
コリー専門マザーレイク犬舎 http://motherlakecollie.sakura.ne.jp/index.html
午前10時過ぎ。
突然、思い立ちました。病院に連れて行こうって。
それまでは、もうこのまま静かに見送ってあげようと思っていたのですが、もしかしたら、脱水が酷くてふらついているのかもしれない、点滴をすれば、少しは楽になるのでは?と、考えたのです。
ジロちゃんはまだ自分で歩けるし、顔つきもしっかりしているし、病院までは寝ているだけだから・・・と、急いで支度をしました。
車の準備ができたところで、歩くのがしんどそうだったジロちゃんを抱きかかえて乗せるつもりで、迎えに行きました。すると、玄関のドアを開けたところで、そこにイネちゃんと一緒に、ジロちゃんが立っていたのです。弱弱しいながらも、尻尾を振って・・・。
「来てくれてありがとう、ジロたん」
そういいながら、そこからジロちゃんを抱きかかえ、車に乗せました。
まさかそれが、立っているジロちゃんの最後の姿になるとは、想像もできずに。
病院までの約50分、時々様子を見ましたが、ジロちゃんは静かに寝ているようでした。到着して順番を待つ間、そのまま車で待機していました。その間も静かに寝ていました。
そして、11時半過ぎでしたか、診察室に呼ばれたので、ジロちゃんを降ろして抱きかかえようとしたのですが。
一旦おろして立たせ、それから抱き上げるつもりでいたのですが、すでにジロちゃんは自力で立てなくなっていました。スタッフさんと二人で、なんとか車から出したところで先生も来てくださり、敷物に乗せた状態で、診察室に運び込みました。
診察台の上で、顔をあげることもままならない状態で寝ていたジロちゃん・・・。意識はありました。体温を測ると、34度ほどしかなく、血圧も低下しているようでした。低体温によるショック状態だと言われました。
やはり脱水が激しいので、点滴を入れてもらいましたが、すでに血圧が低下している状態でしたので、吸収されたかどうかはわかりません。状況を把握するため、血液検査をしたところ、多臓器不全に陥っている状態でした。
血中アンモニア値がものすごく上がっていたので、肝臓の機能は完全に停止していたことがわかりました。おそらく、容態が急変した3日あたりからでしょう。31日の検査ではまだ大丈夫だったので。
アンモニア値が高いことから、アンモニア脳症を起こすかもしれないと言われました。本来、肝臓で無毒化されるはずのアンモニアが血中にあふれ、脳に障害を与えることにより、意識障害や癲癇を引き起こす・・・覚悟をしなくてはなりませんでした。
治療目的というより、今の状態を少しでも楽にしてあげたくて、病院に連れて行ったので、点滴が終わった後、先生とスタッフさんたちにこれまでのお礼を言って、病院を出ました。
帰宅したのは午後1時過ぎたところだったと思います。管理人2号(主人)に手伝ってもらい、車から降ろしました。どこへ寝かせようか、悩みましたけど、最後までみんなと一緒に、お気に入りの場所で過ごさせてやりたいと、リビングのソファに寝かせることにしました。
帰宅した時点では、病院にいた時と同じ状態で、まだ意識はありました。時々、少しだけ顔をあげたりしていました。呼吸は静かで、少しヨダレが出ているほかは、苦しそうな感じはありませんでした。
ゆっくりながらも、呼吸は安定していて、とても静かでした。口はしっかりと閉じたまま、苦しそうな雰囲気はまったくなく、目はパッチリと見開いていました。
最期はきっと、多少なりとも呼吸が苦しくなるだろうし、もしかしたら、アンモニア脳症による癲癇を起こすかもしれない・・・。
できることなら、今のこの状態のまま、そっと息を引き取ってほしい。
そんな思いでいっぱいでした。
他のコリーズは、ソファに横たわっているジロちゃんを気にする様子もなく、普段と変わらず、ドタバタ騒いだりしていました。でも不思議と、ジロちゃんにぶつかったり、飛び越えたりすることはありませんでした。母のイネちゃんが、寝ているジロちゃんの傍らに、時々寄り添っていました。
容態が安定しているようだったので、今夜あたりが山だろうから、今のうちに・・と、早めに入浴することにしました。その間、管理人2号にジロちゃんに付き添っていてもらい、30分ほどで出てきて、その後、コリーズの食事を配り、ヴィー婆に食べさせて、一通り終わったところで交代しました。
「ジロたん、おまたせ、来たよ」
そう言ったと思うのですが、その時、ジロちゃんの表情が、その前よりも穏やかになっているように感じたので、もしかしたら意識が少しはっきりしてきたのかな?・・・と。
こころなしか、目もとが穏やかになっていて、少しだけ、頭が動いたような気がしたのです。
それで、ジロちゃんの前足を握ろうと、掴んだ時でした。
上になっていた右前脚が、まっすぐ伸ばされて硬直していることに気づきました。その瞬間、パーの最後の時のことが頭をよぎりました。パーが息を引き取る直前、前足を握った時、前足がまっすぐ伸ばされた状態で、硬直していたのです。
あわてて、左の前足を見ました。すると、左は曲げたまま、柔らかい状態だったので、ちょっと安心して、続いて後ろ足を確認しようとした、その時です。
左右の後ろ足が、片方ずつ、グーッと伸びました。
大声で2号を呼びました。そして、2号が傍らに来てすぐだったと思うのですが、それまできっちり閉じられていたジロちゃんの口が、フワッと開きました。
「魂を吐き出すかのように」と、よくいわれますが・・・まさに、そんな感じでした。
全てが終わりました。
ジロちゃんの5年8か月の一生が、終わった瞬間でした。
私が戻ってくるのを、待っていてくれたのね・・・ジロちゃん。。。
最後まで、呼吸は乱れることなく、静かで、穏やかなままでした。もがくこともなければ、のけぞることもなく、ただ足が、まっすぐ伸ばされただけ。
おそらく、傍らにいなかったら、全くわからなかったくらい、静かな、静かな最後でした。
生きることが許されない運命なら、せめて最後は穏やかに逝かせてやってほしい
そんな私の、そして、ジロちゃんを想ってくださった皆様の願いが、天に通じたのでしょうか。それだけは、本当にそれだけは、良かったと思います。
5年8か月と6日。
駆け抜けていったジロちゃん。
そしてその名(フェザー)のごとく、羽のように飛んでいきました。
ジロちゃんとオーナーさんはしっかりと繋がっていたんですね。ジロちゃんは気持ちをすべて理解していたんですね。
看病も大変だったのに自分の気持ちをしっかり持ってその時出来ることを全てやり……
オーナーさんとジロちゃんを尊敬します。
その遺伝子を直で受け継いだうめこ、その孫よもぎを、私は全力で守ります。
ジロ母さん空から見守っていてね
なんか支離滅裂ですいません。