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メグノメ

遷延性意識障害の母と紡ぐ日々

くるま、きた…けどね。

2010-01-22 23:12:28 | メグノメ的医療・介護お役立ち情報


写真は、ちゃんと、今日のモノ。
毎年、この近辺で(わたしの知るかぎり)いちばん早く咲く桜。
でも、1月に咲いてたっけ…?
いやはや堂々とした姿なり。

さて、ようやくやってきた、タントスローパー、空色のくるま!
ああ、かわいい。

…けれど、またまた眉間にはしわをよせ、
「う~ん』
なのである。
手放しでよろこべない、複雑な心境。
くるまさんwelcome!! 
って、その瞬間をもっともっとたのしみたかったなあ、
というのが本音。

母のリクライニング車椅子で乗り込むには、
一般の車椅子よりも全長があるため、
普通よりも奥まで乗り入れなければならない。
それには、足元の突起物(車椅子を固定する為のベルトの収納庫?みたいなの)
が妨げとなるため、けっこう苦労してそれを車椅子の前輪で乗り越えて、
奥まで入らなければならない。
購入前に相談をしてきた詳しい方に、
「その突起をはずして、ジャマにならない場所に別の簡易式の固定用ベルトをつけなおすのはカンタン」
という話しを聞いていたため、
んじゃ、車が出来てきたら、すぐに加工に出せばいいね、そしたらカンペキね!と思っていた。

しかーし、そうは問屋がおろさなかった。
加工自体は、カンタンらしい。
問題は、”改造”による、登録だか、保険の関係だか、
そういう手続き面のこと。
こちらはカンタンではないらしく、
今日相談に行った改造業者も、大掛かりになってしまうので、勧めないという。
「乗り降りの時だけ板を置くなどして、
段差を緩やかにする工夫をするくらいしかできないのでは?」とのこと。

…はぁ。
ここに書いていないことも含め、情報が錯綜につぐ錯綜でここまで来て、
車さえ来ればすべてすっきり終わる!と思っていたけど、
いったいなんなんだ、なんなんなんだ、なんなんなんなんだ…と、ぼうぜん。
そのまんま、気持ちのやり場をもとめてレンタルCDやさんにふらっと入り、
とりあえずふらふらしながらCDをあさる。

まあ、何はともあれ手元に車はやってきた。
狭い個室で、青空の下はしりながら、だいすきな音楽をたのしむのは、わるくない。
まあいっか、なんとかなるさ、と、大声で歌いながら、帰路をたどったのでした。
すっきりしたいよ。


補足。
納車が予定よりもさらに遅れたのは、タントの”マイナーチェンジ”のため、とのこと。
このチェンジによって、福祉車両(スローパー)でないタントはCVT車となり、
エコカー減税の対象となったそうだけど、スローパーは馬力が必要なのでCVTにならず、
減税対象とはならないそう。(廃車する場合補助金の対象にはなるけど。)
以前は福祉車両全般がエコカー減税対象にならないとされており、
昨年末にそれが緩和されたところだったが、結局我が家はその恩恵には預かれず。




くるま、くるか? その4

2009-12-19 00:22:21 | メグノメ的医療・介護お役立ち情報


前回”その3”と書いてからもう3ヶ月たつというのに…

まだ、くるま、きてない。

よく見たら、最初に書いたのは、6月ではないですか。
うちは、典型的ひむか人一家である。
でも、じつは、もう決まったのです!

さて、さかのぼって経緯の記録を。

前回、エブリイワゴンが有力という内容を書いたのだが、結局、
足回りがハイゼットなどと同じということが判明。
つまり、貨物車ならではのガタガタ感は同様にあるということで、
一応、中古車店や介護タクシーの事業所など、試乗させてもらえそうな道をさぐってはみたものの、
結局一度も乗らずに、却下することに。

それにしても、スズキは福祉車両だけでなく一般車両も試乗車を置いていないという。
試乗しないことには選べないので、大変こまっていると何度も伝えても、
親身になって方法をさがしてもらえる様子もナシ。
ここまでで父のココロは完全にスズキから離れてしまったため、
スズキのくるまは、候補から消えマシタ。
扱っているモノはよくても、まったく、もったいない。

以下、試乗の記録。

*トヨタ シエンタ 車いす仕様車スロープタイプ*
普通車の中で、わたしたちにとって、最後の可能性のありそうな車。
期待してなかった。
これが!
よかった!
しかも。
セカンドシートを折りたたんで車椅子乗車するタイプ
(2名+車椅子1名、車椅子乗車しない時には5名乗車可)と
セカンドシートがもともとないタイプ(2名+車椅子1名)があるのだが、
これまで見てきた普通車を考えると、
まずタイプでは母のリクライニング車椅子では乗り切らない、
もしくは乗り込めてもリクラインできないだろうと踏んでいた。
ところがどっこい、見せてもらえた車(試乗車はないが、購入済みのものを手配してくれた)は、
タイプだったが、余裕をもって乗り込むことができた!
セカンドシートの格納も、前にスライドさせるだけで特に大きな力もいらないし、
スロープも短かくて傾斜も小さく、操作も簡単で載せやすい。
全体的にムダがないシンプルなつくりだと感じた。

ここへ来て、消しかけていた”普通車”という選択肢が再び父の中で候補に浮上。
はてさて…


その後もう一度、いつもお世話になっている介護タクシー業者が所有している車に試乗させてもらおう、
ということになった。
で、再び、ダイハツタントとマツダAZワゴンに乗せてもらう。
前回、タントはあまりリクラインできないので却下、と判断していたのだが、
乗せ方を工夫して前輪を前のほうまでむりやり入れてしまえば、
しっかりとリクラインすることもできた!
希望が出てきた!

また、この業者さんはスズキワゴンRも所有していたが、
聞けばワゴンRとAZワゴンは、実はまったく同じ車だという。
???でも、ぜんぜん広さもデザインも違うけど?とたずねると、
年式が違うから、という。
年式…
わたしは車事情に疎いので、まったく知らなかったが、
年式が変わると広さもデザインも機能も、かなり変わるようだ。
で、調べると、AZワゴン/ワゴンRの車椅子のためのスペースは、
最新式になると、数字上で見ればタントとあまりかわらないくらいのスペースが十分確保できそう。
実物を試すことができないが、これまで見てきた車両をいろいろ参考にしながら考えてみると、
母の車椅子でも余裕を持って乗れそう。

というわけで、ここまでで
選択肢をシエンタ、タント、AZワゴンにしぼり、
いろいろ迷って迷って、
結局最終的には、タントの内部に少し手を入れて、奥まで乗り入れやすいようにすれば
タントがいちばん適しているんじゃないか、という結論になった。

…ふぅ。
一段落。

と思ったら、今度は中古にするか、新車にするか、とか、
税金のこととか、いろいろいろいろ出てきて、
結局ここまで時間がかかってきたわけで。
しかも、新車の場合、受注生産のため2ヶ月ほど時間を要するとのことで、
実は11月はじめには決めたんだけど、昨日の連絡では、正月にはどうも間に合わないとのこと。
正月には家族みんなで、日南の父の実家に帰れたらいいなあ、
とひそかにたのしみにしていたんだけど…


そうそう、もうひとつ知らなかったこと。
わたしたちが選んだのは、リアシートを取り外せるタイプの車両で、
これだとリアシートを着ければ4人乗りの一般の車両と同じになるため、
5ナンバーとなる。
もうひとつ、もともとリアシートがなくて、常に2名+車椅子1名という
かたちのものは、8ナンバーとなる。
8ナンバーだと、身体障害者のためのくるまであるとして、
自動車税と自動車取得税が減免となる。
5ナンバーだと、ならない。
(別途、身体障害者手帳によって各自治体の別の取り決めで減免になる場合はあるけど。)


なにはともあれ、新しい年がやってきたら、
あたらしいくるまがやってくる!


福祉車両は白とグレーのような限られた色に限定される車種も多い中、
タントは、色の選択の幅が比較的広いのも魅力だった。
どうせなら、いちばん福祉車両っぽくない色がいい!
いちばんおもちゃみたいなヤツがいい!と、
あかるい空のいろにした。




くるま、くるか? その3

2009-09-21 01:40:55 | メグノメ的医療・介護お役立ち情報


あいかわらず、母と乗れるくるまをさがしている。

車椅子のまま乗れる車を、全社、全車、あらいだして
搭載可能な車椅子のサイズ等調べてみると、
普通車は、施設向きのような大きなバンのリフト車以外、
もうほぼ期待できなさそう…
そもそも自家用車として、リクライニング車椅子で乗ることが
想定されていないのだ。
車自体の大きさはそれなりでも、車椅子のためのスペースがなければ
どうしようもない。

唯一、トヨタのシエンタはまだ希望があるか…?という状況。
試乗に関しては、トヨタからの連絡待ち。

というわけで、軽自動車に舵を切って、
あらためて試乗できる車を探す。
これが、なかなかないわけだけど…

記録しておこう。

ダイハツ タントスローパー
いつもお世話になっている介護タクシーの方からのおすすめで、
「広いですよ!」に期待したけれど…
確かにちゃんと乗れたし、ほんのすこしならリクラインできたけど
もうすこし倒せないと、やっぱり走っているうちに頭がぐらぐら。
かわいいし、揺れも少なく、運転しやすいだけに、ざんねん。
それにしても、さいきんの軽は広いなあ!
扉も、前と後ろのドアの間の柱がなく、全部開くので、作業もしやすい。
 
ダイハツ ハイゼットスローパー
こちらはさらに広く、さらに倒すことができた。
けれど、問題は車体自体の揺れ。
聞けば、もとが貨物運搬用の車なので、「板バネ」のためガタガタする。
ちなみに、寒冷地仕様のため、クーラーが前方のみとのこと。
補助席がついているのはうれしい。
”ハイゼット”の、よりデザイン性のあるものが”アトレイ”らしいが、
こちらはターボ付き。よって価格も上がる。ガタガタ具合は同じ。


日産 キューブLVシリーズ チェアキャブ スロープタイプ
日産は試乗車がなかったため(他県ならあるかも)、
これまでに購入した方で、見せてくださる方を紹介して頂けませんか?
と頼んでいたところ、一般のご家庭で購入されたものを見せていただけた。
というわけで、数字から判断するにリクライニング車椅子はムリ、とわかっていたけど、
せっかく手配してくださったし、良い勉強になるので、”キューブ”も試乗。
結果は、やっぱり後ろがはみ出した。
天井も低く、頭がギリギリ。
それと、後方のドアが横開きで、雨の日に屋根のないところでの乗り降りが
大変だろうと予想できる。スロープも車高の割にちょっと長いかな…
ともかく、快く見せていただいて、感謝感謝。

日産 クリッパーLVシリーズ チェアキャブ スロープタイプ
こちらも、施設で購入されたものを見せていただく。
翌日に、同様に三菱ミニキャブを見せてくださる施設が見つかっていたが、
まったく同じ車とのことで、こちらで事足りた。
広さは、今まででダントツ。母の車椅子ならフルに倒すことができた。
補助席もついている。
問題は、ハイゼットと同じくサスペンションの関係で揺れることと、
音も大きく感じた。固定装置がちょっと面倒。
内装も、ちょっと安っぽい。”クリッパーリオ”(三菱なら”タウンボックス”)が、
デザイン性はあるのかもしれない。(未確認)


マツダ AZワゴンi
介護タクシーを利用したら、偶然これだった。
見た目よりも車椅子のための縦のスペースがあり、
まあまあリクラインすることができた。
運転席・助手席のすぐ後ろギリギリのところまで車椅子を入れることができるためかな。
”タント”の場合、運転席・助手席と、車椅子の足下までの間にスペースがある(取り外したリアシート分)
のがもったいなかった。
車体も低く、乗降は楽にできそう。
合格ラインに近づいてきたか…?


スズキ ワゴンR 車椅子移動車
こちらも介護タクシー、社会福祉協議会の移送サービス利用時に乗ることができた。
残念ながらリクラインできず。
車体が低く、乗り降りはしやすい。

スズキ エブリイワゴン 車椅子移動車
スズキは、経費の関係から試乗車はないらしく、また、購入された先を紹介していただくことも
実現しておらず、実は試乗できていない。
だけど、いまのところ、これが本命。
というのも、広島にある福祉車専門店が大変親身になってくださり、
なんとインターネットの中継で、母の車椅子とほぼ同じ大きさのものを実際に乗せてみせくれた。
AZワゴンよりもさらにリクライン可能の様子。サスペンションも、揺れの少ないもの。
これで、実際の乗り心地は、一般のエブリイに試乗することができれば、
だいたいのことはわかるというわけ。
ここの方がとても丁寧に説明をしてくれて、経験上、故障も少なく、いちばんおすすめとのこと。
今なら、ここで中古車がある。
さてさて、どうなりますことやら…


というわけで、各販売店の営業の方たちにもずいぶんお世話になっている。
だけどやはり、福祉車両を長年手がけてきている方は、やっぱりちがうなあ、という印象。
車自体のことのみならず、”福祉車両”が必要な人の事情を言わずとも理解してくださっているので、
ツーカーでいける。
なにがたいせつなのか、のスジが通っているため、頼りがいがある。
人を相手にするプロとはこういうことなのだなあ、と感心。
説明書片手に汗をかきかき、「初めてなんで…」と試行錯誤してくれた
各販売店の営業の方々も、きっと、いつもと違う視点でくるまを見てくださったと思う。
わたしも、みなさんのおかげでたくさん勉強になっている。
実は、今まで、自動車にはまっっっっったく興味がなく、ほしいと思ったこともない。
(今もさほどない。)わたしには、自転車くらいのスピードがちょうどいい。
だけど、上手につきあえば、母と一緒にそとの世界にでていけるし、
自然との出会いや、人との交わり、音楽や、香り…
はばたく翼とはいかなくても、わたしたちは足を得ることができる。
今は、そとの世界となかよくなりたい。


そして、くるまさがしはつづく…



宮崎県医師会館医療情報コーナー

2009-08-21 00:23:04 | メグノメ的医療・介護お役立ち情報


ちょっとは、人サマの役に立つような記事を書いていこうかなあ
と思った。
と言っても、とてもとても少数の人たちにしか役に立たないであろう情報。
さがさないと、あまり出会えない情報。
あまり知られていなくって、わたし自身が経験してきた中で得ることができた情報。
それで、なるべく、「これはイイ!」というようなものを。
そういうのを、ぼちぼち書いていこうと思いマス。

というわけで、手始めに『宮崎県医師会館』の『医療情報コーナー』。
(昨年1月オープン。)

母とのこの3年弱の間に身をもって学んだことのひとつは、
「自分で勉強し、自分で動き、自分で発言し、責任をもたなければ、
 専門家まかせでは自分や自分のたいせつな人の身はまもれない」
ということ。
とにかく手当たり次第、母にあてはまるような情報を漁った。
と言っても、気になる本を全部買う訳にもいかないし、
マニアック(?)なものも多いから図書館になど置いてない。
というわけで、ここの情報コーナーにずいぶんお世話になっている。

医療・介護に関する書籍、雑誌、DVD、パンフレットなどが置いてあって、
貸し出してくれる。
医療・介護に関する…と言っても、わりとジャンルは広くて、
専門的な本から、たとえば食事とか、漢方とか、生活習慣とか
広く健康に関する本があり。
形態も辞典や教育書のようなものから、闘病記、小説、エッセイ、漫画…
なぜか、”食堂かたつむり”や、押切もえの”モデル失格”も置いてあったので、
基準はよくわからない。マイケル・ムーアのDVD”シッコ”も借りられた。

規模は小さいけど、公立の図書館などよりずっと融通を利かせてくれる。
リクエストに応えて取り寄せてくれるのも早い。
しかも、たしか制限冊数は4冊のはずだけど、いつもわたしが7冊、8冊と
読みたい本のリストを見せると、だいたい全部入れてくれて、
期限も長くしてくれたりと、大変たすかっている。
先日は、取り寄せできなかったものがあったらしく、担当のお姉さんが
「申し訳ないけど、そのかわりに…」と
関連した情報が載っているインターネットのサイトまでさがして教えてくれた。
また、県立、市立図書館や、宮大の図書館と連携して、
ない本はそれらから引っ張ってきてくれたりもする。

…といいつつ、最近はぜんぜん本が読めてないけど。
夜中も母の世話をすることが多くて眠りが浅いためか、
本を読み始めたら夢の世界へまっしぐら~。
いや、ほんとうは、もうちょっと時間の使い方とかうまくできれば
余裕もつくれるはずなんだけど。



くるま、くるか? その2

2009-07-16 23:03:29 | メグノメ的医療・介護お役立ち情報


母が乗れる自動車をさがしている。

その後。

今のところ、今父が所有している車を乗り換えるつもりで、
軽ではなく、わたしにも運転しやすいサイズの普通車に一応焦点をしぼっている。

試乗できたのが3台。
そもそも福祉車両の種類が多くなく、それらの試乗車をつかまえるのはここ宮崎ではさらに困難。
しかも、母の場合、意識が遠のいてしまうとがくっと頭が前に垂れるし、覚醒している時でも、自動車の揺れでぐらんぐらんするので、標準的な車いすではなく、リクライニング機能のついた車いすでなければならない。
そこでも制限が出てきてしまう。
どうも、「福祉車両」とはいえ、標準型車いすまでしか仮定されていない場合が多いようなのだ。

というわけで、難航中…

今のところ、宮崎でこれ以上の車に試乗することはできなさそうなので、
だけど試乗しないことには決められないので、車いす持参で福岡まで行くことも考えたりしている。

記録をかねて、状態&感想を。


*トヨタ ポルテ サイドアクセス車*
http://toyota.jp/welcab/porte/s_access/index.html
助手席が外に飛び出て、そのままそのシート自体が離れて車いすにもなる。
専用の車いすに付け替えることも可能。

入り口が大きく開き、内部も広く動きやすい。
ただ、母の場合、やはり普通のシートで座位を保つのが難しい。
頭が、ごろん、と横に転がる。
トヨタの人曰く、車のシートの枕部分というのは、本来よりかかるためでなく
事故のときなどに衝撃を緩和するためのもの。
母のように、頭の支え自体が必要な人には不向きらしい。
一方の専用車いすは、リクライニングできないため、同じく
首の支えが弱い母にとってはつらい。

そもそも、助手席で、車体の横から乗り降りするタイプは、
車体の左側に広くスペースをとれる場所でなければならないため、
普段使いにはやっぱり難しいな、と再認識。


*ホンダ フリード 車いす仕様車*
http://www.honda.co.jp/welfare/lineup/wheelchair/freed/index.html
後部からスロープで車いすごと乗り込むタイプ。

最初に運転席から後部座席を振り返った印象は、
「遠いなあ~」。
仕方ない。5人乗りで、車いすは3列目である。
そして一番の問題は、リクライニング車いすでは
入りきれないということ。
後ろのドアが閉まらない。
車いすの人のための車、ではなく、
標準型の車いすの人もついでにそのまま乗れるよ、
という車なのだろう。

広々していて、サイズ的には「チョウドイイ」んだけど。


*トヨタ ラクティス 車いす仕様スロープタイプ*
http://toyota.jp/welcab/ractis/w_chair_slope/index.html
後部よりスロープで車いすごと乗り込むタイプ。
2列目の座席を倒し(もしくは初めからない)て乗り、
車いすの横にひとつシートがあるため、4人で乗れる。

これまたギリギリリクライニング車いすが入りきらない。
むりやり後部ドアをしめ(実は半ドア)、ようやく父の運転で近所を短距離ドライブ♪
帰宅後、車いす前輪を、たたんである2列目シートに乗り上げてむりやり収納してみるも、固定装置がちゃんと働かないため、安全面で不可。
どうやら車いすか車を改造するしかないようだ。

もうちょっと…というかんじだったけど、今までの中では一番近づいたかなあ。



昔よりもずっといいとは言え、重度障害者、しかも車いすライダーの中でもリクライニングというマイノリティである母にとって、やはり現実はキビシい。
聞けば、リクライニング車いすの人たちとその家族は、新幹線や飛行機といった公共交通機関の利用でも制限が多く、たいへん苦労されているらしい。
福祉の眼は、まだまだ障害者の中のマジョリティまでしかむけられていないというのが現実、なのだろうか。
ちなみに、今話題の”エコカー減税”は、福祉車両には今のところ適用されない。抗議の声が大きく、見直される可能性はありそうだけど。

そんな中、この車さがしの中で、まだ直接お会いできてないけれど、障害を持つ人ひとりひとりに合った車両改造に熱心に取り組む方の存在も知った。
前回書いた、「運転席の隣に障害を持つ家族を乗せたい」という声はその人のもとにもやはりたくさん寄せられているらしく、なんとかいい方法はないかと日々頭を悩ませているという。特に、呼吸器などをつけた子どもさんの親御さんたちは深刻らしい。
今はある障害を持つ子どもさんのために実現したい改造があり、「次の春、その子の入学までには」と取り組んでおられる。


また今回も、このことに気づく。
壁を前にしているときはいつでも、ひとりひとりとの出会いがわたしたちにちからをくれる。

つづく…

くるま、くるか?

2009-06-08 00:11:41 | メグノメ的医療・介護お役立ち情報
今朝の朝日新聞にトヨタの車の全面広告が載っていた。
”後ろからスロープを使って、車いすのまま助手席の近くまで乗り込める
ラクティス「車いす仕様車」”

「この子を車いすから降ろすのは大変ですけど、助手席に乗せた方が
安心なんです。手も届くし、顔も見れるし…ね」
と笑顔で言いながら、雨の中我が子を抱きかかえて助手席に乗せていた
お母さんの大変さから学んだという、福祉車両開発担当者の経験談のかたちで
作られた広告だ。

わたしと父はよろこんだ!
そういう車をちょうどさがしていた。
母と一緒に出かけるには、介護タクシーなどを利用すればできなくはないのだけど、
経済的な面や、気軽さを考えると、母も乗れる車が家にあるといいよねえ…
と、ちょうどいろいろと情報収集していたところだった。
まあ、先立つものの問題はさておいて…というところではあるのだけど、
ひとまず知ることから、である。

病気をする前の母にとっての日常は、
タクシーを頼んでさあお出かけ!と肩ひじはったものは少なく、
ちょっとそこのスーパーまでお買い物、とか、ばあちゃんの顔見に行こうかねえ、とか、
そういう小さなものでできていたはずだ。
わたしも、母がいるからという理由で買い物にも行けない、というのは少し窮屈でもある。
できれば、一緒にお出かけしたい。
母にとっての、わたしにとっての日常を取り戻したい。

福祉車両で、母に適していると思われるタイプは二つあって、
ひとつは、車のうしろ側からスロープが出て、車いすごと乗り込むタイプ。
これは楽だけど、前出のお母さんとまったく同感で、うしろに乗っていると
様子を把握できなくてちょっと心配。揺れで身体が倒れてきたりすることもあり得る。
もうひとつは、助手席が回転してドアの外に出て、乗り降りするタイプ。
こちらは、隣にいる安心感はあるけど、毎回毎回抱えて乗せかえなけれなならないし、
助手席の椅子で、母がしっかり安定して座っていられるかどうかが心配。

それで、両方の機能がついてる車がないかねえ…と探していた。
そしたら、なんていいタイミングで!
車いすごと助手席の位置まで来られるのなら、悩みはほぼ解消されるはず!

ということで、父がさっそくトヨタに問い合わせた。
すると
…対応できるのは、子ども用車いすだけだそうな。

はい、ふりだしにもどる。
各メーカーの皆様、どうかよろしくお願いします!

まあ、まずはお金をなんとかしなければ買えないのだけど。