20:00 | 日記
KATOの新幹線はカーブ最小通過半径がR315と設定されています。
以前書きましたが、これはTOMIXの新幹線の最小通過半径のR280よりも大きく、複線での行き違いを考慮したものとなっています。

というわけで、当方の新幹線用レイアウトもR315以上を考慮して作っております。



外周の本線はR414とR381なので、かなりのゆとりを持っています。
内側には巨大な新幹線用の車両基地を設ける予定で、レイアウトの北東の直線から車庫への引き込み線を分岐させ、R315のカーブで地上に降りてくるプランでした。

ところが、意外な問題が発生しました。
念のため新幹線が勾配に引っ掛からずに地上に降りられるか、実験を行った時に、予想もしていなかったトラブルが起きました。

地上へひっかかりなく降りられることは分かりましたが、試験用に使用した、マイクロエースの0系新幹線2両の車体が、高架カーブの内壁に接触していたのです。
接触の度合いは大きくないものの、音を聴くと僅かに車体が擦れる音がしていました。
ちなみに、マイクロエースの新幹線の最小通過半径はR280と言われていますので、R315は全く問題がないはずです。ただ、高架線の単線となると、狭い幅となるので、必ずしも最小通過半径が保証されるとは限らないのかもしれません。

そこで、緊急でKATOの500系新幹線と、TOMIXのN700系新幹線でも実験を行いました。

まず、KATOの500系新幹線は問題なく走行できました。元々車体が丸っぽく、やや小型なので問題は無さそうでしたが、車体側面と高架壁の間隔はそれほど余裕が無いように見えました。とは言え、少しスピードが出ていても問題は無さそうです。

次にTOMIXのN700系(九州新幹線)を走行させました。結論から言うと問題は「無いように見える」でした。
と言うのも、フロントノーズと側面が接触ギリギリで、擦れ音こそしないものの、見た目には接触してるようにも見え、精神的には良くない感じがしました。

今回は実験できていませんが、KATOのN700Aもおそらく、TOMIXのN700同様にギリギリだと思われます。
ただ、KATOのカタログを見れば分かるのですが、はっきりとN700A新幹線が、高架レールセット(R315)を走行している写真があり、これはKATOとして公式に大丈夫だと言ってる証拠と言えます。

おそらくKATOのR315未満の高架カーブレールだとアウトでしょう。そういう点ではやはり公式スペック通り、KATOレイアウトでの新幹線のレイアウトはR315以上と言えます。
しかしながら、マイクロエースの0系が壁に擦れたのは驚きです。TOMIXのN700もですが、最小通過半径だけでは判定できない要素が色々あるかもしれません。

引き続き検証を続けると共に、高架からの勾配カーブの半径を一つ上げるか、検討したいと思います。


中古やジャンクのNゲージとは?

2021-06-09 17:39:00 | 日記
鉄道模型は「趣味の王様」と言われることがありますが、その名前の高貴さと同じでお金がかかる趣味の代表格でもあります。

そんな鉄道模型のハードルを大きく下げてくれるのが、中古市場と言えましょう。
安く手に入る反面、品質は大丈夫なのか?という疑問も湧くと思います。

そこで、今回は当方が実際に購入した所感や、利点、欠点などを紹介したいと思います。

まず、「中古品」と「ジャンク品」の違いを見ていきましょう。


・中古品とは?

一度人の手に渡った商品で、その中でも状態が良く、お店の保証があるものとなります。稀に一度も開封されていない「新古品」という状態のものもあります。
共通することは、メーカーの初期不良保証は受けられない点です。改造していなければ、通常の有償修理は受けられる場合が多いです。
価格は新品の半額〜8割程度が多いですが、生産終了品や品薄のものは新品より高価なこともあります。

・ジャンク品とは?

一度人の手に渡った商品の中でも、状態が悪く、お店の保証もないものとなります。
基本的には何かしらの問題を抱えている場合が多く、軽度なもので、小さな擦り傷やシールのずれ、重度なもので、モーター故障やカプラーの破損などがあり、大抵の場合は商品に問題の症状が記載されています。
購入は完全に自己責任で、基本的にはメーカーの修理は受けられないか、高額になると考えた方が良いでしょう。
価格は車両のバラ売りなら500円程度からあり、安い物が大半ですが、市場に出回っていないものや、品薄のジャンク品となると、かなりの値段がつく場合もあります。


それでは、その存在意義と問題点、利点を解説します。

・中古品の利点

値段な安さは当然のこと、古い製品など今は新品で手に入りにくい商品も手に入るのが大きな利点です。
鉄道模型は高価かつ生産に手間がかかるので、量産されてる玩具と比べても世に出る数は少なく、新品の発売時に買えるとも限りませんので、中古品の選択肢は避けては通れない道とも言えます。

・中古品の欠点

モーターやカプラーが劣化していることが考えられます。カプラーは簡単に交換できますが、モーターは交換が難しく、価格も少し高くなります。
また、ものによっては分かりにくい傷があって、実際に帰って走らせているときに気づく時もあります。
だいたいの場合は購入するときに目視で点検と動作確認をさせてもらえます。
実際の鉄道車両も汚れているので、もし確認で気づかないかった程度の汚れなら、むしろ鉄道としてはリアルかもしれません。

・ジャンク品の利点

とにかくバラ売りが大半のジャンク品なので、ちょっとした増結や、車庫の片隅に設置する中間車など、追加要素的に使用するのが便利です。
特に増結セットを買う場合に、自宅レイアウトでは増結セットを買うほどに編成は長くできない場合など、ピンポイントで狙った中間車を狙うこともできます。
また、旧製品のカプラーは目当てに適当な車両を買って、カプラーを取り外す用途で使う人も多くいます。

・ジャンク品の欠点

大体が袋詰めで売られていますが、ある程度の状態は自分で判断する必要があります。
特にカプラーは重要です。壊れている場合は別として、カプラーから手持ちの車両と接続可能か判断する必要があります。
また、記載されていない不具合がある場合もあります。車輪が外れてある、車体が外れていることはよくあります。
ある程度自分で分解、修理ができる程度の知識は必要です。


当方もNゲージを始めて1年半ほどですが、最初は簡単なカプラー交換から始めて、車内灯の取り付けや、併結用の部品交換などを経験するうちに、中古やジャンクにも手を出せるようになりました。
今はインターネットで調べさえすれば、自分のしたいことの答えは、必ず誰かが通った道にある場合が多いです。
初心者からのステップアップとして、少しマイナーな車両を中古やジャンクで手に入れてみてはいかがでしょうか?

Nゲージ関連で買って良かったもの

2021-06-06 20:27:00 | 日記
Nゲージを始めて1年半程となりますが、その間に購入して良かったものを少しご紹介しようと思います。


・架線柱



価格は安いものの、数が多く、設置が大変なので後回しにされがちですが、有るのと無いのでリアルさが大違いです。
ぜひ初心者さんにこそ取り付けて欲しいものの1つです。

・TOMIXのリレーラー

単純にKATOのリレーラーよりも使いやすいです。特に狭い場所や、直線が短いところではKATOのリレーラーは使い物にならないので、価格も安く、1つだけでも購入して試すことをお勧めします。

・橋上駅舎



これもレイアウトにとてつもなくリアルさを与えてくれる逸品です。都市部では特にこの構造の駅が多いため、素人目にも明らかに本物っぽくなります。KATO、TOMIX共に、旧製品なら安価で売られています。

・ジオラマ用シート(芝生シート)



見た目としてもあるだけで抜群によくなるのですが、テーブルや台を傷つけにくく、Nゲージ車両が脱線して横転した時もクッションになって傷つきにくくなります。
また、ある程度埃を吸収するので、ちょっとした風などでも埃が舞いにくく、レールや車体への付着を減らしてくれます。

・TOMIXのクリーニングカー



Nゲージで一際手間がかかるものと言えばレールの掃除です。手入れを怠ると走行が悪くなり、ライトがチラついたり、最悪走らなくなったりします。
このクリーニングカーは、線路上を走らせるだけで掃除できる優れものです。埃の吸引、レールクリーナーでの清掃を楽しみながら行えます。
なお、自力では走らないので、別途動力車が必要となります。この際、好きな機関車を便乗で買っちゃいましょう!


今回は以上となります。