Marchione Fan Japan

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新作アーチトップ

2007年09月11日 | Review
先日、日本へ入ってきた2本の16インチアーチトップ。
INNER VIEWSや、公式サイトでも紹介されていましたナチュラルと赤の2本です。

ちょうど、1年半前のINNER VIEWSで日本に2本送るキルトを選んでいる所が紹介されていました。
とても素直だというそのメイプル、ひとつは3Pのバックでした。これも何か意図があるのでしょうね。

僕も縁がありそのうちの1本と逢うことが出来ました。

まず、ケースを開けて驚いたのが、そのアーチの形状です。
実は、マルキオ-ネのアーチトップを見るのは初めてだったのですが、その曲線が本当に美しいのです。
広い大地に大きな丘が広がっているような雄大さ。
これはプレスや機械を使った削りでは出せない曲線、大きさではないでしょうか。
今まで写真で何本も見ていましたが、この美しさは想像を遥かに超えていました。
通常、ギターのアーチは中央にかけて単純に盛り上がっているだけの物だと考えていた私のイメージは間違っていました。
ヴァイオリンやチェロを見ているかのような気持ちになりました。

そして、シェラック塗装の薄さ。木材が元々こんな色だったのかと錯覚するくらいに自然で、厚みを感じません。
光り方も、ヴァイオリンのような風格がありました。
杢を生かした感じも素敵なものです。写真では塗りつぶしに近く見えていたのですが全くそんな事はなく綺麗なキルトが見る事ができました。

ブリッジやテイルピースの曲線も本当に美しいです。それらだけでも欲しいと思ってしまいました。
ルックス面もまだまだ沢山素晴らしく感じた点があるのですが、早速持たせていただく事に。

軽いです。
本当に軽く、そしてバランス感もあります。
ある人によれば、オリジナルダキストのそれに近い物があるとの事です。
これなら小柄な方でも、重量を苦に感じる事は全くないと思います。

そして、16インチというサイズもあるかと思いますが、抱き心地に全く違和感がありません。
僕は、173センチ52キロと決して大きな体ではないのですが、これも苦に感じる事はないです。
小さいと、箱の容積が足りなくなるのでは?と考えていましたが、これはアーチの形状で十分確保しているのではないかと思います。

そして、肝心の演奏面です。
まずネックの握り心地。マルキオーネの特徴である疲れ知らずな形状です。
どこまでいっても違和感の無い形状です。

最後に出音ですが、本当に残念なのですが僕はあまりに手が震えてしっかり弾く事が出来ませんでした。
しかし、アーチでありながら非常に反応の速い音、ピアノのような和音の響き。
ボディとネックが調和した鳴り方で、どこかがデッドになる事もなかったです。
オリジナルダキストとはまた違った、本当に現代の音という事は味わえました。

以前マルキオーネの広告で、
「人間の手をわずわらすと、このようになる」
というフレーズを拝見しましたが、これを思い出して深くうなずく事ができました。

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