２０１７年１０月１１日仲畑流万能川柳

☆プロジェクターばかり見せてる講演会　鹿児島　田中健一郎

スポンサーつかずゴロ寝の冒険家　越谷　小藤正明

空ばかり見ていて雲になった人　仙台　山上秋恵

大きめの文字でメールをくれる孫　大津　竜の捨て子

容量は二ギガに減ったわが頭　荒尾　荒尾孜

この国に春と秋とがあった頃　霧島　久野茂樹

政官は記録の破棄で自白する　湯沢　馬鹿馬太物

ロレックス木魚たたき充電す　東近江　別人２８号

五輪では熱中症の東京に　福岡　蔵田正章

諭吉さん連れて立ち寄れ一葉忌　伊賀　頓馬天狗

元気とはひとりで病院行けること　福岡　のり子

偶数をどうして嫌う五七五　日田　淡想

はたき込み覚えて弱くなる力士　交野　大沼章

コロコロと指輪ころがりヤな予感　北九州　ショパン魂

自動車（くるま）にも面相悪いのがあるね　大阪　佐伯弘史

遠慮する口に本音の腹が鳴る　久喜　宮本佳則

バンパーを擦っただけでこのショック　福岡　小把瑠都

理解者は選者だけかと思える句　射水　江守正

２０１７年１０月９日仲畑流万能川柳

☆無題って付けて凡作深遠に　鴻巣　雷作

こんにちはそんな感じで恋生まれ　白石　よねづ徹夜

合コンに美人いるけど囮だよ　安曇野　荻笑

店員に羽織って貰う逆試着　中間　西幸子

聞き役が私一人で帰れない　神戸　中林照明

百円の古書の中から千円が　大分　田中勇司

出す習慣トイレ万柳ＡＴＭ　熊本　ピロリ金太

神よりも亡母（はは）に感謝の今卒寿　東京　倉さん

どうしたと何故訊かれない俺のミス　神奈川　荒川淳

ヒソヒソの上司チラチラ俺を見る　愛知　舞蹴釈尊

高重恐ときどきあって要る夫　取手　はにわゆう

問診にただの興味も混じってる　福岡　小把瑠都

モンゴルに僕似がきっと二人いる　高槻　かうぞう

不覚にもお詫びの席で酔いつぶれ　越谷　小藤正明

もう少し洗えるわよと脱がされる　東京　恋し川

大概は口先だけの命懸け　武蔵野　竹とんぼ

デザートを２倍食べてる休肝日　北九州　お鶴

柳名で呼び合うときの親近感　静岡　石垣いちご

仲畑流万能川柳２０１７年９月月間賞

９月月間大賞】
星祭り地球の孤独ふと思う　　 取手 崩彦

【月間賞】
コンセントあれば便利な墓掃除　　　青森 よしのまち

喧嘩して響くテレビの笑い声　　 北九州　　はな

頭見てご住職かと尋ねられ　　　川越　　麦そよぐ

２０１７年10月8日仲畑流万能川柳

ニッポンの時間厳守は始業だけ　愛知　舞蹴釈尊

ミサイルでコメが何トン飛んで行く　神奈川　カトンボ

ことさらに生地回してるピザ職人　湖西　宮司孝男

自分よりまずは仕事を探してね　福岡　朝川渡

キーマンと呼ばれているが鍵管理　ふじみ野　ハナサカス

ステージを徘徊してる老ロッカー　相模原　水野タケシ

魂を包んだ皮膚を重ね合う　北九州　智鈴

句がおりて来ないかなあと上をみる　横浜　おっぺす

伝票は私の席に置かないで　三鷹　ガス橋

鶏口と牛後どっちもイヤだなあ　秦野　てっちゃん

パンやったカラス私を覚えてる　豊中　栗田道代

猿山に人間くさいヤツもおり　福岡　小把瑠都

スイーツと呼ばれ大福かしこまり　倉敷　中路修平

前例がないか調べてやる役所　坂戸　グランパ

こんなのを秘蔵っ子と言うボスの趣味　鴻巣　雷作

落語家と思えぬ下手なシャレも言う　東京　新橋裏通り

有無がまだ証明されてないあの世　大阪　佐伯弘史

こんな国消えてしまえと再稼働　東京　ホヤ栄一

２０１７年10月7日仲畑流万能川柳

☆もう薬飲まんでいいねと逝った母　大阪　佐伯弘史

そりゃ当たり出るよ長蛇のくじ売り場　久喜　宮本佳則

熱の子に桃缶開けるああ昭和　西東京　杉本とらを

ピンポーン鳴って慌てる真夏の日　東京　倉さん

トイレットペーパーに要る？色香り　戸田　小松多代

千円を握り余裕の百均店　高知　小島雅博

無神経なのにカミさん神経痛　ふじみ野　ハナサカス

コメントもカツラもズレているキャスター　相模原　水野タケシ

ばあさんと二人っきりも悪くない　各務原　小西克明

子が育ちもう作らないオムライス　坂戸　グランパ

前車には若葉と紅葉貼ってある　取手　崩彦

忖度が出来ぬとなれぬ有識者　川越　麦そよぐ

忖度が支える夫婦（ふたり）耳遠い　さいたま　藤不二

いいよなあ笹食べ遊んで人気者　桜川　今賀俊

落語すき韓国人はへんですか　韓国　キムユジン

無理をせず運に任せて投句する　横浜　一歩二歩

蚊帳の中ホタル飛ばして寝た頃が　さいたま　模名理座

自信句を目立たせるため添える駄句　西尾　岩瀬勇