果てしなき独り言

毎日そこはかとなく思う事あり。言葉を紡ぐ職人には遠いけどね。

見つめ返す

2006年04月06日 | 思うこと
あなたと出会った日のことについて話しましょう。ましもです。

あたしが、17インチのこっち側の住人になってどれくらい経ったころでしょうか。
繋がる世界、とは言っても日本のごく一部と繋がってるだけですけど、
それでもあたしにはそれが全てだと思えるほど、
何時間でもその場所から離れられずに居た。そんなある日、あなたは
17インチの向こう側の、嘘や大げさ、作り物や虚像の中にあって
ひときわリアルな口調で話し掛けてきた。
それが、出会いだったと思う。

あなたとの会話に、現実感を感じた一番の理由は
あたし自信が適当にあしらう程度の作り物のましもではなく
実物のあたしの思考回路から、言葉を選び出して話をしようと
そんな気分になったからだったと思う。
それが、あたし自信が虚構に飽きてしまっていたからなのか、
あなたの持つ実力だったのか、今となっては思い出せないのだけど
ただ、嘘はつかなくてもいいんだっていう、
そんな安心感があなたとの会話の居心地のよさの訳のひとつだったと思う。

そんな会話を繰り返して、
「今度会おうか」
っていう話題になるまでに、そんなに時間はかからなかったと思う。
世にいうところのオフ会。
賛否両論ありつつ、17インチより広い世界で会うことの不安、
何よりも、この17インチで印象付いてしまっているだろう
あたしの実像に自信が無かった。
当日が来るまで、どんなにか迷ったことか。
あなたは知らなかっただろうなぁ・・・

今でこそ、WEBカメラなんてものが一家に一台的な存在だけど
そのころはもちろんそんな勇気も無くて、正直不安だった。
待ち合わせの場所に行って、あたしを確認して
そして、げんなりされるかも・・・って。
でも、不思議とその逆は考えていなかった。
なんだか確信があった。

待ち合わせの時間。場所。
周りには他にも人が居るのに、一度も見たことのないあなたの存在を
なぜかすぐに確認できた。
そして、目の前を通り過ぎた後、携帯に電話をする。
何食わぬ顔で、「近くまで来ましたよ」って。
そしたら、あなたもまるであたしを知っていたかのように
すぐ近くに居て、もう分かるからと電話を切った。

声をかけてきたあなたが、そのとおりの人だったから
それを、運命と呼んでしまいたくなる、あたしの気持ちは理解できるだろうか?



それから月日が流れて
もう、ずいぶんあの頃の感覚が薄れてきてしまった。



現実の世界に費やす時間が多くなりすぎて、17インチに向き合う時間が減っている。
また、あんなふうな出会いをって、思えるほど
あたしはパワフルにはなれないけれど
あたしは知っている。
17インチの向こう側に、本当のリアルだってあるんだってこと。
その記憶に、その思い出に、今も勇気をもらっているということ。

出口であり、入り口である。
そんなツールのひとつなんだと、理解できるようになったのはあなたのおかげ。


文字でなければ伝えられないこと。
声のほうが伝わりやすいこと。
そして
会ってみなければ伝わらないこと。

最近ちょっと臆病になって忘れかけていたかも。

最新の画像もっと見る