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演出日誌:10「役者の力、役者の仕事」

なんだかんだで二週間限定日誌も10回目。つまり本番が近付いているという事です。来週にはもう初日の幕もあいちゃってますね。○○さんや○○さんのジッパーとかチャックくらいあいちゃってます。(詳しくは本編をご覧ください)
…こんなこと書いてますが、基本下ネタは好きじゃありません。あくまでも「上品な下ネタ」を目指しつつ、ジッパーやチャックがあいちゃう芝居を書いている。どんな芝居だそんな早川です。

さて今回は役者の仕事について。
良い作品とは何か、という語りを目にしたことがありまして。
どこかの誰かの言葉をすごく極端にすると、
良い作品とは「世界がしっかりと描けていて」「そこに居る人間の関係がしっかりと描けているもの」
と言う事でした。まったくもってその通りだと思います。キャラクターだけ描けていても、キャラとキャラの関係性が描かれないと、物語としては魅力が感じられません。
世界の中で生きる人々の関係性が描かれ、その関係性の変化が描かれ、更にそこに何かのリアルがあってこそ(現実的なものではなく、心情的なリアルってやつです)観る者を引き付ける何かになってくれるのでしょう。

で、人間関係を描くのは役者の仕事として当然のこととして…特筆したいのは世界の話。
言ってしまえば私は、世界というもの自体も、役者の力で描きだせると思っております。

今回の劇場MOMO。MOMOに限らず劇場というものは、基本、黒い壁に覆われた実に無骨なスペースです。美しい深海や、あるいは人間の王子の誕生日を祝う船上、人魚姫が住まうお城などは(そんな芝居じゃないですがね)セットを組まない限り一切ありません。
そして、疾走人魚ではセットを非常にシンプルで無骨な作りにしておりまして、それをある時は人魚、あるときは人間たちの世界にして、お見せする予定です。

少し話が変わりますが、最近、バーや喫茶店、アトリエなどでの演劇公演が盛んです。
雰囲気のあるスペースは、入った瞬間から作家や演出の持つ世界観がお客様に伝わりやすく、すぐに演じ手の世界に巻き込むことが出来る、作家、演出家にとってはいわば「地の利」があるスペースだと思います。(中には全くその雰囲気と別のものを作る果敢な方もおりますが)
一方、劇場でそれほどのセットを組まない状態でお客様を引き込むには、照明さん、音響さん、舞台監督さん等の力を借りるのと同時に、「お客様の想像力」、そして「役者の力」が必要です。

身体ひとつで水を表現したり、波を起こしたり。
静かでリアリティのある演劇が流行している今、一見すればそれは滑稽に見えるかもしれません。
ですが、早川は敢えて演出家として「何もないところに何かを生み出す」「役者の身体で見えないものを形作る」といったことをやっていきたいと思っています。
決して今回の出演者は、若く溌剌としたメンバーでも、身体を鍛練し絞りきった人々でもありません。
ですが、イメージの海に人魚の歌声のごとく、お客様を引き込む魅力のある、個性豊かな面々であると思います。

心も体もいっぱい使い、役者としての仕事を全うする彼らの姿を、是非ご来場のうえ、体感して頂きたいと思います。

…なんか真面目なこといっぱい書いちゃった。
ジッパーやチャック全開ならぬ、脳内の妄想力を全開にして、是非お楽しみください!

24日初日が完売間近!
26日金曜日、27日土曜日昼の回も好調な伸びを見せております。ご予約はお早めに!
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