２０１５年１２月３１日仲畑流万能川柳

☆良いことも不幸もなくて除夜の鐘　 西宮　 寺田稔

わが家では紅白からがお正月　 高槻　 まいのり。

「正月はゆっくりさせて」子にメール　 北九州　 エミリー

まいったなもう大晦日やってきた　 恵庭　 恵庭弘

目くじらをたてて紅白見なくても　 神奈川　 カトンボ

年末も年始も独りただひとり　 泉佐野　 裸の大将

煩悩の鐘が終われば願い事　 武蔵野　 竹とんぼ

五郎丸ポーズが増えそ初詣　 倉敷　 中路修平

住所録なくして賀状来るの待つ　 神戸　 芋粥

紅白の裏で捨て身のバカ騒ぎ　 成田　 離らっくす

年末に書初めやると孫が言う　 光　 昭さん

衣装ハデ歌イマイチで大御所と　 大阪　 ゆみちゃん

神主が晴れてと祈る三が日　 鎌ケ谷　 ありの実

バラエティ合戦ですな紅白は　 米子　 浮々

歌合戦（バラエティー）四時間半は長すぎる　 東京　 山田和夫

紅白の七不思議だねあの人は　 高槻　 岩田規夫

年金にボーナス欲しい年の暮れ　 宝塚　 笑顔よし

他人の句だけ読み今年も六千句　 堺　 せっつん

２０１５年１２月３０日仲畑流万能川柳

☆それでもさいい国だよな日本て　 富津　 七右衛門

急停車されて化粧のやり直し　 勝浦　 ナメロー

ただいまと言える言われるのも幸ね　 柏原　 柏原のミミ

モザイクで手口を語る元社員　 静岡　 石垣いちご

いつの日か去ると思えば愛しい世　 久喜　 宮本佳則

お年寄りだらけ私もその一人　 大阪　 トシノ

年齢で質量ともに変化する　 堺　 秋山美智子

ああ遂に畳のへりにつまずいた　 東村山　 早とちり

四季があるこの大サービスがただなんだ　 木津川　 月日立ノミ

眠ってる時間も生きている時間　 大牟田　 峠一歩

安倍さんにまんまと食らう猫だまし　 西東京　 矢ケ崎耕一

客と妻ガマン比べの午後５時半　 神戸　 芋粥

酒飲めぬことがどうして真面目なの　 相模原　 水野タケシ

買ってきて２日で食べた非常食　 広島　 銭形閉痔

絹の道仏の道は金（かね）の道　 前橋　 阿Ｑ

楚々とした風情でオレを尻に敷き　 戸田　 小松多代

消しゴムは落とした場所に落ちてない　 川越　 麦そよぐ

オフ会の元祖みたいな強運会　 佐倉　 繁本千秋

２０１５年１２月２９日仲畑流万能川柳

☆村人も今では家に鍵をかけ　 津山　 大西雅風

サヨナラにアイスクリーム似合わない　 八尾　 立地Ｚ骨炎

空っぽの札入れにある花名刺　 川越　 麦そよぐ

銀行にトイレないわけ考える　 白石　 よねづ徹夜

目をちょっと逸らしてガンを告げる医師　 越谷　 小藤正明

デビ夫人本名すごく日本的　 東京　 新橋裏通り

皿を割り独り居なれどごめん言う　 調布　 陸遊子

老人会会長むかし竹の子族　 宗像　 アタッ苦

他社製で昔見たよな新型車　 愛知　 舞蹴釈尊

２人連れテレビ美人へマイク向け　 別府　 タッポンＺ

スポーツをしていなければただのワル　 さいたま　 影無

深いなと思う授乳という行為　 名古屋　 伊藤昌之

詐欺まがい詐欺との違いどこだろう　 横浜　 萬野肉球

刑事（デカ）っぽいヤクザっぽいの微妙な差　 東京　 ホヤ栄一

おでん売ることが文化か文化祭　 生駒　 鹿せんべ

門限を守らぬ祖母を叱る祖父　 伊勢　 オカリナ

経文は生きてる人の為にある　 神戸　 中林照明

バス旅行次のトイレを目指す旅　 札幌　 北の夢

２０１５年１２月２８日仲畑流万能川柳

☆コンパニオンよりはヘルパー欲しい会　 長野　 欣雀

警察に守られている組事務所　 相生　 ブー風ウー

あぁ時は流れてトドになる人魚　 柏原　 柏原のミミ

寒いねと言われて寒いなと思う　 静岡　 青柳茂夫

裕福な国の言葉だダイエット　 久喜　 宮本佳則

ぐうたらをヒントにしたら特許でき　 川崎　 さくら

貴方からもらえるものは風邪ぐらい　 奈良　 山上秋恵

若作りしても寿命は変わらない　 神奈川　 カトンボ

センスない人からセンス誉められた　 坂戸　 グランパ

いろいろなバスト見てきた聴診器　 倉敷　 中路修平

ウェストをなくして着物美しい　 北九州　 お鶴

歩けなくなっていただく無料パス　 東近江　 別人２８号

野の石に仏見付ける歳となる　 宝塚　 忠公

Ｃ案にするために出すＡＢ案　 鴻巣　 雷作

カラオケで横からサビをさらわれる　 糸島　 摘んでご卵

上達し助けられてたことを知る　 東京　 恋し川

あなたしか騙せなかった妻が言う　 安曇野　 荻笑

書留で葉書出したら載るかしら　 湖西　 宮司孝男

２０１５年１２月２７日仲畑流万能川柳

☆載らずとも安眠出来ることに慣れ　 市原　 片原一豊

幸せに埋もれて愚痴をこぼしてる　 八尾　 立地Ｚ骨炎

笑うのを止めると老けた顔になる　 川越　 麦そよぐ

見つけたが色が薄目の青い鳥　 白石　 よねづ徹夜

そのうちにぼくがつえになるからね　 越谷　 信大

疲れた日無口な方の床屋にし　 伊万里　 赤絵の碗

酔ってないしるしだ敬語使ってる　 久喜　 高橋春雄

癖のある子と戸はちょっと持ち上げて　 交野　 いや美

太陽に感謝をしたり恨んだり　 広島　 毎日珍文社

アメリカの孫は戦争知る世代　 札幌　 佐藤庸子

旅番の女将の裏の顔をみる　 神戸　 芋粥

ごほうびをセルフサービスしてるオレ　 行田　 ひろちゃん

無洗米だれが洗ってくれたのか　 東京　 小把瑠都

「いえそんな困ります」って嬉しそう　 秦野　 光ターン

雑草に近い言い方だね庶民　 東京　 ひねのり

クラス会借り返すよと十円玉　 大分　 春野小川

妻ネタはリアル過ぎても笑えない　 秦野　 てっちゃん

万柳が消えたこの世は恐ろしい　 福岡　 蔵田正章