人間が狂う様、葛藤する様を説得力十分に、かつあれだけスマートに見せる監督はさすが。
ハートマン軍曹のおかげで緊張感が持続する前半部が特にいい。
前半部ではフルメタルジャケット(完全被甲弾)の製造過程、すなわち新兵の訓練過程が描かれるが、
「口でクソたれる前と後に『サー』と言え!分かったかウジ虫!」
「人種差別は許さん 黒豚、ユダ豚、イタ豚を、俺は見下さん!すべて平等に価値がない! 」
「パパの精液がシーツのシミになり、ママの割れ目に残ったカスがお前だ!」
「まるで、そびえ立つクソだ!」
「じじいのファックの方がまだ気合いが入ってる!」
とまぁみんな大好き罵詈雑言が矢継ぎ早に浴びせられる。
ハイライトでは冷たく不気味なBGMが盛り上げるが、エンドロールとともに流れるストーンズの「Paint It, Black」の選曲がいいね。