こんにちは、ぱずー(@deltakou)です!
本日のまったり出張シネマは…
「LA LA LAND
-ラ・ラ・ランド-」
(嬉しい、楽しい、大好きに溢れたストーリー!)
【短く解説!】
今年度アカデミー最有力に偽りなし!さすがデイミアン・チャゼル監督だ!
【まったり点数】
•スカッと!オススメ度【★★★★★】
→上映開始1分から超爽快のミュージカルが開始!もちろん2時間そのままでなく落とす時はきっちり落とす、アゲる時はきっちりアゲるとメリハリが抜群に効いたエモーショナルなストーリー!スカっっとしますよ!
•デートオススメ度【★★★☆☆】
→人間は「音と光で恋に落ちる」と言います。極彩色の衣装や軽快で味わい深いジャズの音色にムードも出来るのでは…⁉︎
しかし、ラストの解釈によってはその後の雰囲気に悪い影響があるかも…?ということで少し低めです。
•ファミリーオススメ度【★★★★☆】
→ここまで夢にまっすぐな映画は稀です。夢を持つ前のお子さんにも是非見せて欲しい!年齢制限がかかるような演出は全く無いので安心ですよ!
•夢追い人オススメ度【★★★★★】
→「夢を追うためには何が必要か。」それをここまで心に響く形で、一直線に伝える映画は中々ありません。
「夢のために何かを犠牲にした人」「夢を見ていた人」「夢を持っている人」「夢をまだ持っていない人」「夢を叶えた人」
そんな「夢」に対して何かを想った経験がある人、必見の映画です。
【あらすじ】
物語はいきなりミュージカルから始まります。
渋滞する高速道路。各々が好きな音楽を聴いている中、一人の女性が「Another day of the sun」を歌い踊り始めます!
すると周りの人々も次々に踊り出しついには…!

トレイラーでも有名なこのシーンになります!このスタートには度肝を抜かれた!
ストーリーの一番最初にトレイラーで有名なシーンを惜しげも無く使う!
「ミッションインポッシブル ローグネイション」もこんなスタートでしたね!
曲が終わりに近づくと皆急いで車に戻っていきます。
そして曲が「ジャンッ!」と終わる瞬間に一斉にドアを閉め日常に戻る。
しかもその瞬間、同時にタイトル「LA LA LAND」がドンっっっっっ!!!!
これはすごい演出!まさに「ララランド」でしたね(ララランドの意味→ハイになる)
そして物語は大衆から二人の主人公へ。
片方はエマ・ストーン演じるミア。
ロサンゼルスのコーヒーショップで働きながら女優を目指しています。
しかしオーディションでは落選続き。
おまけに車はレッカー車に持っていかれ夜の街を歩きます。
そんな時ふと聞こえてくる優しげな曲が。
彼女が曲に誘われてジャズバーへと降りていくと…
一人の男性ピアニストが勝手に自作の曲を弾いたことでクビ宣告をされていました。
その男性こそライアン・ゴズリング演じるセブ。
ジャズを愛するジャズオタク。
女性にはレディーファーストを徹底し、
更にはタップダンスや社交ダンスを踊れ、
更にピアノの腕もあるというこれは絶対モテる系イケメンです。
しかしこの時セブはクビにされた八つ当たりでミアを突き飛ばします。
しかもミアはセブの車に後ろから煽られた事も思い出します。
「最悪の出会い」です。
皆さんご存知の通り、最悪の出会いという事は恋が生まれますね!!(?)
という事で
次に会ったパーティの帰り道にダンスを踊り、
その次にミアのコーヒーショップで会った後はジャズバーでデート。
その次にはミアがボーイフレンドを振って一緒に映画を楽しむ。
とトントン拍子に惹かれあっていきます。
そして二人は映画に出てきた天文台でプラネタリウムデート。初めてのキスを交わします。
しかし順調に思われた二人に暗雲が。
セブの夢は自分でジャズバーの店を開くこと。
ミアの夢は一流の女優になること。
しかし両方、夢が叶いません。
そこでセブは店を開くまでの資金源として自分の嫌いな「先進的な軽ジャズ」のバンドに入ります。
その場しのぎのはずがツアーを組まれるなど夢から遠ざかっていきます。
もちろんミアは「夢を追わなくていいの?」と問いかけます。
セブは上手くいかない苛立ちからミアに当たってしまいます、、
ミアもまた夢に行き詰まっていました。
オーデイションに受からず、セブからのアドバイスで脚本を書くことに力を入れていました。
しかしセブとの喧嘩後に行われたミアが脚本を書いた初舞台は散々な結果になってしまったのです。
更にセブはバンドの写真撮影でミアの元に駆けつけることが出来なかった。
ミアとセブの仲は絶望的になりました。
ロサンゼルスから故郷へと帰るミア。
しかしここで終わらないのがララランド!
ミアの初舞台を見た観客の中に大作映画の監督がいたのです!
監督から連絡をもらいミアに伝えるセブ。
そしてミアは一世一代のオーディションに臨みます。
オーデイションの結果待ちをしながらミアとセブは思い出の天文台で語り合います。
季節は二人が出会った冬から、
恋が芽生えた春、
愛が燃え上がった夏を過ぎ、
秋になっていました。
ミアとセブはお互いの夢のために距離を置くことを決断します。
そして年月は一気に過ぎ5年後の冬。
そこには大スターとなったミアの姿がありました。
人々に顔が知れ渡り、街中にはミアのポスターが大々的に貼られています。
そしてミアの隣には…
セブではない男性が。
二人は夫婦となっており、子供にも恵まれています。
ある日二人は渋滞を避けてとあるバーに入ります。
ミアは扉の前でハッと気付くのです。
その店名はミアが思い出の中の男性にプレゼントした名前であることを。
ジャズバー「セブス」。
もちろんオーナーは…。
5年が経ち、ピアニストから経営者となったセブでした。
舞台から、観客の中に愛する人がいることに気づくセブ。
しかし彼女の隣には男性が。
セブは全てを察します。
そして彼は思い出の曲をおもむろに弾き始めるのです。
彼の脳裏には「とある映像が」思い浮かびます。それはまさに「ララランド」。夢の国でした。
曲が終わり、席を立つミア。
見送るセブはミアと微笑み合い吹っ切れた表情で次の曲を弾き始めるのでした。
【感想】
これほどまでのストーリーをまた作れるなんて!天才かデイミアンチャゼル監督!
まだ30代で「セッション」に引き続きアカデミー賞最有力です。
チャゼル監督は元々プロの音楽家を目指していたそうです。そんな彼が映画好きから転じて監督になり成功した。
そんな監督が本当に撮りたかった作品こそ「ララランド」なのだそう。
(「セッション」はそのための土台づくりだったそうです)
この作品には監督の「音楽に対する夢」が詰め込まれているように感じます。
ジャズオタクであるセブ。
ジャズは「死にゆく音楽」だと不安がるセブ。
そして音楽の夢のために「ひとまずの目標」を立てるセブ。
そんなセブにチャゼル監督が見えたのは偶然ではないと思うのです。
監督の魂が、夢がこもった映画。それこそがララランドなのです。
【夢のために】
一口に夢といっても様々な形があります。
明確な数字の目標がある夢。
途方も無い夢、日常に近い夢。
そして他人のための夢を叶える夢あるかもしれません。
もちろん自分がなりたい職業に就く夢もあります。
そんな夢を叶えるために何が出来るか。
「ララランド」はそれを痛烈に問うてくるストーリーでした。
作中で夢のために、
セブは「いったん夢を諦め回り道をし」
ミアは「夢を叶えるために恋愛を犠牲に」しました。
そして
セブは「夢を叶えたが恋愛は失敗し」
ミアは「夢を叶え家庭も持った」
という結果になりました。
だからこそセブはラストシーンで
ミアへのラブソングを弾きながら
「ミアと出会い頭にキスし」
「ミアの初舞台で惜しみない拍手を送り」
「ミアのパリ行きに着いていき」
「ミアと家庭を持つ」
という現実とは真逆の体験を想像し「ララランド」に到達したのです。
印象的なのはその「ララランド」でセブは「夢を叶えられなかった」ことです。
よく見るとパリでセブはジャズバーを開いていません。終始ミアの女優業をサポートしているのです。
つまり「ミアと結ばれるとセブの夢は叶わなかった」。と見ることが出来ます。
ミアとセブは恋しながらも結ばれることは叶わず、
「お互いがお互いを雲の上に引き上げる」存在(some one in the crouds)だったのです。
なんという切ない関係でしょう。
ラストシーンのセブの表情が悲しげだったのも頷けます。
しかしセブの夢は恋愛を犠牲にしたおかげで叶いました。
これもまたセブにとっては、感涙のハッピーエンドなのです。
夢と愛。いつの世も対のテーマにされる二つの感情にここまで真摯に迫った映画は「ララランド」以外に観たことがありません。
ぜひ、ぜひ劇場の大スクリーンでお楽しみください!
それではまったり宅シネマ!
また次回お会いしましょうヽ(´▽`)/
コメントもぜひお願いします!
語りましょう〜!
本日のまったり出張シネマは…
「LA LA LAND
-ラ・ラ・ランド-」

【短く解説!】
今年度アカデミー最有力に偽りなし!さすがデイミアン・チャゼル監督だ!
【まったり点数】
•スカッと!オススメ度【★★★★★】
→上映開始1分から超爽快のミュージカルが開始!もちろん2時間そのままでなく落とす時はきっちり落とす、アゲる時はきっちりアゲるとメリハリが抜群に効いたエモーショナルなストーリー!スカっっとしますよ!
•デートオススメ度【★★★☆☆】
→人間は「音と光で恋に落ちる」と言います。極彩色の衣装や軽快で味わい深いジャズの音色にムードも出来るのでは…⁉︎
しかし、ラストの解釈によってはその後の雰囲気に悪い影響があるかも…?ということで少し低めです。
•ファミリーオススメ度【★★★★☆】
→ここまで夢にまっすぐな映画は稀です。夢を持つ前のお子さんにも是非見せて欲しい!年齢制限がかかるような演出は全く無いので安心ですよ!
•夢追い人オススメ度【★★★★★】
→「夢を追うためには何が必要か。」それをここまで心に響く形で、一直線に伝える映画は中々ありません。
「夢のために何かを犠牲にした人」「夢を見ていた人」「夢を持っている人」「夢をまだ持っていない人」「夢を叶えた人」
そんな「夢」に対して何かを想った経験がある人、必見の映画です。
【あらすじ】
物語はいきなりミュージカルから始まります。
渋滞する高速道路。各々が好きな音楽を聴いている中、一人の女性が「Another day of the sun」を歌い踊り始めます!
すると周りの人々も次々に踊り出しついには…!

トレイラーでも有名なこのシーンになります!このスタートには度肝を抜かれた!
ストーリーの一番最初にトレイラーで有名なシーンを惜しげも無く使う!
「ミッションインポッシブル ローグネイション」もこんなスタートでしたね!
曲が終わりに近づくと皆急いで車に戻っていきます。
そして曲が「ジャンッ!」と終わる瞬間に一斉にドアを閉め日常に戻る。
しかもその瞬間、同時にタイトル「LA LA LAND」がドンっっっっっ!!!!
これはすごい演出!まさに「ララランド」でしたね(ララランドの意味→ハイになる)
そして物語は大衆から二人の主人公へ。
片方はエマ・ストーン演じるミア。

ロサンゼルスのコーヒーショップで働きながら女優を目指しています。
しかしオーディションでは落選続き。
おまけに車はレッカー車に持っていかれ夜の街を歩きます。
そんな時ふと聞こえてくる優しげな曲が。
彼女が曲に誘われてジャズバーへと降りていくと…
一人の男性ピアニストが勝手に自作の曲を弾いたことでクビ宣告をされていました。
その男性こそライアン・ゴズリング演じるセブ。

ジャズを愛するジャズオタク。
女性にはレディーファーストを徹底し、
更にはタップダンスや社交ダンスを踊れ、
更にピアノの腕もあるというこれは絶対モテる系イケメンです。
しかしこの時セブはクビにされた八つ当たりでミアを突き飛ばします。
しかもミアはセブの車に後ろから煽られた事も思い出します。
「最悪の出会い」です。
皆さんご存知の通り、最悪の出会いという事は恋が生まれますね!!(?)
という事で
次に会ったパーティの帰り道にダンスを踊り、
その次にミアのコーヒーショップで会った後はジャズバーでデート。
その次にはミアがボーイフレンドを振って一緒に映画を楽しむ。
とトントン拍子に惹かれあっていきます。
そして二人は映画に出てきた天文台でプラネタリウムデート。初めてのキスを交わします。
しかし順調に思われた二人に暗雲が。
セブの夢は自分でジャズバーの店を開くこと。
ミアの夢は一流の女優になること。
しかし両方、夢が叶いません。
そこでセブは店を開くまでの資金源として自分の嫌いな「先進的な軽ジャズ」のバンドに入ります。
その場しのぎのはずがツアーを組まれるなど夢から遠ざかっていきます。
もちろんミアは「夢を追わなくていいの?」と問いかけます。
セブは上手くいかない苛立ちからミアに当たってしまいます、、
ミアもまた夢に行き詰まっていました。
オーデイションに受からず、セブからのアドバイスで脚本を書くことに力を入れていました。
しかしセブとの喧嘩後に行われたミアが脚本を書いた初舞台は散々な結果になってしまったのです。
更にセブはバンドの写真撮影でミアの元に駆けつけることが出来なかった。
ミアとセブの仲は絶望的になりました。
ロサンゼルスから故郷へと帰るミア。
しかしここで終わらないのがララランド!
ミアの初舞台を見た観客の中に大作映画の監督がいたのです!
監督から連絡をもらいミアに伝えるセブ。
そしてミアは一世一代のオーディションに臨みます。
オーデイションの結果待ちをしながらミアとセブは思い出の天文台で語り合います。
季節は二人が出会った冬から、
恋が芽生えた春、
愛が燃え上がった夏を過ぎ、
秋になっていました。
ミアとセブはお互いの夢のために距離を置くことを決断します。
そして年月は一気に過ぎ5年後の冬。
そこには大スターとなったミアの姿がありました。
人々に顔が知れ渡り、街中にはミアのポスターが大々的に貼られています。
そしてミアの隣には…
セブではない男性が。
二人は夫婦となっており、子供にも恵まれています。
ある日二人は渋滞を避けてとあるバーに入ります。
ミアは扉の前でハッと気付くのです。
その店名はミアが思い出の中の男性にプレゼントした名前であることを。
ジャズバー「セブス」。
もちろんオーナーは…。
5年が経ち、ピアニストから経営者となったセブでした。
舞台から、観客の中に愛する人がいることに気づくセブ。
しかし彼女の隣には男性が。
セブは全てを察します。
そして彼は思い出の曲をおもむろに弾き始めるのです。
彼の脳裏には「とある映像が」思い浮かびます。それはまさに「ララランド」。夢の国でした。
曲が終わり、席を立つミア。
見送るセブはミアと微笑み合い吹っ切れた表情で次の曲を弾き始めるのでした。
【感想】
これほどまでのストーリーをまた作れるなんて!天才かデイミアンチャゼル監督!
まだ30代で「セッション」に引き続きアカデミー賞最有力です。
チャゼル監督は元々プロの音楽家を目指していたそうです。そんな彼が映画好きから転じて監督になり成功した。
そんな監督が本当に撮りたかった作品こそ「ララランド」なのだそう。
(「セッション」はそのための土台づくりだったそうです)
この作品には監督の「音楽に対する夢」が詰め込まれているように感じます。
ジャズオタクであるセブ。
ジャズは「死にゆく音楽」だと不安がるセブ。
そして音楽の夢のために「ひとまずの目標」を立てるセブ。
そんなセブにチャゼル監督が見えたのは偶然ではないと思うのです。
監督の魂が、夢がこもった映画。それこそがララランドなのです。
【夢のために】
一口に夢といっても様々な形があります。
明確な数字の目標がある夢。
途方も無い夢、日常に近い夢。
そして他人のための夢を叶える夢あるかもしれません。
もちろん自分がなりたい職業に就く夢もあります。
そんな夢を叶えるために何が出来るか。
「ララランド」はそれを痛烈に問うてくるストーリーでした。
作中で夢のために、
セブは「いったん夢を諦め回り道をし」
ミアは「夢を叶えるために恋愛を犠牲に」しました。
そして
セブは「夢を叶えたが恋愛は失敗し」
ミアは「夢を叶え家庭も持った」
という結果になりました。
だからこそセブはラストシーンで
ミアへのラブソングを弾きながら
「ミアと出会い頭にキスし」
「ミアの初舞台で惜しみない拍手を送り」
「ミアのパリ行きに着いていき」
「ミアと家庭を持つ」
という現実とは真逆の体験を想像し「ララランド」に到達したのです。
印象的なのはその「ララランド」でセブは「夢を叶えられなかった」ことです。
よく見るとパリでセブはジャズバーを開いていません。終始ミアの女優業をサポートしているのです。
つまり「ミアと結ばれるとセブの夢は叶わなかった」。と見ることが出来ます。
ミアとセブは恋しながらも結ばれることは叶わず、
「お互いがお互いを雲の上に引き上げる」存在(some one in the crouds)だったのです。
なんという切ない関係でしょう。
ラストシーンのセブの表情が悲しげだったのも頷けます。
しかしセブの夢は恋愛を犠牲にしたおかげで叶いました。
これもまたセブにとっては、感涙のハッピーエンドなのです。
夢と愛。いつの世も対のテーマにされる二つの感情にここまで真摯に迫った映画は「ララランド」以外に観たことがありません。
ぜひ、ぜひ劇場の大スクリーンでお楽しみください!
それではまったり宅シネマ!
また次回お会いしましょうヽ(´▽`)/
コメントもぜひお願いします!
語りましょう〜!
やっぱり最後ね、最後のララランドシーンは深かった。映画でもあそこまで夢のようだけど深いシーンはなかなかみれないよね。
ぱずくんのブログ読みやすくておもしろい!
また次の作品のも待ってるねー!
ラストシーンでいろんな解釈が出来るから凄く深い作品だよね。
楽しみに待ってくれるの嬉しいな…!
次回も楽しい記事にしますよ〜!!
映画を見終わってもちろんいい映画だとは感じたのですが、あの終盤からラストシーンにかけてはどんな意味が込められていたんだろう、と悩んでいたところ、このブログで彼らの事を改めて知る事ができて、また涙が出てきました(笑)
また観に行ってこようと思います。
賑やかなミュージカルの印象的影響を受けて、結果オーライ的に何事でも美談化されがちであるけれども、主人公ミアの最後の転身ぶりは
否定的に見るのが普通の感覚ではないだろうか。
5年の間に何があったか描かれていない為、分からないが(恋愛作品として重要なその部分をカットすることはドラマとしての作品性を喪
失させて欠陥化させるものである。)、もう一人の主人公セバスチャンとの恋愛関係が壊れた訳ではなく、ただお互いの仕事の都合上、離
れ離れとなって遠距離恋愛になったに過ぎないであろう。国際電話もない時代ならばまだしも(それでも手紙はある。)、携帯電話やネッ
トがあって世界中どこでもすぐに連絡が取れる時代の作品である。通信手段的にはそのように恵まれた環境の中で、ミアは恋人にして応援
者であるセバスチャンに対して、恩を仇で返すような人生を選んでいることになる。これではまるで恰も、ミア(もしくは二人)は驚愕的
な仕事中毒者(ないし成功執着者)である(かつての高度経済成長期の日本人がエコノミックアニマルと呼ばれた存在であった以上に…)。
果たして、二人はそのような人間として描かれたのであろうか? やはりストーリー的に可笑しいと感じざるを得ない。
ハリウッドとは、そのような街なのか?とも一瞬勘繰ってみたけれども、制作の是非を検討した制作会社からは中々賛意が得られず、JAZZ
ピアニスト設定や特にラストの展開などを変えるようにとの意見があったと情報が流れているのも当然であろう。その点に関しては、ハー
バード大卒である監督の意向に由来するとされている様子である。(その後、2014年の同監督の映画「セッション」の批評的、興業面での
成功に乗じて、サミット・エンターテインメントなる制作会社が「LA LA LAND」の映画化に同意して推進。)アカデミー賞が作品賞を授与
しなかったのは賢明であったと感ずる次第である。(黒人少年の成長を描いた同作品賞受賞作「ムーンライト」も相当妙な印象ではあるが
…。)尚、2010年頃からシナリオは作られており、愚かしい印象の作品である。と言いたいところであるが、以下の推察が正しければ、的
外れ的とは言え(そもそも設定に無理がある。)、親切心も含まれている様子であり、しかしながら、時流を少し読み誤った作品と評され
るべきかもしれない。
出演役らを取り巻く混沌とした社会情勢や周辺動向が影響して二人が結ばれなかった経緯や責任を隠して、結果オーライ風に無理矢理にこ
じ付けて良しとしてしまおうという安易な逃げ口上的な手伝いをするかのような作品とも言えるのではないだろうか。しかしそれでは、ア
カデミー賞のノミネート対象にすらなるべきではないだろう。過酷な現実の前では、何でもオーケーのストーリーとするならば、最早社会
悪を暗に許容した悪しき賞でしかなくなってしまう。或いは、女性の身勝手さや軽さを現代的な解釈として許容してオブラートに包んだの
だとしても、それでもやはり展開(ないし設定)に無理がある。(女なんてそんなものさ。描かないのが親切。などと言うのであれば、本
来的にはドラマの対象にもならないようなカップルを無理矢理にドラマ映画化して、アカデミー賞にノミネートされるべきであろうか?そ
れを是と美談化出来るであろうか? 答えは否である。その場合は、二人は仲の壊れたカップルと描くべきではないだろうか。偶然(かど
うかは分からないが)ラストシーンで再会した二人が笑顔を交わすのは可笑しくもあるし(ミアが悪女であるのはともかく、セバスチャン
は人が良過ぎであろう。)、そんな二人を色取って見せる作風は可笑しくはないだろうか。少なくとも、私個人の経験ではその手の悪女を
知らないし、作品としての所謂ドンデン返し的な意外性を狙うにしても、説得力や現実性がないと思わざるを得ない。
最近、ハリウッドでも日本の作品を参考とするに留まらず、日本の国内事情を察してそれをネタにして映画化することがある様子であるが
(アバターなどがその例の一つかもしれない模様。)、背景を知った周囲の関係者らが(もっと深い意味があるはずであるも)白けたとさ
れるのも納得が行く。加えて、ニヒルな意向が働いたりもするようであるが、観客が本当に見たいのは、決して揶揄や都合解釈、洗脳など
ではないであろう(許容範囲は苦くとも教訓的な内容迄である)。時代背景や共感出来る後世に誇れるような美しき(或いは強き、楽しき)
精神である。(GAGA配給作品には、あまり良い作品がないかもしれないと再確認した次第である。)
(追記:他の視聴者たちのレビューを見ての感想一部修正。)
>セブは自分の好きなジャズのお店を開いてミアは自作自演の舞台をつくって成功させる。
>これが夢だったはずなのに、セブは生きるために信念を曲げてバント活動をします。
>これが原因となり二人は喧嘩し、ミアはセブと住んでいた家を出ていきます。
>・・・
>出会ったときは同じスタートだったはずなのに、セブの方が先に大人になってしまった。
>ミアの舞台にセブは来ず、数少ない観客に舞台の酷評をされてしまったミアは傷ついて実家へと帰ってしまいます。
>破局した形の二人。
>しかしミアの舞台を観た人の中にミアを評価する人がいて、その人が映画のオーディションにミアを呼ぶためにセブに連絡してきます。
>セブはミアにオーディションを受けるように説得するものの、これ以上傷つきたくないからと断るミア。
>セブは俺が納得できる理由がないならオーディションを受けろと言ってオーディションの日にミアを迎えにきます。
>結果的にミアはオーディションを受け、合格して女優の夢を叶えます。
>
>5年後、ミアはセブではなく他の男性と結婚しており、その夫と食事に入った店で衝撃を受けます。
>なんとそこはセブの開いた店だったのです。
>しかも店名は付き合っていた頃にミアが考えたもの。
>ミアに気づいたセブはミアとの思い出のピアノの曲を弾きます。
>
>ここからがこの映画の全てでした。
>ピアノの曲と共にセブとミアの頭に浮かぶのは理想の夢でした。
>・・・
芸術家にありがちな執着的な拘りぶりが描かれている印象である。しかし、それが原因で喧嘩はともかく家を出て行くまでするだろうか?
その点も芸術家にありがちな嫉妬などの感情が原因であったのであろうか? 世間の目を騒がす位の大成功ならばともかく、よくあるバン
ドの成功程度で生活を共にする(生計も含むであろう)異性の恋人に対して別れる程の激しい嫉妬を起こすとは考え難い。(セブが生きる
ために信念を曲げてバント活動をしていた処に現れたミアは、ノリノリで踊っていたとも? とすると、ミアはジャズへの拘りがあった訳
ではなく、セブの愚痴に腹が立ったのであろうか? しかし、セブ自身が選んだ(寄り)道でもあった訳である。)ともあれ、半ば別れた
かのような形に一見なるも、セブの仲介もあってミアはオーディションを受けて合格して女優になる夢を叶えた。のであるならば、更に加
えて、5年後の展開はストーリー展開的に無理がないだろうか。その時に二人が思い描いた理想の夢が、二人の成功と幸せな結婚であった
のであれば(そのように描かれてもいる)尚更である。レビューで、人生は全てが手に入る程に甘くはない、などと勝手解釈をしている人
もいるが、それ以前に創作物としてのストーリー展開に違和感を感じないのであろうか。(ストーリー重視の人は見ない方がいい。などと
いった辛口のレビューコメントもあり。やはり厳しい意見も少なくなくあるとされている様子である。)
勝手に他人をネタにして多少なりにも揶揄した上で、監督自身らは表彰されて、ネタ元のモデルは傍迷惑極まりない騒ぎとその影響、チェ
ックの為の労力のみを要する。といった悪魔めいた作品内容と結果ではないだろうか(故に内容への配慮は必須なのである。モデル想定が
逆であった場合も然りである)。オマージュと言って、かつての古い映画作品の真似をして古株の老人方への受けを揉み手さながらに狙う
一方で、物真似しているとも言える。(近年作であれば、反発どころでは済まない手法であるが、著作権が切れたような映画を対象として
いる点が頭を使った処であろう。)
また、アカデミー賞での作品賞受賞発表ミスも、実は意図的臭い。(わざわざかつての映画「俺達に明日はない」の主演者らが賞授与者に
選ばれている点も明らかに意図的であろう。)「ムーンライト」に作品賞を授与したアカデミー賞運営側もまた、一抹の善意はあるのかも
しれないが、ただ嫌味なだけでなく相当に腹黒い印象を受ける。(首都や経済都市からは排斥されがちであったユダヤ教徒らの一大拠点と
化している模様であるが、納得なノリである。ムーンライトの内容確認の手間がまた増える次第である。もしもこれが善意である(主とし
てを含む)とするならば、それもまた相当に腹黒い類の善意にしか見えず、自省される必要がある印象である。もしそうでない場合や理由
があるとすれば、そのようにしか出来ない位に反発している勢力が存在する為、以外にはないであろう。
(訂正削除前の内容:いずれにせよ、誠に残念ながら、監督もアカデミー賞も米国他も馬鹿らしくてなるべく積極的には関わり合いたい類
の対象ではなさそうである。映画なんて二度と見るか!と思わせられる位の最悪のインパクトのある作品でした。追記:トリックアートの
ように、ネタ元のモデルを持て遊んでいるかのようでもある。見方によって、作品の持つ意味合いが逆に反転するだけに注意を要する。)
(追記:レンタルないし映画館で視聴した後の感想。は…(後述する。))
>P.S.前回のコメントは文面の折り返しが合っておらず、不完全であったことをお詫びします。しかしながら、不完全な内容であるが故にこれでも良いかと感じました。この映画は良くも悪くも記念碑的な映画として遠からず視聴することになると思います。
実際に観てみると、特に破綻はなくとても良く出来たストーリー内容であると云う風に感じました(これまで散々に批判的なコメントを投稿しておいて今更言うのも何ですが…)。但し、繰り返しじっくりと観たならば、主演の二人が仲違いした際のやり取りやラストの展開には少し疑問を覚えるかもしれません。しかし現実的には、人間は置かれた状況や環境の下で複雑な感情を伴う判断や行動を取っているものなので、逆に成程と云った印象を持つかもしれません。ただ、やはり残念な印象の展開ではあります。
もしもモデルがいたならば、きっと悲恋であったのであろうと。きっと恐らくは国中で一番難しい程の恋であったのでないか?とも推察。
所以に、古典的名作にして最新上映中の映画作品「美女と野獣」(実写版)と併せて視ることをお勧めします。
エマという同じ名前の女優が主演(当初の主演女優オファーは、エマ・ワトソンの方であったとの情報有り)。劇中で象徴的なドレスの色も同じ黄色。脇を固める助演男優(ミュージシャンのJOHN LEGEND氏)は双方に楽曲を提供。上映時期が重なっている。など幾つもの共通点あり。(JOHN氏は、世界一とも評されるR&B分野のソウル歌手であるとか。成程良い味を出しています。音楽もとても素晴らしい。)
最後に一点気になったことを。ハリウッドが米民主党系(寄り)であることを踏まえた上で、この作品が米アカデミー賞の作品賞並びに男優賞を逃した結果を深く胸に刻み込み、その理由を反問しつつ今後の参考とさせて頂きます。Eさんへの深い哀悼の意と共に。