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役者・御縁あやののぶろぐ。

劇団新派『東京物語』みたよ、あと最近の話

2024-01-27 12:33:00 | のほほん
実は先日、劇団新派さんの『東京物語』を拝見する機会をいただきまして、初めての三越劇場へ行って参りました。
水谷八重子さんを生で拝める日が来るなんて、と感激しましたー!
しげさん役の波乃久里子さん、もうほんと、素敵でした。強い女性、かっこいい、素晴らしい。
文子さんの石原舞子さん、紀子さん役の瀬戸摩純さん、よかった。

昭和の、どこにでもある家族の物語だった。愛しい。
ただ、ただね。昭和生まれ平成育ち令和を生きる私、
『令和(いま)こそ日本人が忘れてはならない平和な暮らしが、昭和(ここ)にあった』
という煽りが、ちょっと、だいぶ解せなくて。
だって、そこにある家父長制とか、何も変わってない。
義両親が来て、家族の予定も子供の予定もあるから旦那に
いつまでいらっしゃるの?
と尋ねて
そんなこと聞けるわけないだろう!失礼な!
って旦那に言われることとか、
酔った義父がやった友達連れてクダ巻いて帰ってきて、その世話を嫁がとか、
親世代と子の世代の家族同士の関係性とか
何も変わらない、今も。
それで、なんで、昭和が良かったなんて言えるのだろうと。
そもそも小津安二郎監督の昭和の映画だし、客層的にも昭和を生き抜いた方が中心なのもわかる。
でも、何も変わらないよ今とって。
過去を美化するだけにしないで、今を見て、今も変わってないのおかしいよねって、アップデートしてくれって、
すごく思ってしまったの。
作り手ではなくて(いや、この煽りには大いにそう思うけれども)、どちらかというと、それを良しとして観ている観客の方に。
平成を生きて、令和を歩くあなた方の子、孫世代も、全く同じように生きているよって。
しかも、その平和さえも、ギリギリで保たれているのよって。
すごくよくある、家族間の物語を丁寧に描いてくださっていて素晴らしかったけれど、そういう悔しさがあった。

そして、波乃久里子さんのしげさんが本当に良くてね。思ったことをはっきりと物申す、とても気持ちの良い役でした。
しげさんの台詞で一番、ああ、女性!!と思ったのは、お母様が亡くなる、という段になった時に、
じゃあ仮通夜はこっちでして火葬して…お骨を持って帰ってお葬式、
とこの後の段取りを早速考えるところが、女性脳男性脳とわけるのは嫌だけど、でも、ああ、女性だなあと思うところだった。わかりすぎた。
男性だとこんな時、
今そんな話をするなんて薄情な!!!
って激昂する方もいらっしゃるよねーって。
でも亡くなった時なんてもっと考える時間ないよ??って思ってさ。

そんで、お酒に酔って帰ってきて、迷惑をかける義父と友人たちは、本当に無理だったwww
草生やしてるけど怒りしか湧かなかった。え?ご自分の面倒くらいご自分で見てくださる???
文子さんがお客様に毛布をかけてあげてるところなんて、そんなことせんでよし!!って叫びそうになったw
あれって、みんなどういう気持ちで見てるの???
あんなことを他人にさせるなんて、召使じゃねーぞって。
自分のケツは自分で拭けだし、それで文句言われる筋合いないし。
それで家が小さいとか文句言われたらいやもう自分家帰れよ一択だし。
いくら親といえど義父といえど、無理なものは無理でした。
大人とは???ってなるよね。
本当は自分の世話ができるくせにやらないとかね、本当にタチが悪いのよ。
実際に最低限の自分の世話ができないならもうそれは大人と名乗るなだしな。

そんなこともあって、古き良き昭和、みたいに上げられる、盛られるのだけは勘弁だな、と思ってしまいました。
今も変わらないし、そんな時代、繰り返さないでいいよ。つうかもう終わらせたいんだよ。
女はいつまで家政婦みたいな扱いなんだよ…もう終わりにしてくれよそんなのよお。

セットは昔懐かしく、とても良かったです。
場転は緞帳毎回下ろしてるので暗転長めなのだけど、高齢の役者さんたちの介錯してるんだなーって思った。仕方ない仕方ない。

そんな『東京物語』でした。
大御所の方々のお芝居はとても良くて、本当に見られて良かったです。
帰りは日本橋で美味しいお蕎麦いただいたよ♫


年明けからこっちも頑張って生きています。
がんもととんすけに支えられてるエブリデイ。
メインのお仕事も、業務委託の文字書きのお仕事も、いい感じに立ち位置を得られてきた感じ。有り難いですね。
先日は母上より仕事休めた!休み取って!!と言われ、頭下げて有給取り、久々の平日休みを満喫しました。
大好きな横浜をたくさん散歩して、美味しいもの食べて、お茶して、買い物して。
年末に行った古着屋兼セレクトショップで、可愛いけどお高いな…と諦めたワンピース残ってて半額になっていて、ぎゃー運命!!!ってゲットしたり。
なんなら途中で着替えてそれ着て歩いたくらいwww
来週はちょうど出社日あるので早速着て行っちゃうぜっっ

そんな日々。
色々あるけど、毎日一つ一つ丁寧に。納めていく所存です。

以下最近のお詣りとか!
毎年のお年始のお詣り。筑波山神社

筑波山の新しいお詣りスポット、大御堂。
守本尊である千手観音さんがいらっしゃるので、昨年からご挨拶しています。


筑波山から見た夕焼けと富士山

初めて行ってみた!千葉の香取神宮次回は奥宮まで行きたい!

お世話になってる職場近くの氷川神社さん。
職場のお詣りイベントに混ぜてもらいました!

職場の偉い人がタロットされる方で、私もみていただきました!
タロットできるのすごいな…私は色とオラクルカードが限界!
とてもいいこと言っていただけてえへえへ。がんばるお!!
おっきくなったわねあなた!!健康でありがたい!!

#朝彦と夜彦1987

2024-01-14 09:10:00 | 芝居・芸事
昨日やっと #朝彦と夜彦1987 を夜回で拝見させていただきました。

大好きな作家さんの、本当に本当に大好きな戯曲で、初見の時はマジで泣いたし、あの衝撃は忘れられない。

初演が決まった時、なんで私は女なんだろうってすごく思った本でもあった。私が一番読み込んでる自負があったから←


今も折につけ読んでいる。本当にすごく好きで、何をやりたいか問われたらとりあえず無理だとわかっていても口に出しておく、そんな本。

そんな公演は、今回で3回目だそうなのに、やっと見に行くことができた。Cキャスト。荒井さんと健人さん回。いつも先生の本を一緒に読んでいるしろさんと。


さくらホール、大きいけど(以前来たのは田島貴男さんのソロライブだったと記憶してる)素舞台で、セットは椅子一つ。大きな舞台、台本以外は身一つで2人だけ。

かといって端から端まで大きく使うこともなく、2人の心的距離だわあと思いながら拝見するなど。


私たちはもちろん、小さいながらも演る側でもあるので、そう読むか!や、それそれ!を見つけるのが楽しく、結果、やっぱ演りたい、になってしまって笑う。

本当に、口に出したい台詞がたくさんある。私は記憶のHDDがポンコツだから、自分が出た舞台も公演終わると台詞とか忘れていくんだけど、この本は自分がやってもいないのに、覚えている台詞たくさんある。冒頭とかマスクの中で一緒に口が動いてる自分に気付いてびっくりした。


荒井さんの堂々とした朝彦は、ああ、山田夜もこの朝彦について行きたいと思ったんだろう、というブレなさ。まっすぐ生きてきました、という、普通で、予定調和でも幸せを楽しめ、朝を朝だと思える朝彦だった。うれしい。

健人さんの夜彦は、そうか夜彦って外から見るとこんなに普通なのか、って。

既に何度も読んでしまっているから、どんな辛さを抱えているのかもわかっているけど、躁状態の時に学校に来ている時はこうなのかあとか、なんか、今更、彼が普通だと思われていた振る舞いを客観的に見て、さらに抱きしめたくなったというか。

彼の過去は他人の口から聞くとこんなに衝撃的なことも、友達と読んでいるだけでは、演じている側だけでは本当にはわからないものだった。他人の口から聞いてはじめてわかる重さがあった。それを聞かせてくれたことに、気付かせてくれたことに感謝をしています。


見られてよかった。

また、菅野さんの御本に関われることにめっちゃんこ嫉妬はしているけれど、私も小さいながらも表現することをこれからも頑張りたい、続けて行きたいと本当に思えたし、改めてこの『朝彦と夜彦』の戯曲が好きだと思ったし、ひとつひとつの言葉の表現も本当に好きだと思った。

菅野彰さんの綴る日本語は、やっぱり本当に美しいなと感じた。ずっと私が目指す日本語の美とリズムなんだ。

初見から20年くらい。今も好きな本だった。

ありがとうございました。


本日千秋楽、1人でも多くの方が、この本の衝撃に、やさしさに触れてほしいと思ってやみません。