静岡で21日まで4日間行われたサッカー19歳以下(U19)日本代表候補合宿に、J2東京ヴのMF高木俊幸(18)とMF高木善朗(17)の兄弟が、初めて同じカテゴリーで同時招集された。父は、プロ野球・横浜などで俊足巧打の内野手として活躍した豊さん(51)。三男大輔さん(14)=東京ヴジュニアユース=も含め、兄弟そろって父と同じく俊足を生かしたプレーが持ち味で、将来の日本サッカー界のホープと期待されている。
俊幸、善朗は、ともに幼稚園のころにサッカーを始めた。俊幸は小学校入学後、野球に転向したこともあったが、サッカーを続ける弟に影響され、再びサッカーに。東京ヴの下部組織で育ち、抜群のスピードを生かしたドリブル突破を武器に昨年18歳以下(U18)代表にも選ばれ、今季は東京ヴのトップチームに昇格した。善朗も兄を追うように東京ヴの下部組織に入り、3月にユース所属のままトップチームの試合に出場することのできる2種登録選手となった。 ともにJ2リーグ開幕戦から出場機会を得て、俊幸はほぼ先発に定着、善朗も先発に起用されるなど、チームの主力に育ちつつある。
兄弟での代表入り、しかも父親の存在もあって脚光を浴びる中、俊幸は「注目されているからこそ、パフォーマンスを崩さずにやっていかないといけない」とプレッシャーをバネにする。プロ入りに際して、父からは「プロは自信を持って、どんどん仕掛けていかないといけない。私生活から意識を持って」とアドバイスされたという。「いろいろ言われて少しうるさいなあ、と思ったりもするが、そんなことを言ってくれる父親はあんまりいない。言葉に重みがある」と尊敬する。
U19代表が目指すのは、来年開催される20歳以下(U20)ワールドカップ(W杯)。静岡合宿には、17~19歳の25人が招集され、今後もW杯出場切符と代表入りを懸けての切磋琢磨(せっさたくま)が続く。昨年ナイジェリアであった17歳以下(U17)W杯を経験し、ブラジル戦で得点も記録した善朗は「シュートやドリブルなど、一つ一つのプレーの細かいところで、世界に負けている。修正して次に進まないと」と課題を口にする。
「やるからには、世界で通用する選手になるよう、(弟に)負けないようにやりたい」と俊幸。善朗も思いは同じだ。兄弟で目指すは、あくまで「世界」だ。【中村有花】
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