競馬最強馬列伝

日本競馬史上最強馬どの馬か?
そんな究極の問題をなんとなく書いてみるブログです。

マルゼンスキー8 ~さようなら、マルゼンスキー。語り継ごう、おまえの強さを~

2009-09-12 | 無敗馬列伝
マルゼンスキーの有名な二つのレースについて書いたが、実はこの2レースではなく、私が好きなレースは、マルゼンスキー生涯最後のレースとなる札幌で行われた短距離ステークスである。

トウショウボーイも出走を予定していたレースである。
深管骨瘤が出て回避と言われてはいるが、実際には、マルゼンスキーに恐れをなして、トウショウボーイがこのレースを回避したと言われているものである。

昭和52年7月24日のこのレースこそが、マルゼンスキーの凄さの証であると思っている。

ダートの1200mを1'10"1の日本レコードで駆け抜けたこのレースには色々な意味があった。

マルゼンスキー 短距離ステークス (マルゼンスキー引退レース)


ダートの1200mで、この日本レコード。
2着のヒシスピードにはまたもや大差(10馬身差)の圧勝だったのである。
競馬ファンなら分かると思うが、1200mのレースは3馬身も離したら圧勝と言えるほど距離の無いレース。さらにそれがダートなれば、言うまでも無いであろう・・・。

芝でのスピードは、誰もが認めるところ。
スプリンターではなかったのか・・・と言う疑問には産駆が答えを出してくれた。
不良馬場でもプレストウコウをブッちぎってみせた。
では、ダートは?
ただの早熟馬だったのでは?

と言う疑問を一気に解決してくれるのが、この短距離ステークスであると思う。

そうして、引退前最後のレースが日本レコード。
それも芝では無く、ダートでである。

負けなかったから強い。
そう言ってマルゼンスキーを日本史上最強馬と言う人もいるだろう・・・。
それはその通り。間違いなく、私もそう思う。
それでも、それに対する批判を出す人はいる。

でも、芝もダートも距離も馬場状態も展開も、何一つ関係無かったから強いのであって、だから無敗なのである。

史上最強馬・・・時計で語る人もいるかも知れない。時計だけで言えば、今のG1級の馬と比べれば、決して速い時計では無い。しかし、当時は馬場の整備はおろか、調教コースなどの施設も何も、今とはまるで環境が違ったため、このような話がまかり通るのである。だから、あえて時計論者に筆者は言う。当時、ウッドチップや坂路があったらどうだったのか?馬場の整備が今と同様だったらどうなのか?やはり時代に合わせて、マルゼンスキーは勝っていたに違いない・・・と。

つまり、例えどの時代に、どの距離でどの馬場で、どんなレース展開でも必ず勝っていると言えるであろう馬はマルゼンスキーなのだと言っておこう。

シンボリルドルフを、シンザンを、ディープインパクトを、サイレンススズカを史上最強馬と称えるのは良い。距離を短くすれば、タイキシャトルだ、サクラバクシンオーだと、それも良いだろう・・・

それでも、あえてもう一度言っておきたい。

芝もダートも1000mも、3600mも、雨でも晴れでも、どの土俵に立ってもきっと戦える、そして恐らく勝てるであろう馬は、マルゼンスキーを置いて他にいない、と私は思う。



さようなら、マルゼンスキー
たたえよう、おまえの強さを
語り継ごう、おまえの速さを




これは、昭和53(1978)年1月15日、引退式当日の横断幕に書かれていた文字である。今では伝説となったマルゼンスキー、確かにこの強さは語り継がれている。

(JRAの50周年記念サイトでは、横断幕に書かれていた言葉として「さようなら、マルゼンスキー。語り継ごう、おまえの強さを」となっていましたが、私の記憶では、上記が正しいと思ったので、上記のように記載をさせていただきました。)

年/月/日 競馬場 競走名 距離 騎手 重量 着順 人気/頭数 タイム 馬場 1着馬(2着馬) タイム差
1976/10/09 中山 新馬 芝1200 中野渡 52 1 1/8 1:11.0 (オリオンダーダ) -2.0
10/30 中山 いちょう特別 芝1200 中野渡 52 1 1/9 1:10.5 (シヤダイエツセイ) -1.5
11/21 東京 府中3歳S 芝1600 中野渡 54 1 1/5 1:37.9 (ヒシスピード) ハナ
12/12 中山 朝日杯3歳S 芝1600 中野渡 54 1 1/6 R1:34.4 (ヒシスピード) -2.2
1977/1/22 中京 オープン 芝1600 中野渡 57 1 1/5 1:36.4 (ジヨークイツクリー) -0.4
5/7 東京 オープン 芝1600 中野渡 57 1 1/8 1:36.3 (ロングイチー) -1.2
6/26 中山 日本短波賞 芝1800 中野渡 58 1 1/7 1:51.4 (プレストウコウ) -1.1
7/24 札幌 短距離S ダ1200 中野渡 54 1 1/5 R1:10.1 (ヒシスピード)-1.6


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