ハッとマジック

私は今

鳩の世話をしている


飼っているわけではない


今日は


職場でマジックショー的なものがあるので


興味本位で楽屋っぽいとこのぞいてたら



マジシャンが着替えてみえて　


「ちょいとそのハト見といて」と言われたのです


そのマジシャン・・　見たところ




経験豊富なマジシャンです

白髪で

ちょい前傾姿勢

マジシャンなのにシャンとなってない


６０はとうに越えてるね



まさに　ヒデキ還暦！


というわけで


出番までハトと一緒

いわゆるこれがマジシャン用のハトかぁ

手に乗せてみる　かーわーいーいー


てか

　マジシャンさん　間違わないように

一羽一羽に印をつけてるんだ　

それもハトの後頭部に　



思いっきし　色塗られてます

普通　足とかにわっかはめてとかじゃないの？


マジックだけにマジックでってか


なんか　かわいそうというか・・

いいのかこれ



そしたらマジシャンさん


「うーし　時間だ　　ハトを会場に持って行って」


あ、はい


　こうやってですか？



「　バカかきみは！」　

「そんなんでお客さんの横歩いたら　ばれるやないか」


あ、そか　　舞台裏通路なんてないから　


客の横から　舞台に行かなくちゃいけない




「かごごと持って行って　タオルかなんかかぶせて」


あ、はい

言われたとおりにして


マジシャンの後ろを歩き　会場入り


弟子みたい　師匠まってくださいよぉ～



会場の視線は一斉に　師匠


・・・ではなく　私のかご！！



そりゃそうよ　　怪しすぎるわな



今　


「クルックー」って鳴いたら


終わりだな俺　


だから　ハトを刺激しないよう


そーっと歩いてる←ますますあやしぃ


そしたら　師匠　舞台上がっても何か別のマジックの準備やら


いそいそとしてます


私はこの注目されているブツを、


はやく隠したい




私は　離れたところで準備している師匠に


小声で「これどうします？」

って伝えた　そしたら　


「なに？」

聞こえてない



忙しい時の


耳の遠さをみくびってはいけない


「こ・れ・どこに　おくんすか？」


今度はゼスチャーでしました


そしたら　師匠



意味がわかったらしく　


大声で私に



「おー　ハトか　それは　そこの奥に置いといて！」




・・・




ハトって言っちゃた




「あれハト入ってるんやでー」

会場ざわついてます
　

それでもマジックは始まり


出るってバレてるのに　登場するハト



すばらしいよハト　

黙々と仕事をこなす


よく頑張った　すばらしい！




　
わが国のお偉いさんに


このハトたちの


爪の垢を煎じて飲ませてやりたいわ


同じ鳩だけに　　　　　おわり


　　　　　おわり