まちるだ File

JAZZライブ、映画、お酒を愛し、そしてなぜかキャラではない”あみあみ”にはまっている私の気楽で呑気な日々の記録。

「死者の書 身毒丸」折口信夫

2006年08月09日 | 読書メモ
8/9 昨日から読み始めて本日読了。



偶然映画を観てこの作品をテーマに卒論を書いていた子がいたのを思い出し、
「そういえばちゃんと読んでなかった」と反省を込めて購入。
(最近よくお邪魔してるgookyさんのブログでリストアップしていただいた
柄谷行人の「必読書150」にも入ってた
し)

旧仮名遣いの独特な文章は、とても読みにくい。
(といいつつ、多分わたしはこういうのが他の人より苦にならないと思う。
 諸事情で。でも諸事情を書くと長くなるので割愛。笑)

さらに時間軸にとらわれない展開と空間の行き来が、読みにくさを助長。
(さらに言うならばもともとこういう構成好きなのでこれまた苦にならず。笑)

が!しかし、この2つの要素が歴史とも神話ともつかない時代の
のっぺりと平面的な世界観を表現するのに一役買っている気がする。

表面上は中国伝来の仏教を取り入れつつも
実際は日本古来の自然神信仰が残っていた時代の感覚が、
歴史教科書を見るよりも、すっと自然に体内に入って来るようだった。

でもこれ、確かに映画を見てないとなかなか理解が難しい。
映画のおかげで数時間で読めたようなもの。
さらに、この作品を自ら卒論に選んだあの子は、なんかスゴイ。
意味なく今頃になって尊敬。笑。
当時の私なんて子供すぎて、興味すらもってなかたし、
もし読んでいても内容なんて全然理解できてなかったハズ。

しかも卒論にしたら……大変そう。笑。

あ!そうそう。びっくりしたこと2つ。
折口信夫と釈迢空が同一人物だったことを、初めて知った。
そして、日本文学を専攻してると、当たり前に使う
「貴種流離譚」というカテゴリーの名付け親が折口氏だということも。

オハズカシイ。


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2 コメント

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Unknown (gooky)
2006-08-11 11:49:42
“貴種流離譚”。日本ブンガク畑にいた者には、なつかしい響きですよね!



なにより、

>さらに時間軸にとらわれない展開と空間の行き来が、読みにくさを助長。

(さらに言うならばもともとこういう構成好きなのでこれまた苦にならず



のところに尊敬!

わたしは読みにくくて読みにくくて、自分の頭の程度を嘆きました…。
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gookyさんへ (matilda)
2006-08-12 00:46:23
gookyさんのところでリストアップされていたので

買ってはいたけど読んでなかったこの本にやっと手がつきました。

きっかけ作っていただいて感謝です。



いや、私も映画を見ていなかったら多分こんなに早くは

読みすすめられなかったと思います。

幸い映画をみたのが最近だったので、深く読み込まなくても

なんとなく先に映像が浮かんできてくれて、それで楽しました。笑。
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